「あれ？？？？？？？？？？ソングラインちゃん、どうしましたか！！！！！！！！！！！！！結構お酒回っちゃいましたか！！！！！！！！？」
「………いや、大丈夫だ。ちゃんとセーブして飲んでるよ」

お前と違ってな、とは言わないでおく
私の手にはいつものニンジンサワー。この店で使うニンジンジュースはいつも新鮮なもので、どんな時でも変わらない美味しさ
まだ二杯目。私は眼前の元気爆発娘と違ってザルじゃない。セーブして飲まないとすぐに潰れてしまう
逆に言うと、私が二杯飲む間にどれだけ飲んでるんだこのザルは

「すみませーん！！！！！！！！！！！！カツオの酒盗とホッケの開き一つずつお願いします！！！！！！！！！！！！！！！ソングラインちゃんも何か頼みますか！！！！！！！！！！？」
「あ、じゃあなんこつ唐揚げ」
「なんこつ唐揚げも一つ！！！！！！！！！！！！んぐっ………ぷはぁ！！！！！！！！！」

言ってる傍からグラスに残ってた焼酎を一気に飲み干してしまう
そんなペースならもういっそジョッキで飲んだらどうだ、と呆れながら言ったことがあるが……それは、嫌らしい。なんか風情がどうこう言ってたけどあの後すぐに飲み潰れてしまったから覚えてない
当の本人はルンルンで新しい焼酎を瓶から注いでる。……最近お気に入りなのかな、あの赤霧島ってお酒

「大体、ソダシちゃん来てもお前のペースにはついていけないだろ」
「自分で言うのもなんですけど、ついてこれた人が今までいません！！！！！！！！！！！！！！！！！」
「自覚あるなら少しはブレーキってものを覚えろメイケイエール！！！」

ああ、もう。舌の根も乾かぬ内にまたきゅーっと焼酎を煽ってる
………考えたくはないけど、肝臓とか大丈夫なんだろうか。職場で健康診断はしっかり受けてるはずだけど

「ああ、もう……あの頃はこんなことになるなんて、想像もしてなかったぞ」

ため息とともに吐き出せば、きょとんとした顔のメイケイエール

「どういうことですか？？？？？？？？？？？？？？？？？？」
「あの頃は、大人になったら絶対お前が酒の席でいつもの暴走して、それを介抱する立場になるんだとばかり思ってた」

ニンジンサワーを一口飲んで、もう一度深いため息

「だけど現実は逆で、まさか初めての飲み会でお前に介抱されてからというものの毎度のようにお前より先に酔っぱらっちゃってさ。それどころか、誰もお前が酔い潰れたところを見たことが無いなんて有様だ」
「えっへんです！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

無駄に大きいその胸を張ってにっこり
うん、まだだ。まだチョップはしないでおこう

「あ、お酒無くなっちゃいました！！！！！！！！！！！！すみません、赤霧島もう一本入れてください！！！！！！！！！！！！！！！！！」
「………もう突っ込むのも疲れてきたよ」

しかし、なぜか先ほどからニッコニコのメイケイエールに若干違和感を感じる
これは、あれか？ようやくこいつが酔っぱらうところを見れるのだろうか。いや、顔も赤くなってなければ所作もしっかりしてる
届いた赤霧島のボトルを開けて、グラスに氷を入れて手慣れた仕草で注ぐ。そして、そのグラスを手にして

「なんだ、何がそんな楽しいんだ」
「嬉しいんですよ！！！！！！！！！！！！！！！！！だって！！！！！！！！！！！！！！！！！」

すぅっと
彼女の目が細くなって、その笑みが……妖艶なそれに変わって

「将来の心配してたってことは……ソングラインちゃんは、あの頃から大人になっても私と一緒にいてくれるつもりだったんですもんね？」

その言葉に、盛大にニンジンサワーを噴き出さなかったのをまずは褒めてほしい
その代償として盛大にむせた。それを見ても、メイケイエールはその笑みを崩さない
なんで、なんで
そんなことを、よりにもよってプレーンな顔で言うのだろうか

「確かに、仕事こそ別々になりましたけど………それでも時間があれば連絡くれますし、こうしてお酒飲んだりしてくれますもんね？」
「ごほっごほっ………！！！」
「ふふ、嬉しいですよ、ソングラインちゃん？」

………次にやることは、オートで決まった
机の下に隠した右手を、手刀の形に。次にメイケイエールが何か言った瞬間、その一撃を叩き込んでやる
カラン、とグラスの氷を鳴らして、メイケイエールは微笑みを深めた。さあ、何を言ってくる
全力全開のチョップを準備した私に、メイケイエールが告げたのは

「そんなソングラインちゃんが、大好きですよ」

………そんな、言葉で
顔が、火にあたったかのように熱くなる。多分お酒の酔いとは全く別の理由でトマトみたいに赤くなってると思う
怒りの一撃を叩き込むつもりで力を入れていた手刀がプルプル震え、力が抜けてしまう

「………ふにゃあ」

そして、全身の力が抜けて、テーブルに突っ伏してしまう
クスクスと聞こえるから、多分メイケイエールはまだ笑っているんだろう。あのどこか妖艶さすら感じる、普段と違う………だけど、彼女の本音の笑顔で
愛おしいものを見るような、あの目で

「ふふ、これからもよろしくお願いしますね。ソングラインちゃん」

完全に、負けた。それを実感して、できることはただ顔を上げずにプルプル震えるだけ
次に顔をあげたら、この残ったニンジンサワーを一気に飲み干してしまおう。そしてさらに飲んで、早々に潰れてしまおう
またメイケイエールの世話になってしまうんだろうけど、そんな恥今更だ。明日は休みだし、泊めてもらおう
少しでもダメージを減らすために、正気を削るために。どんどん、先輩方がいたら怒るだろう勢いで飲んでしまおう

結局、その日はメイケイエールにやられっぱなしで。一度も勝てないまま、酔い潰れて
翌朝見慣れた彼女の部屋で目覚めて、割れるような二日酔いの頭痛に苦しみながら、メイケイエールの作った卵粥を食べながら、前夜の自分自身に呪詛を吐くことになったのだった

以上。酒飲んでメイソンした
最近書いてなかったのでリハビリ気味

プレハブひっさびさに見た
ありがたいありがたい……

生きてたのか
肝臓くんに怒られてないみたいで安心した

久しぶりに見たら卒業どころか成人してる…

おおメイソン！ありがたい！

オルフェのマスクが取れてからというものメイソンが恋しかったよ
エールちゃんかわいいね…

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

>No.1277563475
おお！！お手描きありがとうございます！！

おちち！！

うおっでっか…

ありがとう…
エールちゃんロスに染み渡る…

妖艶エールちゃんいい…

「大好きですよ」

>「大好きですよ」
ありがとうございます！！！この視線いい…