新千歳空港国際アニメーション映画祭 メイキングオブ「トラぺジウム」書き出し 司会は染野P コメンテーター 篠原監督 アニプレックス高橋P 司会) 企画のはじまり 篠原監督との馴れ初めは2018年のアニメ「スロウスタート」がきっかけ そこ辺りで原作版トラぺジウムに触れる 三次元アイドルにはじめて興味が湧く アイドル業界魅力的で独特な業界 「たえ」さんの表紙が魅力的だった 読後の感想は想像したものと中身が違った この体験がきっかけになり篠原さんにアニメ化を依頼 篠原監督) 監督デビューが劇場作品でびっくりした 原作はおもしろいがアニメでこのままお出しするのは難しい作品 高山さんに相談し、アニメ化の際に物語の足し算引き算させてくれと頼んだ そのやりとりの中で高山さんに「原作でやりきれなかったこと」を聞くと 「アイドル活動中に楽しそうな4人の様子」が書ききれなかった。 原作後半部分(アイドル編)の駆け足感が気になる 東西南北の崩壊から再開までを丁寧やらせて欲しいとリクエスト 90尺なのでテンポよく取捨選択しながら作った。 司会) この映画東ゆうの物語かそれとも東西南北の物語なのか? 篠原) スタッフのやりとりで群像劇でやってみようと案がでたが「東ゆうの物語として90分やりたい」と話した 司会) 原作で重要なモノローグを描写しないのは実に大変でした。 篠原) 映像屋として「絵で見せられるものは見せたい!」 地の文にある癖の強さを絵で表現したかった モノローグは使いたくない とにかく90分のエンタメにするために行動した 東ゆうは変わった人物。誰もが終始100パーセント好きになれない主人公 司会) どうしても「娘」として見てしまう 篠原) キャラクターとしてではなく、人間性に魅せてくれるのが東ゆうという存在 家にいる時のゆるい姿のゆうと、外面のゆうの使い分を描いた 「この映画は東ゆうという一人の人間を撮っている」 この映画は東ゆうにとっては大きな物語だけど小さい世界の物語 高橋P) (ここでパワーポイントによる説明が始まる) (ゆうの表情集が映し出される) 画作りは「作打ち」で各々相談して設定する デザインの話は長くなるので今回短めに 衣装設定を細かく作りました (パワーポイントでゆうの衣装が大量に映り出される) ゆうの服は着回しが多い←監督アイディア 芋ジャーも監督アイディア アニメ的にいい色じゃない色(地味な色)で設定してもらった。 衣装設定作りすぎて1カットしか映らない蘭子の私服が存在する 備考※会場に東ちゃんの芋ジャー姿の男がいた。 司会) デザインについて監督から一言 監督) 東西南北はスタイルをあまりよくしない感じでデザインをお願いした(蘭子はスタイルいいので例外) でもアニメなのでかわいくして欲しい 色指定は高山さんからちょこっと指定あり 衣装設定は高山さんオーダーが多し、実物の衣装を引き合いにだし指定してくれる (その際東西南北4人の簡単なプロフィールも教えてもらった)←裏設定? ライブ衣装は、りお&高山さん二人でデザイン(女子二人でワイワイと作っていたそうな) 備考※ここでパワーポイントにうっかり東ゆうの下着姿のデザイン画露出 司会) ボディラインの設定も必要ですので!やましい物ではありませんよ! 監督) りおさん曰く、シルエットでキャラ感が分かるようにデザインしたとの事(くるみちゃんがちんちくりんで服がオーバーサイズなのが例) ?ここから劇中のシーンからポイントピックアップ? (テネリタス肛門前のシーン、ゆうがプレートに蹴りをお見舞いするシーンがスクリーンに映る) 司会) テネリタスの元ネタ神戸女学院をロケハンした 原作版でもトラぺジウムの元になった舞台はほぼ関東にまとまっているが 高山さんのご指名でテネリタスは神戸女学院 テネリタスは聖地巡礼が難しい。(男子禁制の為) ロケハン巡りをしていた時、脚本はほぼ完成していた。 しかし、ロケハンをする事で新しい視野が広がり。脚本を直しを行った (西テクノ高専のシーン) 監督) ロケハンした千葉大学がモデル あのプールは実在する(西テクノロケハンに染野Pは風邪ひいてしまい欠席) 司会) 監督は光の表現にこだわりましたか? 監督) アニメやってると「じゅんこうかげつけ」は昼間のシーンばかりになってしまうので太陽以外の光で照らしたい という事で光を意識した。 「光るんだったら綺麗に見せたい」 西テクノがこの映画で季節を描く為の最初のイメージボードだった(西テクノ編における季節は夏) (ショッピングモール本屋のシーン) かなり体力を使ったシーン 東ちゃんが見つめる平置きにされた自己啓発本にかなりの作画カロリーを消耗した 本の表紙を実際に作った。 人物像を実際に描いて、後は現実の装丁さんにアオリや帯文を入れてもらい一冊一冊データではあるが実際に作ってもらった 司会染野P) 新聞の中吊り広告みたいなウサンクササがある 監督) 本屋の背景は美術さんには力入れてもらった 実写トレスではなく一から書き下ろし トラジウムの美術さん(背景)がかなり力を入れている。 (パワーポイントで砂浜で夕日をながめるシンジとゆうのシーンが移る) 篠原監督「光の描写をみせてやった」 トラぺジウムはA?Dパートに分かれている 当初東ちゃんがシンジに悪辣な所をシーンをどの辺りに差し込むか悩んだ→結果喫茶BON訪問二回目「どっちが好感度がいいでしょう」のシーンになる。(学園祭くらいまでがAパートらしい) (学園祭のシーン) 監督) シンジのカメラのロゴ張り込みは辛い作業(カメラのSONYのロゴ、カメラが作画の都合で動くと撮影さんが微調整してロゴも動かしてくれる) 司会) サっちゃんと東ちゃんの(耳打ち情報東ちゃんの)ゆびきりシーンが一番好き 監督) りおさんは指の書き込みがすごい (TV出演、東西南北のコーナーのシーン) 司会) 浅草も東京タワー階段登りもロケハンした 監督) なんでよりによって浅草と東京タワーなんだと作画スタッフに怒られた シャチやばい!シャチの作画にすごい時間がかかった。原画マン曰く「俺は日本で一番シャチがうまくかける」 (東西南北(仮)アイドル化計画のシーン) 監督) レッスンシーンの鏡に気合いを入れた 司会) ダンスは実際にダンサーさんに踊ってもらって。アレンジもしつつ基本トレス(ロトスコープ?) 最初のダンスがみんな下手くそなのにダンサーさん達は上手でちょっと困った はじめの頃はバラバラだったダンスシーンが洗練されていく過程を見てもらいたい (東ちゃんのノートに関して) 監督) モノローグを使わない代わりにノートに代弁してもらった。 ノートの内容は高山さんと相談して決めた 「出口、私は。」の一言は高山さん発案。 「☆東ゆう☆」のサインは監督直筆! 喫茶BONの背景は3D組んでつくりました。 3Dで作りつつも古びた喫茶店の作画を作画上から書き足した (夕暮れ丘の上の公園、方位自身アカペラシーン) 光源影つけ、すべて監督が指示。 アニメの嘘、作画の嘘も入れながらも ピンク、紫色を強調して夕暮れに映る東西南北の4人を映えさせるようにした 司会) 「あきらめられないんだ!」のシーンは東ちゃんにとっての絶頂 監督) みんながあつまる丘の上の空だけで10種類ある (8年後のシーン) 高橋P) Dパート(8年後)は監督がコンテを書いえいる 公園の崖は現実に実在しない。 写真展の写真はプロ(加賀屋さんん)にお願い 監督) シンジの写真展で終わるラスト。ここをぬるく作ったら映画全体ががぬるくなってしまうので気合いを入れて作った 高橋P) 写真展の写真は日本の館山からはじまり世界へと広がっていく(ラストはテカポ) 写真はコピペではなく実際の写真をレタッチしている 加賀谷さん(写真提供)の個展に監督が通ってた 監督) 「10年後のあなた」を「8年後の東西南北」見上げるラストは最初からきめていた。 フィルムスコア横山さんの話(聞き取れなかったので省略) ラストに方位自身がかかるシーンを見て 監督曰く「トラぺジウム勝ったんじゃねぇか?」 と 観客とのQ&Aコーナー(回答はほぼ監督が行っていました) Q.トラぺジウムは空を描くシーンが多いですが好きな空のシーンは? A.空は季節感を意識して描いた 好きな空のシーンは魚肉ソーセージの件「なりたいじぶん」がかかる夜のシーンで 美術さんに何回もリテイクいれたこだわりのシーン Q.ライブシーンでADやカメラさんで映り込んでたけど何故? A.そういう所は普通のアイドルアニメでは映さないが、ライブ映像は客観的に見据えるシーンしたかった。全編げそいくお作画 Q.「なりたいじぶん」と「方位自身」以外の少しだけ流れる劇中歌。東ちゃんが聞いてる曲(膝栗毛等)等に思い入れは? テネリタス校歌について スーパーバイザー舛成孝二さんが適当に歌い出したのを即採用 (テネリタスそれがやさしさーと歌い出したらしい) 東ちゃんは昔のアイドルが好きなので聞いてる曲も昔っぽい曲に 曲とてではなく「勉強」もしているワンシーン(オールドスクール?) Q.原作ではラストはシンジの言葉で締めてますけど。アニメでは違いましたよね? A.原作通り群像劇であったらシンジで締めてもいい、しかしこの映画は東ゆうの物語なので8年後の東西南北で締めました Q.ゆうのあざらしグッズはどういう経緯で産まれましたか? A.美術さん(背景さん)があずまちゃんの部屋に書き込んだのが原因 何故あざらしなのか?→幼き頃鴨川シーワールドで買ったんだろうなぁ…と ゆうの部屋がごちゃごちゃしているのは→生活感を出す為 新情報!東ゆうに姉がいる!もう就職済みで家も出てる 東ちゃんの部屋に学習机が二つあったり、部屋がパーテーションで分かれていたり二人部屋だった名残りがある。 Q.東ちゃんの母校のモデルになった柏南高校でのロケハンが多いと聞きました。どの辺りに柏南高校の名残りがありますか? A.下駄箱を前にゆうが座り込むシーン等で(ここあやふやです) 柏南高校はロボコン部が盛んなので参考にさせてもらいました くるみちゃんのロボコン部の部室は柏南高校ものそのまんま、柏南高校の生徒はみんないい子ばかり、実際にロボコン機材もみせてもらった 華鳥邸もなんとロケハン決行!プールサイドでロボコンを走らせた Q.(早口な方でしたのでうまく聞き取れず、少し曖昧です)OPの内容は初見では読み取れませんでした。しかし、HelloMOVIEという音声ガイドのおかげで理解できました。あとけろりら作画は何故?正直浮いてます。(意訳) (けろりら作画については「こんなにステキな職業ないよ!」の辺りだと思います) A.OPは『見終わった時に分かってもらえたらいいなぁ』程度で作りました。感じてもらえたら嬉しいなぁ程度。 けろりらさんについてはシリアスな場面なのににふわっとした作画が入るのを気にしている人はいる 主に芝居がかったシーンでけろりらさんを投入しました 本来りおさんが修正する予定でしたが、りお氏曰く、「演技がすごすぎて修正できない」との事でけろりら作画で決まりました もし、たとえ修正するとしたら場面を再構成しないといけないので… (個人的見解ですがタイムスケジュール的に難しいという含みがある感じの発言だったと思います) Q.ティザーPVのキャッチコピーと初期キービジュアル(東ちゃんの涙が上に流れる絵)について 橋本P) りおさんが直感で書いた(涙が上に登っている) キャッチコピーはいままで東ちゃんの人生を物語ってる Q.くるみちゃん毎年学園祭サボってるって言うけどまだ2年生だよね? 「受験生なのに?」のセリフは3年生である蘭子に対しての言葉 (…くるみちゃん高専の3年生では?(個人の見解です)) (最後の挨拶) 高橋P( 最後までこだわってつくってその中に 何回も見てくださってる方もいてくれて本当にありがとうございました 監督( このような講演の機会をいただけてありがとうございます こんな形で北海道に凱旋できてよかった(監督は北海道出身。5年位実家に帰ってなかったそう) またこのような機会があれば語りたいです 今日は本当にありがとうございました。 司会) すいません!ここで12/25発売のBDのジャケットをお見せしたかったのですが、時間が押している(予定より15分オーバー)ので、後日Twitterに投稿します こうして、急ぎばやに「メイキングオブトラペジウム」終了