「聞きましたよ、ユーリ。ファーストクラスの生徒に勝ったとか」 「あ〜、アレ?ファーストクラスって言うくらいだからどれだけ強いか期待してたけど、拍子抜けす ぎてガッカリ。まだセレナを相手にしてた方がマシだったよ」 「セレナもあの歳で戦士として素晴らしき素質を持っていますよ」 「僕に比べたら大した事ないよ。あ〜あ、誰を相手にしてもつまんない。やっぱあの伝説のリコリ スさんじゃないとダメかぁ」 「錦木千束ですか」 「そ。今の僕と同じ歳で色々な事件を解決するくらい強いんでしょ?そんな人と戦ったら絶対楽し いじゃん」 「競い合える好敵手(ライバル)が欲しいと言う事でしょうか?」 「いや?叩きのめしてカード化する」 「は……?」 「その人を完膚なきまでに痛め付けてカード化すれば、僕が最強って証明出来るしね。アハハ ハッ、考えるだけでゾクゾクしてくるよ……!」 「────ッッ!?」 「おーい、黙っちゃってどうしたのロジェ司令?」 「そ……それは勘弁願いたいですね。彼女もまたアカデミアの戦士。いずれは迎え入れようと 思っているのですから」 「え〜、別に敵として相手してもいいんだけどなぁ。そっちの方が思いっきり殺り合えるし」 (な……なんという残虐性を秘めているのだコイツは……!プロフェッサーが危惧していたのはこ ういう事だったのか!?) (いやしかし、この少年を上手くコントロールする事が出来ればあの錦木千束に並ぶ───いやそ れ以上の力を持つ戦士になるのは間違いない……!) (この毒牙を持つ小竜に、セルゲイ、そして最強のリコリスである錦木千束を手駒に加えられたら 私だけの王国を築く計画は盤石になる!) 「……期待していますよ、ユーリ」