「たははー……また負けちゃいましたね。このデッキなら強いと思ったんですが」 「『強い弱いよりもっと自分らしさを出せ』ですか……難しいところですね。なにせわたしにはその『わたしらしさ』なんてものはないのですから。えぇ、カラッポです。強いて言えば、色々なカードを継ぎ接ぎして作った強いデッキこそわたしらしい」 「……しかし、困りましたね。わたしの兵器の密造やインサイダーまがいの相場取引などのやり方はわかっても、『わたしらしさ』だけはわかりませんから」 //// 「なるほど、なるほど。そういうことをするんですか、貴方達は。でしたら……」 「わたしも、目を背けていたわたし自身を直視しなくては」 「オベリスクの巨神兵……なるほど、モンスター3体をリリースして出すだけの価値があるモンスターですね……ですが、出待ち漁夫の利騙し討ちはわたしの十八番、神と言えど孤独な存在には邪魔させませんよ?」 「さてわたしのターン、ドローです。まずゴブリン突撃部隊を守備表示で召喚、続いて魔法カード『強制転移』発動、このカードはわたしと貴方、即ちお互いの『プレイヤーに作用』します。さぁ……貴方のそのオベリスクの巨神兵を選んでください。他に選択肢などありません。代わりと言ってはなんですが、こちらからもモンスターを送りましょう……えぇ、このゴブリン突撃部隊を、ね」 //// 「おっと、わたしの手札が吹き飛んでしまいましたね……なんて、その程度でわたしは止まりません。まず捨てられた『暗黒界の導師 セルリ』を守備表示でそちらに召喚、(2)の効果で鬼神ケルトを特殊召喚、これは『貴方の効果で捨てられた』扱いなのでさらにもう1体召喚させてもらいます。……さぁ、銀河中心核をここに。『グリード・クエーサー』召喚!」 「これでは終焉を歌うにはまだ弱いです……が、『E-HERO ヘル・ゲイナー』を召喚と同時に除外、『グリード・クエーサー』を強化し、『ギブ&テイク』で墓地の『DD魔導賢者ガリレイ』をそちらに攻撃表示で召喚&グリード・クエーサーのレベルを+10します」 「さぁ、バトルフェイズですね。まずは鬼神ケルトでセルリを排除、続いてグリード・クエーサーでそちらのガリレイを攻撃、現在のクエーサーのレベルは17、攻撃力は5100なのでガリレイを破壊、貴方自身のライフに5100のダメージを与えつつクエーサーのレベルを27に増加させます。これにてクエーサリック・エネルギー充填完了、攻撃力8700です。即ち、不死鳥と言えどガルガンチュア・クエーサーには太刀打ちできないということだ!"The Winged Dragon of Ra"を攻撃!今こそ終焉を歌え、グリード・クエーサー!!!」