【注意事項な】 下記の内容は、私が独自に想像した物であり、ニンジャスレイヤーdiceスレッド本編とは一切関係ありません。 その下のトレジャーボックスめいたキャラクター設定に関しても同様であり、我が内なる次元のものとしてご了承ください。 オウンゴール/Owngoal フリーランスヤクザめいたスーツに身を包んだストリートニンジャ。その両目はサイバネ・アイに置換されている。 服装もアトモスフィアも無慈悲なヤクザそのものだが、現在の彼はどこのヤクザクランにも所属しておらず、己自身をヤクザとも自認していない。 体に染みついたアティチュードがそうさせるだけだ。奥底に静かな狂気が籠る虚無に乾いた瞳で無目的に日々を送りながら、バウンサーやヨージンボ 或いはテッポダマとしてヤクザやメガコーポに雇われ糊口をしのぐ 戦闘時は元テッポダマとして培われたスタイルを踏襲し、カスタム・チャカガン二丁を獲物に一気呵成に敵の懐に飛び込み、頭部や心臓、急所狙いの弾丸を先手で 次々と叩き込む。ヤクザジャケットの下には大量のマガジンと予備のカスタム・チャカガンを忍ばせ、撃ち尽くしては次々と補給し、捨て替え、淡々と処理するように 敵を一人残らず制圧する。体内には最後の切り札、或いはセプク用の自爆装置を埋め込んでいる。 言動と態度は厭世観・悲観主義を纏わせており、深い絶望と諦念により醸成された独特の価値観を持つ。これから殺す標的であろうといたずらに嘲笑する事はなく、 相手の価値観や境遇に彼なりの共感や憐れみを示し、諭すような穏やかな態度でさえある。そこに欺瞞は一切なく全て彼の本心である。その上で無慈悲に殺すのだ。 そうした狂気を宿した異質さと冷たく苛烈な戦いぶりとは裏腹に、オフの姿は素朴なアトモスフィアを漂わせ、傍目にはヤクザと思われぬ休日の家庭人めいている。 モータルネームはスガキ・コスケ(須垣 幸介)。かつてはソウカイヤ傘下の中堅ヤクザクランの容赦なき若きテッポダマとして腕を鳴らし内外から恐れられていたが、 ある時、突如両眼球を自らケジメしてオヤブンに差し出し、クランと絶縁を宣言して出奔。戦闘用サイバネ・アイと自爆装置を移植した。 そして暗黒メガコーポによる再開発のジアゲに晒され、住民の反対運動の巻き起こる故郷のストリートに舞い戻ると、己の唯一の手段である暴力を以てフッドを守ろうと 死を前提としたヤバレカバレの孤独なイクサを始めた。 しかし、住民達への恫喝や脅迫、嫌がらせ行為、分断工作等、現地に動員される末端の社員やヤクザへの対処療法めいたカチコミ程度では、反対運動の継続と住民の生活 の維持には寄与したものの、根本的な状況自体は好転せぬまま時間は流れ、緩やかに着々とジアゲは進行していく。 むしろ相次ぐ謎のテッポダマの襲撃はメガコーポを刺激し。業を煮やし実力行使として派遣されたニンジャ戦力と大量のクローンヤクザ部隊によって、根強く反対運動に 参加していた殆どの住民達とその身内は悉く殺された。 計画責任者の上級役員襲撃を試みていたスガキがそれを知り駆け付けた頃には、ストリートは無力な年寄りや女子供を含め、幼き頃から知る多くの者達が屍と化し、 ツキジめいた有様であった。絶望の雄叫びを上げてニンジャに突撃した彼は歯牙にもかかる事なく、クローンヤクザ部隊の銃弾の雨に晒され、蜂の巣となり地面に転がった。 自爆装置が起動する寸前、ニンジャソウルの憑依により蘇生したスガキは、憑依直後のブーストされた力を以てたちどころにクローンヤクザ部隊を殲滅し、激しいイクサの末 ニンジャも爆発四散させた。そしてストリートに駐留するメガコーポ社員らとヤクザ達に標的を変えた。 一通り殺し尽くしたスガキは暫しその場で呆然と膝を着いた。果たして己のヤバレカバレなアンタイセイに何の意味があったのか。どの道死にゆくストリートをいたずらに 延命させ、他に生きる道もあった者達も巻き込み残酷な結末を迎えさせただけではないか。一時的にこの場を凌いだところで、明日には更なるメガコーポの手勢が派遣される。 自己満足の無謀なイクサを挑んだところで何も変わることはないのだと。 しばし重金属酸性雨に打たれ、やがてスガキはユーレイめいてゆらりと立ち上がると、クローンヤクザらの死体からありったけのチャカガンと弾薬をかき集め懐に差し込んだ。 そして未だ各所で火の手の上がるストリートの家々に向かうと、僅かに生き残った住民達を一人、また一人と次々と殺し、殺して、殺した。銃声と悲鳴はやがて聞こえなくなり、 狂ったニンジャは覚束ぬ足取りでどこへともなく去った。それからほどなくして、オウンゴール(本末転倒)と名乗るニンジャが現れるようになった。 一方、暗黒メガコーポは現地社員の突然の全滅による状況把握・連携の遅れから、住民殺戮の隠蔽工作の初動を誤り、敵対メガコーポにスキャンダルを掴まれる。 悪質な捏造として厳重な抗議及び物理・電子の両面攻撃で徹底抗戦すると共に、地域再開発計画自体を白紙化し、ジアゲの事実そのものを完全に揉み消しに動いた。 生き証人である住民は既に全員死亡。完全な静寂が訪れた無人の廃墟のストリートは、ヨタモノや犯罪者、野良バイオ生物の潜むゴーストタウンとなった。 ・生い立ち スガキ・コスケは、古くからの町並みを残す下町の小さなストリートの一角の修理工の家に産まれた。豪快な気風の良さから住民達から一目置かれる、入道雲のような背中の父親。、 日々修理から些細な相談事まで多くを持ち込まれては、身を粉にして日夜人々の暮らしを助けて駆け回るその姿を幼いスガキは深く尊敬し、自らの暮らすストリートと共に誇りにしていた。 しかし、成長と共に少しずつ外の世界に目を向けると、スガキの中で故郷は所詮ちっぽけな古びた町として色褪せていき、強く大きな父親は、カネにならぬ厄介事を引き受けては、 毎日疲れ果てて眠るお人好しの体のいい小間使い。奥ゆかしくそれを支える優しい母もまたアワレな存在として写った。己を取り巻く全てが次第に憐憫と苛立ちの対象になった。 自分もまたこうしてこの町の一部となり小さく一生を終えるのか。十代の閉塞感と漠然とした焦りの矛先は、アンタイセイと暴力に向かった。ハイスクール入学と共にヤンクに染まり、 荒れ果てた末に家を飛び出し、ギラギラと輝く繁華街のストリートギャング、そしてヤクザへ。絵に描いたような典型的ドロップアウト。典型的でなかったのはスガキにヤクザの才があった事だ。 しみったれた下町の修理工とは程遠い、パワー、マネー、貪婪の闇の世界の華・ヤクザ。かくあれかしとスガキは常に徹底的に、苛烈であった。過去の己を塗り潰し、生まれ変わるように。 恫喝し、脅迫し、陥れ、立ち回り、痛めつけ、殺しに殺した。スガキは無慈悲なるテッポダマとして恐れられ、気付けばサカズキを交わして数年でニュービー達をまとめ上げる頭角を現していた。 しかし、オヤブンの覚えめでたいスガキのあまりに急速な伸長は、ネンコ重点のグレーター・ヤクザら、ワカガシラの面白い所ではなかった。罠に嵌められ、不名誉にまみれて死にかけたスガキは、 そこに現れたソウカイニンジャに命を救われ、舎弟として恭順することになる。ワカガシラ達は、スガキの後ろ盾となった"オニイサン"に粛清され、潔白を証明したスガキはクランに戻った。 ソウカイヤの窓口・手駒としてだ。 クランは呆気なくソウカイヤ傘下に組み込まれ、オヤブンはソンケイをへし折られ無惨な傀儡と化した。スガキには実質上ワカガシラの身分が与えられたが、そこに喜びは無くひたすら諦念と後悔に 呑まれた同じく飼い殺しの犬の顔があった。閉塞した狭い世界から抜け出そうと選び取ったヤクザの道。カネ、暴力…そしてソンケイ。見えない鎖に雁字搦めにされたこの世界こそ、真に閉ざされた ジゴクであると思い知らされたのだ。以降、心を殺して全てを諦め受け入れ、淡々とヨゴレ仕事をこなし駒として動く日々の中、クランの抱えるオイランのツツモタセ行為により債務地獄に陥れた 暗黒メガコーポ社員から、地域再開発計画のジアゲ候補地リストを手に入れ、いつものように"オニイサン"に献上する。 程なくして、褒美と称し"オニイサン"に誘われたノミカイの中で不意に出た実家の話題に、胸騒ぎを覚えたスガキは十数年ぶりに故郷に足を運び、一度も連絡を取っていなかった家族の現状を知る事となる。 実家には長期休業の張り紙が貼られており、母は既にこの世を去っていた。そして父は末期の重病に伏せて場末の入院し、別人めいて老け込み痩せ衰えていた。もはや余命も残り僅かだった。 愕然とするスガキの元に、オニイサンより「せめて最期を善く看取ってやれ」と援助の申し出が入った。スガキはそれを素直に受け入れ深々と感謝した。実家の土地の権利書とハンコを手土産にだ。 スガキの故郷のストリートは過日献上したジアゲ候補地リストの片隅に記されていた。 それからスガキは、父の見舞いに足繁く通っては最期の日々を共に過ごした。着慣れぬカタギの服装に身を包んだスガキは、父に何も言うつもりはなかった。自身が既におびただしい血で手を汚した ヤクザであることも。これから故郷に巻き起こるジアゲも。己がそれに加担し、両親の宝だった店を売り渡した事も。父もまた、息子が何か後ろめたい隠し事をしている事を察してはいたが、 あえてそれを何も追求しなかった。明日も知れぬこのマッポーの世で、もはや生きてはおらぬと心のどこかで覚悟していた最愛の息子。今わの際に成長したその姿に再会できた事だけで充分だった。 十数年の歳月を埋めるにはあまりにも少ない時間を、二人はどこにでも居る普通の父子として笑い、泣き、言葉と思いを交わした。 そうして1カ月が過ぎた頃、ついに意識を失い心臓が止まるのを待つばかりとなった父の手を握りながら、スガキは懺悔めいて全てを語った。もはや聞こえていない都合の良い独り言だとごちながら。 最後に、自分のような親不孝者の事はアノヨで忘れてくれと告げた時、不意にその手が強く握り返された。驚くスガキが父の顔を見ると、薄目を空けながら小さく何度も首を横に振っていた。 程なくして眠るように父は息を引き取った。 数日後、葬儀と埋葬を済ませたスガキは、既に更地となった実家の跡地の前で、始まった再開発への反対運動の喧騒が巻き起こるストリートを眺め力なく佇んでいた。その時、携帯IRC端末にアラートが届く 己を絡め捕った、諦念の象徴…"オニイサン"の訃報だ。それをしばし見つめるスガキの表情は虚無めいて不変だったが、瞳の奥が僅かな熱に揺らいだ。スガキがケジメを断行したのはその直後だった。 【ユウジョウ判定表】 余暇あるいはシナリオ内で遭遇していれば判定対象にできる。 最重視するパラメータ:【ワザマエ】。ソウカイヤ・暗黒メガコーポ所属ニンジャは親密度4到達は不可。 親密度1:「お前なかなかのキアイだな、アンタイセイって感じか。やめとけよ。時間の無駄だ」 報酬:『◉知識:ヤクザの流儀』/『◉知識:ソウカイヤ』 親密度2:「何か大事なモンはあるか?そういうのは弱点になる……先に自分で壊しちまえばラクになるぜ?」 報酬:『◉頑強なる肉体』/『◉知識:ストリートの流儀』 親密度3:「家族が大事って言うよな、まだ居るならお前は大事にしとけ。うちは自慢の親父とお袋だったぜ。俺には勿体なかったよ」 報酬:/『◉ウィークポイント射撃』/『◉交渉:共感』 親密度4:「なあ、俺みたいな奴がまだ今更何か出来ると……しても良いと思うか?……なら、今度こそケジメつけねえとな」 報酬:『◉◉タツジン:ミリタリーカラテ』/『◉一瞬の勝機』 爆発四散:「今更。か…サヨナラ!」/(親密度4)「お前だったら……できるだけ俺から離れろ、サヨナラ!」 報酬:『ハチマキ・オブ・オウンゴール』 オウンゴールが常に懐に持ち歩いていた薄汚れた古びたハチマキ。機械油と長年の汚れが染み付いており「スガキサン修理」の掠れた文字がかろうじて読める。 レリックとしてみなす。【精神力】+1、『緊急回避ダイス』+1、シナリオ中1回限り、射撃攻撃に対する回避難易度を-1する。