「ねーねー「」君」 「なんですか鶴乃さん?いきなり乗り出してきて…」 「えっと…最近テレビで町中華が話題!ってのがやっててね、わたしもならば万々歳を盛り上げるべく乗っかるヒントを!って見たの」 「はぁ…」 「一口に町中華って言ってもいろんなことやってたりするんだよ!例えば金網をテーブルの上に設置して中華料理をスマホで撮影できるようにしたり!まぁうちでやるには設備投資とかあるから微妙だけど……」 「いわゆる映えってやつですか…?あまりそういうのは僕も疎くて…撮ってる内に食べたいですし」 「あと!中華屋のオムライス!なんてのもやってたり!」 「中華屋の……オムライス?天津飯みたいなのではなく?」 「ううん!ふっつーにオムライス作るの!いつものオムライスと違うのは……鶏肉の代わりに豚肉を使ったりするんだって!お店によってはお客さんの要望でハンバーグ作ったり!」 「は…ハンバーグ!?」 「キャベツとか入れて醤油で炒めたスパゲッティとか!」 「それはもう焼きそばみたいになりませんか!?」 「万々歳でもやってみてもいいかもしれない……!いろんなリクエストを聞いて店中いっぱいに埋まるメニュー達……!どうかな「」君!?」 「あー……はい、鶴乃さん」 「ふんふん!」 「まずはリクエストしてもらえるだけの常連さんを集めるべきかなと……」 「うぐっ……んーじゃあ!まずは「」君!常連さん代表として第一のリクエストを!」 「僕がですか!?」 「そう!さぁさぁ遠慮なく!「」君の頼みならなんだって聞いてあげるよ!ふんふん!」 「ええぇぇ…!……その」 「その!?」 「その……僕は……いつも通りの万々歳でいてくれたらそれで……」 「……ほっ?」 「鶴乃さんが……厨房で声かけてくれる万々歳が僕はいいです……。後まぁ……あんまり突飛な感じだと僕も入りにくくなりますし……」 「……………」 「……あ、だ、だから!いつもみたいなメニュー!ラーメン半チャーハンセットで僕は十分なんで!」 「……えへへっ」 「な……なんですかぁ……」 「いやーほんと……もう立派に男の子だねって!来た時はなかなか喋れなかった「」君が……こうして面と向かって言ってくれて、わたしも鼻が高い!ふんふん!」 「……鶴乃さんがそうした方がいいってずっと言ってたじゃないですか」 「まぁ、そう言われたなら仕方ない!万々歳はこれからもいつも通りで!その上で高みを目指すよ!「」君が変わらず常連でいてくれるように!だいたい8年くらいは!」 「……なんで8年ですか」 「これもテレビでやってた!……「」君もそれくらい来てくれる?」 「……何もないなら8年だって10年だって行きますよ……人生何があるかわかりませんが」 「本当に!?言質取っちゃうからね!」 「はぁ……とりあえずまずは明日も来ますから……これからもよろしくお願いします」 「……やっぱり可愛いなぁ!ナデナデしちゃう!おりゃりゃりゃ〜!」 「なっ、やめっ、く、くすぐったいですよ〜!!」 「こちらこそよろしくね「」君!ふんふん!」 「あっ、そうだ「」君」 「?」 「ちなみにその8年来てくれた常連さんは結婚したんだって」 「それだけ月日流れたら……でしょうね」 「……通っていたお店の娘と」 「……うん?」 「……「」君の8年後はどうしよっか?」 「…………………………………キュウッ」 「な、なんちゃってー!……あれ?「」君?「」くーん!?」