耳をチロチロと舐められる感覚がして、意識が眠りから引き上げられた。 「へへ…起きろツカサ♡」 メルヴァモンの舌は長く、先の方が二股に分かれている。まるで蛇の様なそれは、彼女が人間でないことを如実に物語る。 「ひどいぞ、アタシをほっといて寝ちゃうなんて。」 まだ眠気は俺の体に纏わりついており、目を開ける気にはならなかった。 「…起きないなら…こうしてやる…♡」 今度は両耳を同時に舌が這いまわりだした。彼女の左腕に装備された”メデュリア”との同時攻めだ。 耳たぶに吸いつかれ、甘噛みをされ、耳穴の中まで舌が動き回る。 「んんっ…ん…!やめ…ろ…って…!」 「やだ。アタシの相手してくれるまでやめな〜い。」 実際のところそれはとても気持ち良く、その快楽は眠気をどんどんと遠ざける。 「それに…こんなに大きくしてるのに『やめろ』なんて説得力ないぞ?」 「わかった…わかったって…!」 俺は無理やり体に覆い被さっていたメルヴァモンをひっくり返し、マウントを取る。 ここで俺はようやく、彼女が一糸纏わぬ姿であったことに気がついた。 「準備万端ってわけかよ…ったく…」 今が何時なのかはわからないが、窓の外は暗く、おおよそまだ生物が活動すべき時間でないことだけが伺えた。 そんな暗い中、メルヴァモンの鋭く尖った瞳孔だけが、黄色く爛々と光っていた。 俺は彼女の両腕を片手で纏めて拘束し、もう片方の手を下半身へと伸ばす。 「はぁ、あ…ゆび…入ってき、た…♡」 彼女は基本的に体温が低いにもかかわらず、膣内だけは火傷しそうなほどに熱い。 「ふぇ…あ…そこ…♡ もっと…!」 うねうねと動く膣内の浅い部分だけを、擦り上げるように指を動かして刺激する。 「んぅ…ん♡…ツカサっ…!わざと浅いとこでっ♡…じらしてるだろぉっ…!」 「そうだとしたら?」 「ツカサの…いじわるッ…!アタシ…変になるぅっ…♡」 こんな夜中に無理やり起こしておいてどっちが意地悪だよ、全く。 俺は膣から指を抜く。指にべっとりとついた粘液が僅かな光を反射し、ぬらぬらと光っていた。 「こんなに濡らしやがって…」 「はぁ…はぁ…ツカサぁ…♡きて…♡」 彼女はだらしなく足を放り出し、両腕を広げている。 俺はメルヴァモンに誘われるがままに服を脱ぎ捨て、彼女の膣奥まで一気に挿入した。 「〜〜〜♡♡♡♡!!!!」 絶頂に達した彼女の膣内が一気に収縮し、声にならない声を上げる。 相手から精液を搾り取らんとするその動きに耐えながら、俺は再び彼女の両腕を押さえつけ、無防備に晒される彼女のイキ顔を眺める。 今まで共に戦ってきて、数多くのデジモンを下してきた彼女が、たったこれだけのことで淫らでだらしのない顔を晒す。 この事実は、どうしようもなく俺の征服欲を満たすものだった。 「なんだよ…ツカサ…♡もう終わりか?♡」 少し余裕が出てきたのか、惚けた様子で彼女が煽ってくる。 「そんなわけ…ないだろ…!」 「あ゛あ゛っ♡!急にっ!はげしっ♡♡」 ぱちゅんぱちゅんと肉体同士がぶつかり合う音が響く。 「や♡あぁ…!♡♡アタシだけっ…またイクっ…!!」 「このっ…淫乱デジモンめっ…!ザーメン搾りとる事しかっ…考えてない体しやがってっ…!」 彼女と体を重ねれば重ねるほどに、彼女の体はより魅力的になり、より強い快楽を与えてくるようになった。 それはまるで、俺のデータから、どのようにすれば俺が喜ぶのかを学習し、"進化"しているとでも表現できるものだった。 「ツカサぁ♡…!ちゅーしてぇ♡♡♡」 彼女のその求めに応じ、俺は彼女に抱きつくようにして顔を近づける。 すると彼女は唇を、というよりは舌を貪るような口付けを始めた。 彼女の長い舌が俺の舌にぐるりと巻きつき、酸欠になりそうとすら感じる。 「────っはぁ…!ヤバい…メルヴァモン…もう射精そうっ…!」 「ツカサ…全部…♡全部ナカにくれっ♡」 この催促はある種形式的なもので、彼女とする際には大体いつも中出しだった。 これが人間同士の性交なら妊娠やらの面倒な話につながるが、俺とメルヴァモンはそもそも種族が違うわけで、そういう話にはつながるわけがなかった。 …もしも人間とデジモンの間に子供が産まれてしまったらどうなるのだろう。 それは人間なのか、それともデジモンなのか。それを受け入れるのは、リアルワールドなのかデジタルワールドなのか。 「で…射精るっ!!」 「アタシも…イクっ♡!!」 そんな陰鬱な考えをどうでも良くするほどに、彼女の中に射精する快楽は激しいものだった。 それからも攻め手を変え、体位を変え、俺とメルヴァモンは何度も交わった。 そうして、ようやく俺たち二人ともが満足する頃には夜が明け、部屋に光が差し込んでいた。 「ちゅかしゃあ…しゅきぃ…♡」 俺が散々彼女にぶつけた欲望をごぽごぽと溢れさせながら、メルヴァモンは蕩けた声で無邪気に抱擁を求める。 俺はそんな彼女を抱きしめながら、「俺もだよ、メルヴァモン。」と返す。 急速に冷めていく頭の中には、先ほど降って湧いた陰鬱な考えが再び渦巻き始め、数十分後に迫った登校の時がさらに俺の気を重くさせる。 あー…行きたくねえなぁ…学校。 「なぁメルヴァモン。」 「ん〜?」 「やっぱもう一回しよう」 「いいぞツカサ、かかってこい♡」 結局、現実から目を背けるなら、こうするか戦うかのどちらかが最適だった。 快楽への耽溺が正しくない行いであることはわかっていようとも、それをやめる理由にはならなかった。