突然の雨だった。スカイタウンなど一部の街や国を除けばネットワーク技術の発展した今でも天気を正確に読むことは難しい。 神浜の復興支援の帰りに樹里が熱斗をゲームに誘って二木に誘い、その帰りに結菜が送っていくことになったのだがそのタイミングで突然大雨が降り始めてしまった。 幸いにも迎えの車を呼んだ直後だったので雨に打たれ続けるという事態は避けられたが、少し濡れてしまった。ここから秋原町までは遠いのでまだ近い結菜の家に行くことにした。  ここまで成り行きと親切心で行動してきた結菜だったが、車から降りて自宅に熱斗を迎え入れた瞬間に気がついた。 (これは…かなり凄いことになる可能性があるんじゃないかしらぁ…?)  結菜は自らの髪を伝ってぽたぽたと落ちる水滴を眺めながら考える。濡れた体を温めるためにもすぐにシャワーを浴びねばならない。 だがそれが最大の問題だった。  この場合どちらが先に入ればいいのだろう? (客人である光君が先よねぇ…そもそも小学生より先に暖まろうとするなんて大人げないもの……言い方は悪いけど光君は「女の人が先に入るべきだよ!」なんて気を利かせるような個でもないしそれが一番無難…) いやしかし…と結菜は更に考える。 (シャワーを浴びた直後の頬を赤らめた水気の多い光君…果たして私が我慢できるかしらぁ…でもここで私が先に入ると…私そんなスタイルよくないし流石に光君が私を見て興奮とかしないわよねぇ…) と思ったがここで結菜に一閃の閃きが走る。 (まかり間違って一緒に入ろうなんて言われたらどうすればいいのかしら…いえ断ればいいだけじゃない……断る…断るのも悪いわぁ…そこまで言われたら一緒に入るのが礼儀じゃないかしらぁ) 「結菜さーん、風邪引きそうだから早く入って来てよー」  いつまで経っても玄関から動こうとしない結菜痺れを切らして熱斗が催促しに来た。 しかし結菜の長考は延々と続き結局熱斗が先にシャワーを浴びてお礼を告げて家から出て行き、正気に戻るまで続いてしまった。 ……… 熱斗「ってことがあってさー、結菜さん風邪とか引いてたのかな?」 ロックマン・祐一郎「クソァ!!!!!!!!!」