二次元裏@ふたば

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2709959 B24/10/27(日)23:28:09No.1247333748そうだねx11 00:55頃消えます
こいつらの絵本描いた
前の話からちょい続いてるよ
こいつら
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※ちなみに今回はFのヴォ―ボモンについては形の把握の為にトレスしてるから悪しからず
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/10/27(日)23:28:26No.1247333854+
 見知らぬ土地に飛ばされた勇太達は、そこで自分達を待っていたというウェヌスモンと出会った。
「あらあらそんな事があったのね〜いいわ〜!見知ってはいるけど関りの薄い若いふたりが冒険を通じて親身になっていく過程!本来だったら離れ離れになってもおかしくないのにしっかりと光ちゃんを抱きしめてこっちに来た勇太君!愛(ラブ)ね!愛(ラブ)ね!生が染みわたるわ〜!」
 ヴォ―ボモン達とは離れ離れになった勇太達はアポロモン達がヴォ―ボモン達を連れてくる間、これまでの旅の話を聞かさて欲しいと言うウェヌスモンの要望に応えて待つこととなったのだが…
(ちょっと、勇太!このひと大丈夫なの!?昼間から生あおって東横の面倒臭いおっさんみたいな絡み方してくるんだけど!?)
(いや…悪いひとじゃ多分…ヴォ―ボモン達と合流しないとだし…)
 よく見るとアフタヌーンティースタンドに乗ってる食べ物もケーキとかの甘いものはなくサラダ、サンドイッチ、チーズやトマトを調理したものでほぼほぼ酒のつまみであった。
 こちらに出されてるのもジンジャーエールはともかくココアでは太刀打ちできないものばかりである。
224/10/27(日)23:29:00No.1247334057+
 しばらくウェヌスモンに絡まれてげっそりし始めた頃にヴォ―ボモン達がやって来た。
「勇太!」「光!」
「ヴォ―ボモン!」「デビドラモン!」
「よかった無事で!ブラックガルゴモン達も…?」
 そこにいたのはブラックガルゴモンと自分達を助けてくれたアポロモン達と似ているようで別のデジモンであった。
「うむ!日野少年!光少女!久方振りだな!健在で何よりだ!どうしたね!パロットモンがマメモンを喰らったような顔をして!!!???」
 このうるさい感じ正しくアポロモンではあった。
「うるさいぞお前は!いつもいつも!
 …すまない光様、日野様…私達は先程あったディアナモンとアポロモンが退化したクレシェモンとフレアモンです。
 ゲートを何度も開くことにになり些か力を使いすぎたみたいでお恥ずかしい…鍛錬が足りず申し訳ございません。」
「い…いえそんな!俺達こそ助けてもらったのに…!あ…頭を上げてください!」
深々と頭を下げるクレシェモンをなんと勇太は宥めた。
324/10/27(日)23:29:11No.1247334120+
「うむ!これから君達を鍛える事になるが!我々も鍛え直さないとな!」
 フレアモンがクレシェモンの肩に手を置こうとしたが躱され足を何度も蹴られていた。
「あら〜あらあらいつもながら仲がいいわ〜愛ね!愛!!」
「ウェヌスモン様、いつもながらとはこちらの台詞です。
 私とこの馬鹿は幼馴染なだけで仲はまるで良くありません」
 言っている間もクレシェモンはフレアモンの足を蹴り続けていた。
 フレアモンは慣れた様子で意に介さず勇太に顔を近づけ耳打ちした。
(すまない日野少年、光少女。ウェヌスモン様の相手は大変だったろう。
 いいひとなのだが、如何せん私も今の流れで良く足を蹴られている!はっはっは!いやはや!いやは…痛い!)
 勇太は大丈夫なのかという気持ちを隠せず引き攣った愛想笑いが出…鍛える?
「うむ!?ブラックガルゴモン様に聞いていないのか!?」
「え?あぁ…!?そういえばそんな話も…いやでも誰とは特に…」
424/10/27(日)23:29:26No.1247334189+
「あらあらブラックガルゴモン様…また言葉足らずな癖が…しっかりと自分が勇太君達を呼んだって言ってないのでしょう?」
「うむ…うむ…」
「あんた!また、そうやって隠し事してたの!?ったく!!!」
「うん?…えっ俺達…DW呼んだのブラックガルゴモンだったの!?ヴォ―ボモン知ってた」
「えっ知らないよ…!?」
「あんたねぇ…!?」
「いや…その落ち着いた時に話そうかと…」
 ブラックガルゴモンは例の顔で小さくなっていた。
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524/10/27(日)23:29:40No.1247334269+
「分かりました。多分この感じですと勇太君達の情報も整理されず増えてるだけで混沌としてる事でしょう。
 ここはひとつこのウェヌスモン先生が情報を整理しましょう!」
 そういうと目にも止まらぬ早や着替えでスーツの女教師のような姿になった。
「うわ…」
「光少女…気持ちは分かるが彼女もまぁ…趣…真剣なんだこれもひとつ大人になると思って…うむ…!」

「はい、じゃあウェヌスモン先生のDW講座始めるわよ!
 勇太君達はDWが複数あるのは流石に知ってるかしら?」
「知りません!」
「はい!元気がいいわね!そこからなのね!そこからなのね!ケルビモン様!
 まあ小難しい話は抜きにして説明するわね!
 唐突になるけどデジタルワールドは複数あるわ!」
「…?」
624/10/27(日)23:29:53No.1247334332+
「まぁ…その唐突すぎるのは分かるわ。
 でもあなた達の現実世界とDWがあるのは分かるわよね?
 そういった異世界がここには複数あるの」
「まぁそう言われると…はい」
「そして、その各異世界を作り上げているホストコンピューターというDWの根幹を担う、カーネルと言う世界が1つあります。
 カーネルからいくつもの世界が作り上げられてる訳ですね。
 そして、戦闘で死んだデジモン達が行く場所があってこれは全部の世界で共通しています…ありていに言うと地獄ね」
「地獄…」
「そっ!そこはダークエリアと言われてるわ。
 デーモンはそこからやって来たの
 DWの大まかな構造は上から順番に@カーネル→A各DW→Bダークエリアって3つの階層に別れてる事ね。
 @は世界の根幹でこれがなくなるとDW全体が滅びちゃう。
 Aは今いるそれぞれのDW。
 BはそれぞれのAに繋がってる。デーモンの本拠地。
 ここまでいい?」
724/10/27(日)23:30:04No.1247334393+
 勇太はちらりと他の3人を見ると全員真顔になっている。
 真剣なのではなく情報がオーバーフローしてエラーを起こしてるのだと分かった。
「…えっと、とりあえず続けてください」
「あらあら。じゃあ次は各DWについて説明していくわね
 各DWにも世界を管理しているホストコンピューター…まぁ神様?がいるわ私達の…今あなた達がいる世界にはホメロスというのがいます。
 そしてその神様とDWを守るセキュリティのデジモン…ここでは私達オリンポス十二神ね」
「えっと…俺達がいた世界?にもいるんですか?」
「もちろんいます。
 ただ…あなた達がいた世界ってちょっと特殊なの。
 以前、別の世界でプロジェクトアークってまぁ…色々ごたつきましてね。
 そんな訳でカーネルを守護している3人のデジモンが自分達の理想とする世界を創造するために新しいDWを作ったの。
 それがあなた達のいたDW、「シオン」です」
「その3人のうちの1人ってまさか」
「そう、そこで小さくなってるブラックガルゴモン様改めケルビモン様です」
824/10/27(日)23:30:19No.1247334488+
「…」
 勇太は申し訳なさそうな母親に叱られている時の父親を想起させる縮こまり方しているデジモンがそんな大層なものなのだろうかと目を細めた。
「ちなみにホストコンピューターは「デウス・エクス・マキナ」と言って、セキュリティーはケルビモン様と他の2人のデジモンと天使型デジモン達が担ってます。」
「ヴォ―ボモンとデビドラモンは知ってた?」
「うーん。天使様達がちょっと前はトラブルを解決してるのは聞いた事あるけど三大天使って聞いたことないかも」
「我々もわざわざ言っていないからな…(他にも理由はあるが)」
「さて、ここまでがDWの構造です。
 これからはこれまでの経緯をお話しましょう」
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924/10/27(日)23:30:34No.1247334571+
「ここからは私が話そう」
 いつもの威厳を取り戻したブラックガルゴモンが前に出てきた。
「あれは、君達が来る1年程前であった。
 幾つかの街で成熟期以上のデジモンが行方知らずになっていると部下達から連絡があった。
 私と部下がが独自に調査したところ行方不明のデジモン達は隠れるように新しいコミニティ―を独自に作っていた。
 私も現地に行き確認したが、行方不明から数週間と言うのに社会の役割が完璧に分かれていた。
 各々が生きる上での徳を追求することにより人が得られる最高善を幸福であるとした理想郷。
 彼らはこちらの呼びかけに一切答えず排除を試みてきた。
 とりあえず状況を観察したがおよそ生き物のコミニティーとは言えるものではなかった」
「?」
「個々の幸せを追求した生活は一切なくただ社会維持のため働き、上手く社会と合致しなかったものは容赦なく殺した痕跡が見つかった。
 さながらあのコミニティーは機械的な共同体意識の社会だった。
 首にはイービルリングが付いていたし、それが原因だと突き止め殺しが行われるのを止めようと瞬間であった。
1024/10/27(日)23:31:03No.1247334757+
 背後から何者かに致命的な一撃を受けた。
 恐らくデーモンであったのだろう。
 私はもう駄目だと直感的に感じ取った。
 意識を失う瞬間に2つ…デウス・エクス・マキナにアクセスし、君達選ばれし子供達を召喚したのと起きた事の詳細を誰か受け取ってくれるよう神託として発信した。
 だが、死んだと思った私は気付けば傷つきイリアスに流れ着いてた。
 そこでウェヌスモン様達に世話になり回復した頃合いで戻って見ればデウス・エクス・マキナにもカーネルにもはアクセスが出来なかった。
 他の仲間達とも連絡が着かず皆の元にすら辿り着けなかった。
 デーモンが台頭してるのを知り、リングを壊しながら仲間と君達を探して今に至ったという訳だ。
 イービルリングは今や欲望を膨れ上がらせるデザイアリングまで進化している」
「デーモンは何度もDWを混乱に陥れようとしてきましたこのままではシオンやイリアスだけじゃなく全てのDWが危機に晒されるでしょう」
「ちょっと待ちなさいよそんなにヤバいなら他の選ばれし子供達にも協力させなさいよ。
 ここに来るまでに何人も子供と言わず熟女までいたわよ」
1124/10/27(日)23:31:16No.1247334832+
 頭の処理が終わったのか光が質問を投げかけてきた。
「ややこしいのですが、DWはそれぞれレイヤーのようなもので分かれているんです。
 重なった時にはお互いを認識して一緒にいる事もできますが少しレイヤーがずれると認識できなくなるんです…絶対に出会えないという訳ではないですが確実性は薄いですね…
 我々の問題は我々でなんとかするしかないんです」
「だから前行く先をお互い交換しても会えなかったんですね」
「適当こかれてバックレられたかと思ってたわ」
「光こんどあったころすいってたもんね」
「そんな訳で我々で君達を鍛える事となってな!よろしく頼むぞ日野少年!ヴォ―ボモン!」
 フレアモンが勇太の頭に手を置いてわしゃわしゃした。
「私はもぐ…よろしく…もぐ頼む…光様…もぐ…デビ…もぐデビドラモン様」
 話に飽きていたのかクレシェモンがアフタヌーンティースタンドの食べ物をいつの間にか拝借していた。
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1224/10/27(日)23:31:28No.1247334897+
「そう言えば勇太君、ヴォ―ボモン君を上手く進化させられないと聞きましたがデジヴァイスを少々拝見させていただけませんか?」
「えっ?いいんですけどウェヌスモン様…機械分かるんですか?」
(勇太それ完全に偏見だよ)
 ヴォーボモンの耳打ちに勇太はしまったと言う顔をしてデジヴァイスを手渡した。
「もう!私だってウルカヌスモン程じゃなくても機械は分かります!
 えっと…どれどれ」
(勇太!勇太!見なさい、ああ言っても手つきはうちのジジイと同じね…ぷぷ)
(光!)
「勇太君」
「はっはい!」
「持田 叶さんという方はお知り合いですか?」
「えっ…なんで叶の事知ってるんですか…?
 えっと…その…
…叶は俺の従兄でDWにいます…今はデーモンの部下になっています」
 勇太達は悲痛な顔で俯いた。
1324/10/27(日)23:31:42No.1247334997+
「そうですか…申し訳ありません…軽率でしたね。
 それはそうとこのデジヴァイス調整すればヴォーボモン君を上手く進化させる事ができますよ」
 その言葉に勇太は一気に顔を上げ笑顔になった。
「本当ですか!やったよヴォ―ボモン!光!デビドラモン!」
「やった!勇太!!!」
 勇太とヴォ―ボモンはお互い抱き合い喜び合った。
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1424/10/27(日)23:31:56No.1247335063+
「うむ!では行こうか日野少年!ヴォ―ボモン!進化には相応の訓練も必要だ!」
「「はい!」」
「がんばろ!光!」
「私そういうタイプじゃないんだけど」
 勇太達がそれぞれの訓練に向かうのをウェヌスモンとブラックガルゴモンは見送った。
「いいんですか。敵の事しっかり言わないで?」
「…不確定な事で友の名誉を傷つけたくない。
 調べ終わるまで待って欲しい」
「そう…ですね。すみません。私も勇太君に黙ってしまいましたしね。
 ただ、あの子達に会ってブラックガルゴモン様が言った通り私も信じてみたくなりました。
 きっとDWを救ってくれるのはあの子達で…いや、あって欲しいと思います」
「…そうだな」
 ブラックガルゴモンはどこか物思いに耽るように空を見上げた。
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1524/10/27(日)23:32:12No.1247335146+
「ざぇはぁ…オボぇ…はぁはぁ大丈夫ぇヴォーボモン」
「大丈…夫…ぶぇ…だけど…なんか…思った特訓と違くない?ヴェェエエエ!!」
「あ駄目だよ!配達物にかか…ヤバお…ヴェえええええ」
 勇太とヴォーボモンの特訓開始から2週間が経った。
 特訓内容は一貫としてアルバイトであった。
 クレームの多い店の接客対応、動作が逐一遅い司書の蔵書整理の手伝い、雨の中延々と畑泥棒の見張り、そして今は今日中と期限が決まっている大量の荷物の配達。
 確かに辛いものではあるが何かこう…特訓と聞いて想像していた辛さのベクトルが違う気がする。
 しかもその間フレアモンは一度も姿を見せていない。
 使いのデジモンであるメタモンから次のアルバイト先が知らされるだけであった。
 光とデビドラモンとの面会も禁止され、発散の機会を奪われた不満が塵のように徐々に積もっていった。
 強くなる為の特訓がこれでいいのか焦りを感じない言えば嘘であった。
 事実ヴォーボモン共に最初こそなかった不安を孕んだ愚痴がポツポツと出ていた。
 バックれて自分達だけで特訓するか…そうお互い言わずもがな勇太とヴォーボモンは同じ事を考えていた…が、
1624/10/27(日)23:32:26No.1247335212+
「「…」」
 結局はそのままアルバイトを続ける事にした。
 無駄に真面目というのも嘘ではないのだろうけど短いながらフレアモンに接して、その言葉の真っ直ぐさと確固たる自信を信じようと思えた。
 更に訓練は続き1月程経った頃であった、初めてフレアモンが勇太達の前に姿を現した。
「うむ!よくやってくれているようだ!街の皆んなからの評判もそこぶる良い!感心だな!!!」
 そう言ったフレアモンは勇太達が何か含んだ目線を向けている事に気付き優しくフッと微笑んだ。
「うむ!言いたい事は分かるぞ!こんな事が何の特訓になるのかという事だろう!私も同じ立場なら2日と経たず聞きに行くだろう!」
「まぁ…はいそうです…」
1724/10/27(日)23:32:37No.1247335255+
「うむ。日野少年、ヴォーボモン。
今日は話をしよう。少し付き合いたまえ!!」
「えっ?ゔぉええええあ!?」
 普段の快活とした明瞭な大声から一転優しい声色になったかと思うとまたいつもの調子に戻り、そのまま勇太達を抱えて飛び立った。
 着いた先は街の中心にある時計塔の羅針盤の付近であった。
「うむ!いい眺めであろう!私のお気に入りだ!!」
「ほんとだ…下から見る街も綺麗だったけど高いところから見ると…ヴォーボモンのお気に入りだったレジストシティの丘くらい眺めいいね」
「うん。何だか空を飛んでるみたい」
 勇太達の反応を見てフレアモンはまた先程と同じ優しい微笑みを浮かべた。
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1824/10/27(日)23:32:52No.1247335347+
「この1月近くだが!実はアルバイトの様子を私は気付かれないようずっと近くで見ていた!有り体に言えばストーカーさせてもらった!」
 何かいい雰囲気であったところからまた一気にフレアモンはいつもの調子で切り出した。
「ストーカーって…というか見てたなら声くらいかけてくれれば…」
「うむ!そうなると反応が変わってしまうかと思ってな!今回のアルバイトは正直君達からしたら相当辛いだろうというのを用意した!それも精神的、肉体的!バリエーションはとても豊富だった筈!」
「分かった!それで身体も心も鍛えるって事ですね!」
「うむ!ヴォーボモン!全く違う!擦りもしていないな!」
「そこまでハッキリと…」
「私は君達!特に日野少年!君が何に怒るのかというのを観察させてもらった!
 ブラックガルゴモン様に聞くところによると!君はベルスターモンとの戦いでゲヘナガリータモンに進化ささせてしまったのを気に病んでいると聞いた!違うか!?」
「…はい」
1924/10/27(日)23:33:02No.1247335420+
「うむ!進化のきっかけが怒りとなるのは良く聞く話だ!怒りは第2感情と言って悲しみ!恐怖!劣等感!など様々な第1感情の集合体の様なものだからな!大きいはずだ!だからこそ君はその怒りの巨大さ、激情を恥じて恐れたのだろう!」
「はい」
 勇太は俯きながら答えた。
「うむ!素直で良し!そこで私は君が一体どんな事で怒るのかをこのアルバイトを通じて観察したのだ!
 結論から言おう!日野少年!君は他人が必要以上に…理不尽に酷い目に遭う瞬間に怒っていたな!その様は有り体に言えば狂犬だな!
 先程も言ったように君は反応が素直だ!分かりやすくて助かったぞ!」
「いや…えぇ」
「むぅ…怒るべきなのかちょっと判断に迷うね勇太」
「うむ!正しくその反応だ!流石はパートナーだな!同じ反応をする!いい事だ!
 まずクレーム対応!結構有名なネチネチしているタイプの客と対峙した時、君は人格攻撃されても低姿勢を崩さなかったがオーナーと君の親に向けられた侮辱があった瞬間すぐに沸騰して反応したな!」
「だって、流石に店長は悪くないのに店長の性格やありもしない悪事みたいな事言われたら誰だって怒りますよ」
2024/10/27(日)23:33:13No.1247335485+
「うむ!…そういうところ私は好きだぞ!次に畑荒らしの件だ!持ち主のリリモンから事前にあの畑が如何に持大事か聞いていたせいか他のアルバイトよりも一層熱が入っていた!
 しかし、畑泥棒がお腹を空かしたベタモンと分かると自腹を切って食べ物をあげたな!
 鬼の形相から優しい菩薩の顔になるのは側から見ていてとても面白かったぞ!
 そこから土下座してリリモンにベタモンへ畑のアルバイトを紹介するとはいい心掛けだ!
 だが、後から私が保護者のヌメモンのヌメさんに平謝りされてしまった!意外とこういった問題は繊細だ!使いのメラモンに声を掛けていたら100点だったな!」
「え…すみません」
「謝る事はない!善意に変わりはない!次に活かせばいい!
 総括として君の怒りや行動には他者が大きなベクトルが向けられている!」
「でも…結局その挙げ句がアレじゃ…」
「いや!日野少年!君の怒りは真っ当だ!
 問題はどう発露させるかだ!」
「どう…」
2124/10/27(日)23:33:26No.1247335570+
「そうだ!だから今日は君達の事を聞かせてくれ!どうして君はそう怒るのか!いやそれだけではない!私個人としても君達と親密になりたいと思っている!どうだ!」
「…はい…えっとありがとうございます」
 勇太は、はにかみながら答えた。
 それからは一日中フレアモンと話をした。
 好きな事。これまでの旅や、現実世界での事、辛かった事も嬉しかった事も話をした。
 勇太達が話すその様子をフレアモンは優しく静かに聞いてくれていた。
「そうか、日野少年はヒーローにヴォーボモンは空を飛ぶ事に憧れているのか!いい目標だ!私は好きだぞ!」
「フレアモンさんは何か夢みたいなのあるの?」
「私か!?私はクレシェモンやこの街、世界のデジモンをひとりでも守る事だ!私は生まれつき成長が早くてな!研鑽を続けて気付けばオリンポス十二神にまでなっていた!まさかまさかだ!
 早く大きくなったものとして!ひとりで先に進むだけでなく後進が大事に育んでいるものを守らなくてはな!うむ!
 クレシェモンにこの話をするとお前に守られる程未熟じゃないとよく足を蹴られる!困ったものだ!」
2224/10/27(日)23:33:38No.1247335636+
「フレアモンさんとクレシェモンさんは小さい頃から一緒なの」
「う…うむ…クレシェモンからしたら不本意なのだろうがずっと一緒だ。
 それに彼女は私にとって大事な存在なのだ…」
「「へぇー」」
 勇太とヴォーボモンはフレアモンの言葉のニュアンスに全く気付かずただ相槌打った。
「そしたら気付いたのだ。他のデジモンにも私がクレシェモンを想ってるように誰かを想い想われているのではと。
 だから日野少年の気持ちはよく分かる」
「ありがとうございます…」
「そこで提案だ!」
 フレアモンは勇太に顔を一気に近づけた。
「これから君達に本格的に訓練を付ける訳だが日野少年、1つ宿題を出す。
 ヒーローがする様な決め台詞を君オリジナルのやつで作ってくれ」
2324/10/27(日)23:33:51No.1247335715+
「決め台詞?」
「そうだ、君の想いに真剣に向き合う決め台詞だ。
 きっとそれが君が求めた答えになる」
「…分かりました」
「というかこれから本当に訓練してくれるんですね!」
「うむ!付けようともヴォーボモン!だが私は甘くはないぞ!
 ヴォーボモンと日野少年はアルバイトの様子で連携は上手く取れている!
 後は個々のレベルを上げていく必要があるだろう!
 ウェヌスモン様より勇太君の調整したデジヴァイスを預かってきた!
 ヴォーボモンは私と延々と組み手だ!
 日野少年にはフェアリモンの脚を完璧に使いこなしてもらう為!勉強だ!!」
2424/10/27(日)23:34:03No.1247335800+
「え!?勉強!!?えぇ…」
 デジヴァイスを受け取る勇太の顔は今までのヤル気の満ちた顔から一気にしょぼくれていった。
「うむ!頭とて闘いにおいては重要な要素だ!やり方を選ぶ程デーモンは甘くはない!頭を鍛えるのだ!!それとも弱いままでいいのか!」
「!…!やります!」
「うむ!いい表情だ!」
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2524/10/27(日)23:34:18No.1247335894そうだねx1
「勇太様とヴォーボモン様がフレアモンと本格的に訓練を開始したようですね」
「はぁはぁ…遅いのよあの馬鹿達」
「光、水分は吐いても取らないと」
 一方光達は最初からクレシェモンから訓練を受けていた。
「光様はパートナーとのシンクロ、進化の為のデジソウルはテイマーになった期間を考えれば破格なのですが、いかんせん身体が貧弱すぎます。
 これでは身体が追いつかずデジソウルの発生量も少なくポテンシャルはあるのに究極体に出来ません。
 あと単純にすぐバテて戦闘に不向きです。
 即ちみっちりと体力作りをやってもらいます」
 それから光は延々と走り込みと食う事だけさせられ、レディーデビモンはクレシェモンとの組み手となった。
「正直、光様は早々に嫌気が差し逃げると思っていました」
「ぁあ?」
「逃げたら捕まえる方法を幾つも考えていたのですが残念です」
 そういうとクレシェモンは鎧の隙間からじゃらじゃらと得体の知れない道具を幾つも出してきた。
 それを見て光とレディーデビモンの顔は引き攣った笑顔となった。
2624/10/27(日)23:34:31No.1247335974+
「良ければ訳をお聞かせしてもらっても?」
「別に大した事じゃないわよ。
 このままじゃどっかの馬鹿が死んじゃうと思っただけよ。
 私達より弱い癖にいっつも前に出て、怪我して…あいつの身体傷跡がまだ幾つも残ってるのよ。
 クレシェモンさんのいう通りいつもなら逃げ出してるわ。
 今までそうやってずっと逃げて来たんだもの。
 ただ今回はあの馬鹿…いや馬鹿達からは逃げたくないの」
「…私もそういった馬鹿に対する気持ちはよくわかります。
 私が私がと…私だって隣に立っているつもりなのに」
「馬鹿はどこ行っても馬鹿なのね。
 やってられないわね」
 光とクレシェモンが笑い合う中、後ろでレディーデビモンはほげーと見ていた。
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2724/10/27(日)23:34:43No.1247336054+
「少し馬鹿達の様子でも気晴らしに見に行きますか?」
「え?でも会うのはダメだって」
「それは、あくまで勇太様を見定めるのに必要であっただけでもう終わってますし、いいでしょう」
「光、勇太の話したら少し寂しそうだった。
 私もヴォーボモンに会いたいしいいんじゃない?」
 光は少し考え「ま!あんたが寂しいんじゃしょうがないわね!私は全然そんな事思ってないけどね!」
 勇太達が訓練している場所は光達がいる街とはまた、別の距離のある街…その外れ、中世のコロシアムの様な場所であった。
 コロシアムの上部から光達はこっそりと様子を覗き見た。
「どれどれ久々にあの馬鹿の間抜け面を…きゃ!?」
 強い風が渦を巻き空に上がっていた。
 中心を見ると勇太が静かに佇んで風を起こしているのが分かった。
2824/10/27(日)23:34:54No.1247336104+
 別に今度は爆音と共に外れの林からラヴォーボモンとフレアモンが現れる。
 ラヴォーボモンは以前と比べ物にならない炎を全身から上げていた。
「すごい…」
「どうしますか光様?会っていきます?」
「…言っといて何だけど帰るわ。
 負けてらんないわよデビドラモン!」
「うん!デビドラモンがおねえちゃんってとこヴォーボモンにみせる!」
 息巻くひたりをクレシェモンは優しく見守っていた。
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2924/10/27(日)23:35:06No.1247336167+
 本格的に訓練を勇太達が開始して1月経った辺りで不穏な噂が流れ始めた。
 謎の粘液が成長期までの小さなデジモンを攫ってしまう。
 最初は家出くらいだと思っていたがここ数日一気に行方不明となるデジモンが増え、そして更に決定的な事件が起きた。
 以前勇太達のアルバイトで出会ったベタモン、現場からはそのベタモンの悲痛な鳴き声がこだましていた。
 街でベタモンのような世話をしてくれる者がいない孤児のデジモンを世話をしていたヌメモンが殺される事件があった。
 ベタモンを襲う様に急に紫色の謎の粘液が現れたのをヌメモンが庇ったという事であった。
 紫色の粘液はヌメモンの身体を一瞬に分解し助け出す暇がなかったという事であった。
「彼はヌメさんと言われて街で親しまれてたんだ。
 昔はヌメモンってだけで毛嫌いする奴もいたが、そんな事にも挫けないで貧しくても子供達の世話してくれるいいひとだったよ」
3024/10/27(日)23:35:19No.1247336238+
 一緒に世話をしていたテイルモンが自分も泣きながら危険だからと駆け寄ろうとするベタモンを抱き抱えていた。
 勇太はその様子を遠くからただ、ただ見る事しか出来なかった。
「フレアモンさん今街の外れでその粘液を見たと言う奴が!?」
 フレアモンの使いをしてくれていたメラモンが勇太達の方へやって来た。
「うむ!分かったすぐに行こう!許せぬ!!」
 フレアモンは勇太とヴォーボモンの方を見た。
「日野少年、一緒に行けるかね?」
 勇太は息をゆっくりと吸い込み大きく返事をした。
「はい!」
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3124/10/27(日)23:35:33No.1247336309そうだねx1
 街外れの下水道に幼い喘ぎ声と粘液音がこだましていた。
 大きな影から伸びた紫色の粘液状の触手が幼いデジモンの各秘部にへばりつきゆっくりと浸食し大きな影へと取り込んでいっていた。
「臭うなぁ、純真な肉が腐りかけてる臭いと腐った臭い!それに!!あ!!ま!!!許されないよ!!!!こんなん詐欺じゃん!!!!罪じゃん!!!!一度腐った純真な肉をまだ腐ってないって!!!誤魔化してる!!!!詐欺だ!!!これだから!!!デーモン様に逆らうディープステートのエージェントとは!!!僕が殺す!!!世界のために殺す!!!」
 大きな影は急に興奮し暴れ出し取り込みきれていないデジモンを叩き潰して殺した。
 のそりのそりと覇気のない地面を擦る様な歩き方で下を向きながらぶつぶつと呟きながらk影は歩き出した。
「僕が殺してやる。デーモン様直属の7人の部下、セプテムコルダのひとり、このしんもんざえモンが」
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3224/10/27(日)23:35:45No.1247336385+
オワリ
3324/10/27(日)23:39:27No.1247337698+
(カシュ
(グビッ
最高ね
3424/10/27(日)23:40:22No.1247338024そうだねx4
毎回このクオリティをこの速度で出せるのすごいよなぁ…
愛ね!!
3524/10/27(日)23:46:17No.1247340060+
よもやよもやのクオリティだ!
3624/10/27(日)23:46:21No.1247340081+
しんもんざえモンこええ…
3724/10/27(日)23:47:51No.1247340603+
ウェヌスモン先生好きぃ…
3824/10/27(日)23:54:11No.1247342766+
相変わらず絵の迫力がすげえ…
3924/10/28(月)00:04:17No.1247346121そうだねx1
>よもやよもやのクオリティだ!
これと併せてレオモン系統のせいか死臭がする…
4024/10/28(月)00:06:44No.1247346957そうだねx1
ケモ幼馴染の両片想いは最高ね!(グビッ


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