二次元裏@ふたば

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119454 B24/05/13(月)17:42:53No.1188809900+ 19:18頃消えます
 その日、フレイは所用でモルゲンレーテに来ていた。
 国際企業であるモルゲンレーテには様々な人間が集まっており、フレイもまた、様々な者とすれ違う。
 パーマがかった髪の、少し童顔の青年と、薄灰色の髪をしたショートヘアの女性。
 銀色の髪の何処か虚無的な雰囲気の男と、深緑の髪をした妖艶な女性。
 そんな中、フレイは見覚えのある人物とすれ違う。眼鏡をかけた、自分と同年代のおかっぱの女性。
「……ジュリ? ジュリ・ウー・ニェン?」
「あれ、フレイ、アルスター?」
「「久しぶりー!」」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/05/13(月)17:43:20No.1188810018+
 互いの用事が一段落した後、二人はモルゲンレーテ内の食堂で落ち合った。
「私の事覚えててくれたのね」
「そりゃ、命の恩人の顔忘れるほど薄情じゃないわよ。オーブに帰ってきてたのは知らなかったけど」
「ジャンク屋絡みの仕事でね。たまには里帰りもしたいし」
「今ジャンク屋組合に居るんだっけ。でも何で? モルゲンレーテの方が待遇良いでしょ?」
「まあ色々理由はあるけど……やっぱり、アサギとかマユラの事思い出しちゃうから」
「……そう」
 フレイは紅茶を口に運びながら沈黙する。カガリもそうだが、やはり皆あの戦争で大切なものを失ったのだ。
「フレイこそ、今キラ君と暮らしてるんでしょう? ていうか、終戦まで貴女と恋仲とか知らなかったんだけど」
「まあ、ね。あの時期ちょっと色々拗れてたから」
「ああー。まあそういう事もあるわよね」
 拗れ具合に関してはジュリの想像を絶するレベルだが、恐らく今後も知る事はないだろう。
224/05/13(月)17:43:49No.1188810150+
 そうして暫く歓談していたが、そのうちジュリに迎えがやって来た。
「ここに居たのかジュリ。帰るぞー」
 バンダナと黄色い上着が特徴の、どこかいい加減そうな男だった。
「あっ、ロウ・ギュール!」
「うげっ、フレイ・アルスター!」
 フレイは声色を荒げ、ロウは少し困ったような顔をする。
「えっ……二人とも知り合い?」
「こいつとマルキオ導師が勝手にキラをプラントに送っちゃったのよ! オーブに引き渡してればややこしい事にはならなかったのに!」
「仕方なかったんだよ! それにキラにフリーダムが渡ってないと世界が滅んでたぜ?」
「うぐぐ……あっ、あとアークエンジェルに変な落書きもしたでしょ! あれ消すの大変だったんだからね!」
「ええっ消しちまったのかよあれ……?」
「あはは……」
324/05/13(月)17:44:09No.1188810238+
 ひとしきり口論してフレイが落ち着いた後、三人は別れを告げる。
「しっかしまあ、貴女がこいつと一緒に居たとは思わなかったわ」
「ま、世間は思ったより狭いってことね」
 フレイとジュリは互いに笑い合う。
「まあでも、お互い無茶する男の傍にいると大変よね」
「ふふ、まあこっちは一応二人で首輪付けてるから」
「二人?」
「こっちの話よ。じゃ、行きましょう、ロウ」
 そう言うと、ジュリはロウの腕をホールドして引っ張っていく。
 その様を見ていたフレイは、一人呟く。
「……蓼食う虫も好き好きってやつかしら」
424/05/13(月)17:44:39No.1188810355+
 モルゲンレーテからの帰り道、海岸沿いを歩いていると、歩道で一人の男とすれ違う。
 なぜかその男は恋人とよく似た雰囲気を纏っており、フレイは思わず立ち止まり振り返る。
「……キラ?」
 フレイは、その青年に声をかける。
「……ああ?」
 青年は振り向くが、その顔を見てフレイはぎょっとする。確かに顔立ちはキラによく似ているが、その表情は険しく、基本柔和なキラとは似ても似つかなかった。よく見ると、髪も黒く長い。
「お前、キラ・ヤマトの知り合いか? 何の用だ?」
「あ、いえ……似てたものだから、つい」
「……フン」
 青年は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
524/05/13(月)17:45:07No.1188810496+
「あ、貴方こそ、キラの知り合いなの?」
「……どうかな。オレはアイツを知っているが、アイツは俺の事なんて知りもしないだろうからな」
「そ、そう……」
「これ以上用が無いならオレは行かせてもらうが」
「え、ええ……御免なさい」
 そう言うと黒髪の男は立ち去ろうとするが、すぐに足を止める。
「ああそうだ、一つ聞いておこう。お前は、アイツの何だ?」
「えっ? ……恋人よ」
「……そうか。じゃあ、お前にとってアイツは何だ?」
「は? 今恋人って言ったで……」
「そういう表面的な話じゃない。もっと根源的に、どういう存在かと聞いている」
 自分から話しかけたとはいえ、仮にも初対面の相手にここまで踏み込んでくる目の前の男にフレイは不快感を隠せなかった。しかし、答えないのもそれはそれで何か「負けた」気がするので、フレイは返答する。
「……私の命よりも大切な人よ」
 ……そして、私が一生かけて償わなければいけない相手、とフレイは心の中で付け加える。
624/05/13(月)17:45:26No.1188810587+
「そうか」
 それを聞いた男は、それまでの険しい顔が嘘のように微笑んで見せる。その表情は、キラと瓜二つだった。
「アイツと親しい仲なら一つ、伝えておいてくれ。人と人は……想いの力で繋がっているそうだ。人は一人ではないと。この言葉を、辛い時、苦しい時に思い出して欲しいと」
 そう言うと、今度こそ男はフレイの前から立ち去った。
 不思議な男だと思いつつ、フレイは一人呟いた。
「ひょっとしたらキラの生き別れの兄弟とか? って、それはカガリで間に合ってるか」
724/05/13(月)17:46:07No.1188810752+
どうもキラフレ「」です
今回は外伝キャラとフレイの絡みが中心です
冷静に考えてキラって兄弟に相当するキャラ多すぎますよね
フレイが何故モルゲンレーテに来ていたかは後に明かす予定です
短編は(多分)今回で終わりで次回から自由編ですが前言った通りサブスクとかに来てから書くと思います

まとめです
https://www.pixiv.net/novel/series/11861256
今回は18です
ではお目汚し失礼しました
824/05/13(月)17:49:37No.1188811704+
そう言えばこれだとフレイ助けたのジュリだったか
924/05/13(月)17:51:58No.1188812320+
やっぱりジュリ死なせたのは不味かったよね…
1024/05/13(月)17:54:09No.1188812850+
ブリッツの腕を使い倒してる事考えるとジュリも生きてればかなり便利に使われたと思われる
1124/05/13(月)17:56:47No.1188813568+
>ブリッツの腕を使い倒してる事考えるとジュリも生きてればかなり便利に使われたと思われる
Destiny ASTRAY見てるとユンがジュリの代わりだったのかな?って気もする


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