二度目の襲撃も失敗に終わった。
俺は五体をバラバラにされて、パズルのピースのように転がっていた。
「つまんないの、こんなんでろっ骨融合しようだなんて、片腹痛いや」
テイオーはバラバラになった両手両足をめちゃくちゃにつなぎなおした。
もともと腕があったところに、足。足があったところに、腕。首は１８０度反転させてくっつけた。
俺はキメラになって地面を無残に這いつくばった。
うひゃひゃというテイオーの残酷で無垢な笑い声が響く。
「どーだ！　テイオー様にたてつくからこーなるのだ！　にっしっし！」
俺はタイミングを合わせバッタのように飛び上がり、最後の抵抗を試みた。
手刀を繰り出すも虚しくを空を切る。逆にテイオーの貫手がふかぶかと心臓に突き刺さった。
「読んでたよ」
意識はそこで、途切れている。

三度目の襲撃も失敗に終わった。
俺は上半身と下半身を真っ二つに切り離された。
上半身だけが立てられて、それだけ見ると落とし穴にはまった人のように見える。
「ねえ、もうヤメなよ。ボクとろっ骨融合しようだなんて、無理だって」
テイオーはしゃがみこんでうりうりと俺の眉間をつついている。
その目には一抹の寂しさが浮かんでいた。
俺はすばやく自分の親指を噛んで、血の浮かんだそれをテイオーの唇に押し付けた。
「ぶわっ！」
テイオーは二間ほど飛びずさった。ファーストキスを奪われた処女のように、頬を赤く染めている。
「こ……この……ボクの初めてだったのに……！」
怒りに任せて、テイオーが手刀を振りかぶった。
意識はそこで、途切れている。

四度目の襲撃には、気付いていないようだった。
舞台は月。テイオーは呆けたように青い地球を見上げている。
本当に青い。青がテイオーの顔に反射して鮮やかに輝いた。
ふと、テイオーの頬を涙が伝った。この世界は広漠としていて、誰もライバルになる人がいない。
そのうちに拗ねたように眉根が歪み、鼻水が垂れてきた。ずずっと一度すすって、強がりを言った。
「なんてこと、ないや」
不意打ちをしようとした気勢は、いつの間にか削がれていた。
俺はクレーターを飛び越えて、テイオーの真正面に着地した。
とたんに明るくなる表情。いい遊び相手を見つけたという無邪気な顔が現れた。
「きたね。さー今日はどんな風に楽しませてくれるのかナ？」

俺は深く息を吸い込むと、自分の腹に貫手を突き立てた。
傷口は真一文字に広がり、膨大な量の血が流れ出た。
テイオーは目を丸くして、一連の成り行きを見守っている。
俺は自分の体内に腕を潜り込ませると、内臓をかき分けてろっ骨へと逆進した。
第十ろっ骨。最外部の一本をむんずと掴む。
ばき、ごり、ぼしゃ、ごき、がしゃ、ばきん。
折れて、割れて、砕けたそのひとかけらを内部から取り出した。
血に濡れて赤く染まりながらも、白く滑らかな表面を鈍く光らせている。
テイオーは息をのんだ。
「そんなに……ボクとろっ骨融合がしたいんだ」

テイオーは静かに歩み寄ってきた。
手のひらと手のひらを合わせ、指を絡めた。
血が、手首から肘に伝わって流れ落ちた。
途端、煌めきの塊が二人を包み込んだ。
暁の星よりもまばゆいそれは、天高く舞い上がり空の彼方へと消えていった。
ふと目をやると、テイオーは泣いていた。滝のような涙がとめどなく頬を伝っている。
「なんだよお、笑うなよお。トレーナーのくせにさ」
その時初めて、自分がトレーナーであることに気が付いた。
吸収されたろっ骨の、遠い旅路へと思いを馳せた。

好き好き大好き超愛してる？

ろっ骨融合ってなんだよ

何の何の何！？

合体だよそりゃあ

多分純愛

怖い…

ガチの怪文書ぶつけてこないで

>ろっ骨融合ってなんだよ
>調布基地に所属するアダムの石原は、イヴであるニオモと「ろっ骨融合」を結び、ニオモを操縦して神と戦っている。
>石原にとって、ニオモは7人目のイヴ。
>石原はニオモを気に入っているが、ニオモは、石原とはろっ骨が合わないと感じている。
>ある日の戦闘で、ニオモの友達だった夜シミが神に殺される。
>夜シミのアダムだった長崎哲郎は、夜シミの死の瞬間、夜シミのろっ骨で自らの腹を刺す。

>>ろっ骨融合ってなんだよ
>>調布基地に所属するアダムの石原は、イヴであるニオモと「ろっ骨融合」を結び、ニオモを操縦して神と戦っている。
>>石原にとって、ニオモは7人目のイヴ。
>>石原はニオモを気に入っているが、ニオモは、石原とはろっ骨が合わないと感じている。
>>ある日の戦闘で、ニオモの友達だった夜シミが神に殺される。
>>夜シミのアダムだった長崎哲郎は、夜シミの死の瞬間、夜シミのろっ骨で自らの腹を刺す。
>>ろっ骨融合ってなんだよ

草

20年くらい前の田中ロミオ文章を読んでいるような不思議な気分……

元ネタ何？

インフルこじらせた時に見る夢のようだ

舞城王太郎かぁ…