ドニッシュ(Donnish) ネオサイタマ某大学に籍を置くソド・ダンジ(蘇道 団次)はうだつの上がらない大学講師だった。 専門はニンジャ考古学であったがソドの「昔話 オムスビ・ローリングに見る地下ニンジャ世界真実」の論文は何処か主体性にかけるものであり教員達からも生徒達からも軽んじられてきた。 ソドは評価されない現実に対して怒りを覚えていたが、かといって何か行動できる程のカラテを持っているわけでもなく下を向いて生きていく毎日であり、実際、情熱にかける彼の講義は退屈なものであった。 遠く、キョート・ワイルダネスでの遺跡発掘メンバーに選ばれたのも彼が有能だったというより数合わせの為であった。 ソドもまた遺跡発掘にあたって特に情熱を燃やすこともなく淡々と、或いは渋々と、彼よりはるかに若く優秀な主要メンバー達の小間使いとして働いていた。 そんな中、突如として大規模な地盤陥没が発生。この原因は他ならぬソドであり、彼が管理しているはずだった発破用の火薬が杜撰な管理で誤爆したせいなのだが、あっという間に陥没に巻き込まれていった調査隊の人間はそれを知ることなく皆死んでいった。 そして、張本人のソドもまた、自分のウカツを知ることなく、己の論文の題材にした昔話のオムスビめいて穴の中へ吸い込まれるように落ちていった。 本来ならソドもまた若き才能達と共に死ぬはずだった。だがディセンションを起こし、ソウルワイヤードとして一命をとりとめた彼の目に飛び込んできたのは、己の論文が真実である証拠となる地下空間に広がる古代ニンジャ文明の遺跡であった。 ディセンションによる全能感、己が真実に辿り着いていたという感動、何よりも自分をバカにしていた若き才能達が全員無様な屍となった事でソドにそれまで覆いかぶさっていた鬱屈とした感情のベールは完全に取り払われ、真実に到達したと嘯く邪悪なニンジャの姿が顕となった。 異変に気付いたザイバツのニンジャ達が遺跡に現れるとその男は賢人めいてアイサツをした。 「ドーモ皆さん ドニッシュ(知恵者)です」 donnishは常であれば「ダニッシュ(ダニシュ)」という発音になるのだが、ドニッシュは敢えて英国訛り風の読み方を使っている。ここから既に彼の嫌味かつ傲慢な性格が垣間見える。 こうしてザイバツのニンジャとなったドニッシュであるが早々にグランドマスター達からは見限られる事になる。 自らの知的欲求を満たすことを第一とし、また他のアプレンティスにもマスターめいて…或いはモータル時代には不可能だった自信溢れる講師めいて…指導を行おうとする姿は顰蹙を買うに充分だった。 特に彼を嫌ったのはパーガトリーであり、やたらと自分の真似を…それも質の低い物真似のようなやり方で…するドニッシュを視界にも入れることすら拒否をした。セプク等を強要するに至らなかったのは奥ゆかしさ等ではなく必要以上に口を利くことすら避けたかったのと複雑怪奇なハバツ・ストラグルのせいである。 尚、ドニッシュの方はむしろパーガトリーを好いている。ザイバツ随一の知恵者とすら思っており、故にこそ彼の作法を真似していたのだが、それが嫌われているなど思いもしていない。 あっという間にネオサイタマへ送られ…もしくは帰ってきたドニッシュであったが彼自身はこれを気にもしていない。というより、自分が出世コースから外れた事にすら気付いていない。 イサオシをあげればやがてはキョート城へ舞い戻り、噂に聞くホウリュウ・テンプルにすら踏み入る事ができる、自分にはそれが可能にできる頭脳があると本気で思い込んでいるからだ。 相も変わらずアプレンティス達には講義と称して延々と一人語りを聞かせ、時には己の知的欲求を第一に行動する男であるが、彼のフクロウめいた怪物にヘンゲするヘンゲヨーカイ・ジツは実際並々ならぬものであり、処分するに処分できないとワイルドハントの頭痛の種の一つになっている。 ドニッシュは基本的に第一印象で相手を判断する。第一印象で相手が自分より無知だと判断した場合、何処までも相手を自分より下の存在だと見下し続ける。実際にはドニッシュより遥かに優秀な頭脳と知識を持っていてもそれを認めることはほぼないだろう。 また彼は基本的に一言多く、それもまたムラハチめいて嫌われる要因なのだがやはり気にしていないというより気付いていない。面の皮が厚い上に人の心の機微に無沈着なのだ。 好きな食べ物は脂っこくないもの。一度脂っこい物が駄目になるともう戻れないと若いアプレンティスを相手に悲しい目で呟く姿が目撃されている。 ユウジョウ表 ドニッシュ ザイバツに所属している場合、最初からユウジョウ判定の対象にできる 最重視するパラメータ:【ニューロン】 親密度1:「ドーモ ドニッシュです。私の講義を受けたいという無知蒙昧なニンジャはそなたか?なんと否とな?ホッ!そう謙遜せずとも良いぞ!ホーホー!」  報酬:『◉知識:伝統的アート』/『◉交渉:煽り』 親密度2:「ホーホー、そなたも少しは知恵がついてきたと見えるな。このドニッシュ自らが指導を買って出てやったかいがあるというもの!ハゲミナサイヨ!」  報酬:『◉挑発』/『◉知識:山岳エリア』 親密度3:「ホー……ほう?それは…いい質問だ。その観点は……成る程…新しいかもしれない…。…ホッ!流石はこの私が教えてきてやっただけのことはある!ホホー!」  報酬:『◉知識:古代ニンジャ文明』/『◉知識:宗教』 親密度4:「…君は聞き上手だ。或いは…私の方が君に教えを授けてもらっているのかもしれんなぁ…。…もっと早くこういう事を……。…ホホッ!まあ良い!今日の講義を始めようぞ!」  報酬:『◉空中制動』/『◉突撃』 爆発四散:「ホーッ!?高知能の私がナンデ!?サヨナラ!」/(親密度4)「これで私の講義は最後となります サヨナラ」 報酬:『**ノートブック・オブ・ドニッシュ**』 ドニッシュが常に何かを書き込んでいた手帳。ニンジャ真実の一端が書かれているようだが字が汚くて読むのに苦労する。 ニューロン+2 ◉知識:古代ニンジャ文明と同等の効果を発揮する。