【西東京のとある雑居ビルのバー、その奥、個室内】 浩一郎:「さて、今日はここにあつまってくれてありがとう、思った以上に俺……私の依頼を受けてくれてありがたく思うよ」 クンビラモン:「一人称で大物感出そうとするのは流石に無理だぞ浩一郎」 浩一郎:「うるさいぞクンビラモン…まぁこんな空気じゃ格好つけても無理か……ま、依頼を見て来てくれたってことは各々それなりの酒好きか……あるいは金目当てか、どちらでも構わないんだが、依頼内容は簡単で、とあるバッカスモンから酒を受け取ってきてほしいんだ、これを」  浩一郎がそう言ってタブレットを手渡してくる、そこには地図が映っていた。 浩一郎:「デジタルワールドは大別して3つあると言われているのは知っているかい?1つは俺たちが基本的に行っているであろうデジタルワールド……ここはイグドラシルとしよう、それとまだ調査途中の1つ、そしてイグドラシルではなくホメロスと呼ばれるホストコンピューターが管理するデジタルワールド・イリアス、この3つ、このうちイリアスとイグドラシルが何らかの原因で衝突し、世界の一部が崩壊したんだ」 クンビラモン:「崩壊したと言っても消滅はしていない、仮にも世界だからな」 浩一郎:「ああクンビラモンの言う通り、この崩壊した世界に先ほど言ったバッカスモンが存在するんだが、そのバッカスモンがあらゆる酒のデータを収集して作った酒と言うものがある、あらゆる酒好きが求め、しかし今だ飲んだことのない『幻の酒』だ」 クンビラモン:「言っておくがここまで知っているなら自分たちでと思うだろうが、探しても見つからないからこそ依頼をしたんだ、もしかしたらこちらの持たない視点で探し出してくれると期待してな」 浩一郎:「ああ、だからこそ探し出せなかったら失敗、悪いが報酬は出せないが……見つけ出して届けてくれたら1000万円の支払いをさせてもらうよ」 クンビラモン:「bit払いでもいいぞ、端数が出るのは許してもらいたいな」 浩一郎:「だが……正直言えば1人受けてくれればよかったと思っていたから流石に同時に見つけたからみんなに1000万って言うのは流石にすぐには動かせないからこうしたい、1人で探してもいいしチームを組んでもいい、1人で探したら総取り、チームだったら組んだ人数で頭割りだね」 クンビラモン:「本当はケチケチしたくはないんだが、ちょっと一気に引き出すには色々問題が……ま、払うものは払うぞ」 浩一郎:「ああ!そこは期待してほしい、と、言っておくけど手に入れたからって飲み干さないでくれよ?」 クンビラモン:「こちらで飲みたいから依頼したんだからな!」 浩一郎:「と、言うわけで皆にはバッカスモンがいるであろう崩壊世界のパスを渡すよ」 クンビラモン:「指定住所のPCでデジタルゲートを開きそのパスを使えば移動することができるぞ」 浩一郎:「1度使うと他の人に譲渡はできないように仕掛けてあるから転売とか考えないようにね?」 【崩壊世界へのパス】:デジタルワールド・イグドラシル(仮称)とデジタルワールド・イリアスの一部が何らかの原因でぶつかり崩壊したときに出来た世界、大きさで言えばファイル島3つ程度 クンビラモン:「さて、それでそこで顔を青くしてる2人……その、だ、大丈夫か?」 浩一郎:「もしかして下戸……あ、いや、まあお金が目的ならそれでもいいんだが下戸で酒飲みのバッカスモンとやり合えるかな……?」 クンビラモン:「い、一応言うが依頼は任意だから辞退も可能だぞ?」 浩一郎:「それでも、もし任務を受けるっていならあまり気乗りしないがこれを渡しておこう」  錠剤の入った瓶を差し出してきた 浩一郎:「これはアスタ商会謹製の……酒飲み薬だ、一錠飲めばどんな下戸でも1日中酒を飲んでいられる」 クンビラモン:「だが、これには極めて甚大な副作用がある、もし使うときは……心した方がいいぞ」 浩一郎:「これはデジタルワールドに行けば人間もデータ的な存在に返還されることを利用して、アルコールのデータを一旦体内の別ストレージに移動させるという仕組みらしいんだが、分解してるわけじゃなくてあくまでストレージ移動だリアルワールドに戻ってきたときにこいつは牙をむく……具体的に言うとあまり汚いことは言いたくないが……飲んだ量によっては三日間トイレにこもりきりだ……シモから出る物を出し尽くしても腹痛と戦い続け、尿を排泄しても止まらない……当然下痢……も……うん」 クンビラモン:「もし使ったならトイレに2Lの水を10本は用意しておいた方がいいぞ、じゃないと脱水症状で最悪……うん」 浩一郎:「まあ尊厳を賭けても金をとると言うのなら止めはしないが……ほんと使うときは覚悟しようね?」 【アスタ商会印の飲酒薬】:人間がデジタルワールドで使うと下戸でも酒が飲めるようになるが、副作用として飲んだ量でひたすらトイレに困ることになる。尊厳をかけても酒を飲むのか……?それはその人の意思次第。容量用法を守ろうね。 クンビラモン:「他の面子はあまり問題なさそうだな」 浩一郎:「それに酒も好きそうだね、なら手付金変わりだ!このバーは俺の趣味で作ったバーなんだ、帰る前に好きなだけ酒を飲んでくれ」 クンビラモン:「こう言う秘密基地はいつだって男のロマンだからな!」 浩一郎:「その通り!もちろんデジタルワールドの話ができる場所が欲しいという理由もあるが9割は俺のロマン!そして酒!」 クンビラモン:「それなりの量の酒は取り揃えてるからな、特にウィスキーと日本酒は」 浩一郎「俺たちの趣味って奴さ、でも他のラインナップだって負けちゃいないさ」 クンビラモン:「それにつまみもそれなりだぞ、凝ったものからスナックまであるからそっちも味わってくれ!」 浩一郎:「勿論奢りさ、欲しいものがあればバーテンダーに言ってくれよ!」 クンビラモン:「あ、そこの2人、大丈夫か……?店の酒精だけで倒れそうになってない?」 浩一郎:「えっと、帰るなら見送るけど……あ、大丈夫?そう?」 クンビラモン:「一応近くに公園があるから気持ち悪かったら帰る前にそこで休むといい、ビルを出て左手側に歩けばいいからな」 浩一郎:「ほ、ほんとお大事にね?」  ……―― 浩一郎:「さて、酒飲みもそろったところ、好きな酒も届いたことだし」 クンビラモン:「つまみも定番が届いた!」 浩一郎:「それじゃ依頼成功を願って!乾杯!」 クンビラモン:「乾杯!」 【クエストライン:幻の酒】 1・崩壊世界に行きバッカスモンを探索する。 バッカスモンは崩壊世界の別レイヤーにいるためそちらに転移するゲートを探しバッカスモンが居るレイヤーに移動する。 パートナーがバッカスモンだと転移ゲートを直感で見つけてくれる。 2・バッカスモンと出会い交渉を開始する 特異なバッカスモンだが比較的性格は普通にバッカスモンなので宴会を持ちかけられる、ここで幻の酒について提案をすると欲しければ勝負!という流れになり、何らかの勝負でバッカスモンに勝利する必要が出る。 →飲み比べ・バッカスモンと飲み比べをし、バッカスモン以上に飲むことができると勝利となる。 →つまみづくり・酒に合うつまみを求めるバッカスモンはそれなりの味のつまみを要求してくる、バッカスモンがいいと言うまでつまみを作る必要があるが美食家並みの舌の肥え方なのでかなり難易度が高い →戦闘・あれ?このバッカスモンなんか弱い……?(弱い理由は後述)  勝利すると選択肢が2つ・デリートするかしないか、デリートするとアイテムが手に入るとそこでクエスト終了、アイテムは後述  なお戦闘能力は見た目がバッカスモンなのでそれなりに強そうに見えるがその力は強い完全体に力負けする。  必殺技なども使ってこない。  なおそれは初見ではわからないものとする。  デリートしない場合はまいったまいったと負けを認めてくれる、いい余興だったと。 →あとなんかあればそれで! 3・勝利からのバッカスモンからの依頼 何らかの形でバッカスモンの勝負に勝つと幻の酒を造るには原料がいるということになるためそれを探し求めることになる。 デジタルフルーツ(果実) ・デジグレープ ・デジアップル ・デジペアー(ナシ) ・デジプルーン ・デジバナナ デジタルグレーン(穀物) ・デジ米 ・デジ小麦 ・デジ大麦 ・デジコーン ・デジモロコシ ・デジソバ ・デジライムギ ・デジヒエ ・デジテフ デジルート(根菜) ・デジサツマイモ ・デジポテト その他 ・デジサトウキビ ・デジアガベ(リュウゼツラン) ・デジヤシ ・デジミルク ・デジハニー これらの『最高級品』を探し出す必要がある。 イメージとしては、 『貴族のヴァンデモン』:ワイン好きのヴァンデモンが果樹園を持っているらしい、作る宝石はは宝石のようとも『果実』 『農家のジジモン』:趣味で始めたら凝り始めたようだ、一口食べれば二口めが欲しくなる『穀物・根菜』 『甘味好きのジェリーモン』:南のどこかで自分のお菓子を極めるために砂糖から作り出してるらしい『サトウキビ・ヤシ』 『養蜂家のクイーンビーモン』:一度でも舐めれば虜になる蜂蜜を作れるとか『蜂蜜』 『陽気なポンチョモン』:太陽と酒を愛し自分のために育てたリュウゼツランで自分でも醸造をしているらしい『リュウゼツラン』 『酪農家のミノタルモン』:昔は戦いに生きていたが今は自分好みのチーズを作るために酪農家をやっている『牛乳』 彼らからモノが欲しければ困ってることを助けてほしいと頼まれそれを解決すると譲ってもらえる。 うーん……お使いクエスト! ・なお、ここで同じバッカスモンを探すデジタルハンターと出会うことになる。 →特に何も決めてない単なる敵対NPC、まあまあ強くはある。酒は別に好きじゃないので幻の酒を売っぱらって財産を作ろうとしてる。藤田作品の小物みたいなやつ。げひゃひゃ笑いとかする。ちょっと強い雑魚、調子乗ってとらにぼこされたり、鳴海にいちゃんにボコされたりする系。 4・バッカスモンへ素材を届ける 材料を入手したらそれをバッカスモンに届けると『幻の酒』をもらうことができる。 分岐 →浩一郎に届ける:通常クエストクリア、次の依頼に分岐 →飲む:浩一郎に怒られるし失敗(またバッカスモンから貰えば半金は回収可能) →転売などの行為:浩一郎激怒の末敵対、一応失敗 5・浩一郎に届ける 入手した酒を届けると報酬をもらえるが、飲みたいと提案すると流石に頼んだものを飲みたいというのはと難色を示される。金払ってるのにマジ?!的な感じ。しかし報酬の半分を浩一郎に変換するとそこから酒盛りに発展する。 →酒盛りに分岐した場合幻の酒を味わうことができる。味に関しては極めて美味しい、飲んだことのない味。ぶっちゃけトリコに出てくるような凄い酒らしい。 【クエストライン:神の酒】 1・幻の酒をクリアして数日すると浩一郎から連絡が来る。 なんとびっくり幻の酒より上位ランクの『神の酒』なる酒が存在するという。しかし報告された場所からでも浩一郎はバッカスモンにあうことができない。どうにかして交渉してもらって来れないか頼まれる、報酬金は10億を提示される。受ける場合は次へ。 2・再度バッカスモンと交渉 依頼を受けた場合特異なバッカスモンと再度出会うこととなる。神の酒を譲ってもらえないか頼むと難色を示される。ダメではないが材料がないという、しかしこの材料はデジタルを探せばいいものではなく、崩壊世界の別レイヤーに行かなければならない。この時点でバッカスモンの来歴を聞くことができる。 ・かつては一介のバッカスモンだったが親友のケレスモンと史上最高の酒を造ろうという話になった。 ・バッカスモンがレシピデータ、ケレスモンが材料データの収集を担当。 ・バッカスモンもケレスモンも自らの構築データの最小単位までデータを抜き取りそこにとにかく酒やそれに関するすべてのデータをぶち込んだ。 →ここでこのバッカスモンが弱いということが本来わかる。 ・バッカスモンとケレスモンお互いに最高のものができた、さあ酒を造ろうという時点で世界の衝突が起こった。 ・バッカスモンは何とかこうしているが、親友のケレスモンは崩壊に巻き込まれ崩壊世界のレイヤーの最深部まで堕ちてしまったらしい。 ・本当は自分の力で行きたいが、怖くもあるらしい、もしかすかに残る反応が単なる自分の勘違いだったら?という恐怖。 ・もしよければそのケレスモンの居る所まで行って、助けれるのなら助けてあげてほしいと頼まれる。 →受けない場合はそこで依頼終わり 3・崩壊世界の最奥へ バッカスモンが管理していたゲートから崩壊世界の最奥エリアへ飛ぶ。敵対者が存在するが強さは完全体下位程度、究極体と組めるなら何の問題もない。しかし数が多いので消耗必至、なので最下層に行くまでにはしっかり準備を整える必要がある。 4・最下層 最下層につくとそこにはケレスモンの亡骸がある、しかしそのケレスモンが必死に守るように自らの背中をかばっていた、そこには一本の木が生えており、小さな果実が1つだけなっていた。それがケレスモンが世界の酒のデータを集め自らのデータを捨ててまで作り出した『神話の原料』多くの神話で神が飲む酒の逸話、その酒造のための原料データを濃縮して作ったもの、それをバッカスモンに届ける。 5・バッカスモンのところに戻る 戻ると傷ついたバッカスモンが居る。そこには盗み聞きでバッカスモンが弱いと知ったデジタルハンターがバッカスモンを服従させるために攻撃を仕掛けていた。倒さないとデリートされて終わり。倒すと次へ。 6・バッカスモンに原料を デジタルハンターを倒しバッカスモンに原材料を届けケレスモンのことを話すと寂しそうに笑ってからその材料を作って酒を作ってくれる。 作った酒は浩一郎の分を取っておいてその場で少し味見ができる。これもトリコに出てくるようなヤバ酒なので凄い美味しい。 そしてそれを飲むとバッカスモンが修復されていく。ホッとするのもつかの間バッカスモンが自害した。 この酒で修復されればきっと今まで集めてすべてのレシピデータが消え去ってしまうと悟ったからだ。人生を賭けた大仕事に既にバッカスモンは満足しており、その抜き取ったデータをもらうことになる。神の酒のレシピデータを。 【バッカスモンの酒レシピ】:幻の酒を作り出すレシピデータ、世界の酒のデータを自らに取り込んだバッカスモンが遺したデータ、これを作るには別のバッカスモンのデータを抜きそこに詰め込まなければならない。しかしそれで作られた酒は最上の美味のようだ。 【バッカスモンの人生レシピ】:神の酒を作り出すレシピデータ、収集の果てにそのレシピは神の時代の酒を有無にまで至った思考のレシピ、しかし二度と作ることはできない、これは酒に命をかけたバッカスモンとケレスモンの生き様そのものだからだ。 7・浩一郎に届ける。 入手した酒を届けると報酬をもらえるが、飲みたいと提案すると流石に頼んだものを飲みたいというのはと難色を示される。金払ってるのにマジ?!的な感じ。しかし報酬の半分を浩一郎に変換するとそこから酒盛りに発展する。 →酒盛りに分岐した場合幻の酒を味わうことができる。味に関しては極めて美味しい、飲んだことのない味。ぶっちゃけトリコに出てくるような凄い酒らしい。 レシピデータは俺が持つのはダメだよ、といってクエスト成功者に渡されることになる。それをどうしようと自由だが、転売にかけると浩一郎が悲しい顔をする。 これが依頼のクリアラインとなります。 NPC ・バッカスモン(特異個体) 酒に人生をかけたバッカスモン、その体内は構築最小データになるまで消えておりそこに世界の酒のデータを詰め込んでいる。そのせいで戦闘力は並のバッカスモンよりはるか弱く、下手をすれば強い完全体にすら負けるだろう。 ちなみに浩一郎の知る噂の出所そのもの、実はケレスモンのことをどうにかしたくて協力者を募りたく酒好きの強者を求めて噂を流した張本人でもある。 「がははは!なんだ!酒が飲みたいのか!いいぞ、我と飲もうじゃないか!」 「おお!いいぞ!いいのみっぷり!負けられんなぁ!!」 「がは!がはは!いい酒だ宴だ!!はははは!!」 「おお……親友よ……ケレスモンよ……お前は……ああ、お前の遺したものは……今手に届いたぞ」 「くくく……死ぬことはないという顔をしているな……ああ、だがダメなのだ、これは我が生き様そのものなのだ、たとえデリートの運命であるとしても……親友と共に駆けた生きた道なのだ……がはは!悲しむな!酒が不味くなる…ああ、だが、今度こそ奴にも振舞ってやれるなぁ……」 ・デジタルハンター 卑俗な雑魚、バッカスモンの持つ酒を聞きつけてやってきた、とことんクズ。 「ああ~?なんだ~~~?酒は飲むものだってぇ……?バー―っカじゃねぇのぉ?」 「こんなマジー液体なんぞにお熱になるなよ」 「げひゃ……げひゃひゃ!!お仲間ごっこは楽しいか~?」 「馬鹿だねぇ…こんな金になる木、ゴミデジモンが持ってても役に立たねぇだろ?俺様が有効活用するってんだよぉ!!」 「おい……なんだよ……なんで俺のデジモン軍団がぁ!?」」 「ひっ……そ、そうだ、こんな奴よりおれと組もうぜ!!そしたら売り上げ分けてやるからよぉ!!」 「や、やめろ!!来るな謝るから見逃してくれよぉ!!」