◆◆◆豊洲・デジ対本部 個別相談室(デジモン用)◆◆◆ 一方デジモン向けのお説教タイム。 当然、相手は清隆を押し倒していたダッキモン。 2年以上リアルワールドにて生活しているドウモンからは、 この国の未成年に対する性犯罪の条項や刑罰や注意点、 デジモンだからと軽はずみな犯罪行為は許容されていない事。 もし何かあればテイマーに責が及ぶことをマニュアル通りに解説する。 しかしながらダッキモンの覚えている知識はエッチな薄い本等々。 フィクションの性倫理とリアルワールドの性倫理では認識のずれは当然起こる。 その上、説教をかますのはレナモン系列の近似タイプ。 風の噂ではテイマーと結婚をしているデジモンだと言うではないか。 ダッキモンが”なんでアイツが良くて、私はダメなのか”と思考を巡らせてしまうのも無理はない。 その上、愛しのテイマーの存在を近くに感じても、その顔や匂いを質感を味わえないもどかしさ。 「…と言うわけで、未成年テイマーにあのような行為は色々と問題が」 「もう結構です!! こんな場所に何時までも籠ってられません!! 失礼いたします!」 スッ! スタスタスタ! バンッ!! 相談室の扉は二つ。本来は隣に設けた別の部屋との連絡扉であるが。 ツカツカとダッキモンが一つの扉をあけ放った途端、閉まっていた一つの扉が開く。 そこから出てきたのはダッキモン。そのままダッキモンはツカツカと次の扉をあけ放つ。 ツカツカとダッキモンが一つの扉をあけ放った途端、閉まっていた一つの扉が開く。 そこから出てきたのはやはりダッキモン。ダッキモンはツカツカと次の扉をあけ放つ。 歩みに迷いが無いのは本能的にテイマーの存在を感じ取っているように見受けられる。 スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ! バンッ!! スタスタスタ…バンッ… スタ…スタスタ…バンッ… スタ…スタ…スタ…ギィ… スタ……スタ……スタ……ギィ… スタ……スタ……スタ…… そう…この部屋はループしていた。何度も何度も扉から出ては扉に入るダッキモン。 精力が強めの成長期デジモンであろうと、さすがに息をきらし、肩で息をしている。 その間ずっと、ドウモンはお茶をしばいていた。 疲労もかさなり、ダッキモンはようやく部屋の以上に気が付くと、もといた椅子にすべり込む。 「ハァーッ…ハァーッ…ハァーッ…ちょっと…なにか…小細工…しました…ね!」 「”鬼門遁甲”…私の許可が無ければ、この相談室から出られません」 ドウモンがややドヤ顔で指で印を切れば、部屋の四方に貼られていた札が怪しく光る。 ダッキモンも臨戦態勢とばかりに、毛を逆立たせ睨みつけてみせる。 だが、相手は落ちこぼれと言われても完全体。 しかも、ダッキモンは清隆様を目指して夢中に走ったせいで戦うには心もとない。 「グヌヌヌヌッ!! 清隆様と私の仲を引き裂こうなんて…なんて卑劣な…!!」 おもわずダッキモンが本音をこぼした途端、ドウモンはピクンと耳を動かし、首をかしげる。 「私は別にあなた達の仲を引き裂くつもりはありませんよ。むしろ仲睦まじいのは大変喜ばしい」