二次元裏@ふたば

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1355435 B24/05/06(月)00:28:50No.1186081739そうだねx1 02:12頃消えます
マサラタウンの朝。
ブルーの家の前でレッドは頭を下げていた。
「じゃあ、娘さんはお預かりします」
「ええ、どうぞよろしく」
「もう、レッドもママもパパも大袈裟よ。
単に同棲するだけじゃない」
ブルーがレッドの家へと引っ越す準備を始めてから数日。
ようやく終わったので、両親に挨拶に向かっていた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/05/06(月)00:29:25No.1186081934+
「でもさ、こういうのはちゃんと言っておかないと」
「もう、律儀ねぇレッドは。
そういうのが好きなんだけど」
「あらあら仲良しねぇ。
この調子だとこの後の生活も安心ね」
ブルーの母に褒められて、照れる。
ブルーも親に言われるのは慣れてないのか、頬に手を当てて照れていた。
224/05/06(月)00:29:48No.1186082065+
その後、手を繋いで家に向かう。
「ブルーも両親相手にはああなるんだな」
「いいでしょ別に」
拗ねたようにブルーがそっぽを向く。
とはいえ手は離さないからそこまで怒っているわけではないのだろう。
その考えが正しかったようで、少し歩くともう鼻歌を歌うくらいには機嫌が直っていた。
「これから楽しみ〜。
アタシとレッドのラブラブな生活が始まるのね〜」
明らかに浮かれている。
手を繋いでいないとそのまま浮かんでどこかに飛んで行ってしまいそうなくらいだ。
324/05/06(月)00:31:05No.1186082557+
ブルーの腰のボールが揺れる。
透けた外装越しに見ると、ブルーの手持ちのポケモン達も喜びを表すように転がっていた。
「カメちゃん達も楽しみみたいね」
「喜んでくれるならよかった。
せっかく同棲するならみんなで楽しみたいからなぁ」
安心して笑う。
レッドの腰のボールも同じように揺れた。
424/05/06(月)00:32:12No.1186082924+
家に着くと、真っ先にブルーはベッドに飛び込んだ。
「ベッドひろーい」
子供のように転がって楽しむ。
ブルーとの生活のために、2人で寝れるような大きさのベッドに買い替えていた。
「前のベッドもレッドと密着できてよかったけど、寝返り打っても余裕あるのもいいわ」
「夏になるとさすがにぴったりくっついてると汗ついちゃうだろうしなぁ」
いくらクーラーを効かせていても、暑い夏の夜には汗をかくようなことはしたくない。
524/05/06(月)00:34:13No.1186083631+
「でも夜のベッドだと季節に関係なく汗かくようなことするでしょ?」
「そりゃあなぁ…」
思い出して、頭を掻く。
今まで彼女を何度も抱いていた。
新しいベッドでそうするのが楽しみだという気持ちは否定できない。
「なんならもうしちゃう?
アタシは今でも構わないけど」
挑発するように、ブルーが妖しい笑顔を見せてくる。
624/05/06(月)00:36:09No.1186084282+
彼女がベッドに座って、長い脚を投げだす。
身体のラインを強調する服の下。
ブルーの身体つきを思い出して、鼻の下が伸びそうになる。
「いや、今は腹減ったしいいや。
それより飯にしようぜ」
「そうね。アタシもお腹ぺこぺこ」
そんなやりとりの後、ブルーの手を取る。
手を引いて立ち上がらせると、寝室から出た。
724/05/06(月)00:38:30No.1186085016+
食事を終えて、ブルーに与えた部屋に一緒に行く。
いくら恋人とはいえ、プライベートは大事だ。
彼氏の前では綺麗でいたいけど、気を抜く場はほしいという彼女の要望に応えていた。
「空いた部屋だけど、ここで頼むよ」
「ううん。部屋くれただけで嬉しいし、
新しい部屋ってワクワクするわ」
椅子に座って、ブルーが伸びをする。
824/05/06(月)00:40:23No.1186085636+
「今日からここがアタシの新しい家かぁ…」
独り言を呟くと、ブルーが表情を緩める。
「アタシが両親と生活するようになって、今はこうして好きな人の家に引っ越すなんて。
子供の頃は夢にも思わなかった」
「いい人見つけようって思わなかったのか?」
「あの頃は、そんな余裕もなかったから。
そもそも生き別れた両親と会うこと自体が夢みたいなものだったしね」
924/05/06(月)00:42:15No.1186086299+
当時の彼女は、生きることに精一杯だった。
時には人を騙して、利益を見出して生き残る。
そんな生活を長く続けていた。
「男なんて簡単にアタシにいいようにされる程度って、あの頃は思ってたわ。
今思えば思い上がってただけだったけど」
「それでオレも騙されてたからあんまり否定できないけどな…」
1024/05/06(月)00:44:48No.1186087137+
当時の自分。
あまりにも簡単に騙され、情け無いことになっていた。
その後も、散々ブルーに利用された。
裏切られ、騙されて。
それでも、ブルーを見捨てられなかった。
彼女の過去を聞いて、許そうという気になれた。
「あんな出会いだったけど、だからブルーと出会えたんだからよかったと思うよ」
「それで済んじゃうレッドは優しすぎるわ…」
1124/05/06(月)00:47:03No.1186087903+
ブルーがため息をつく。
自分のやったこととはいえ、複雑な心境のようだ。
「でも、こうしてアタシが幸せなのはレッドのおかげ。
あなたが見捨てないで、助けてくれたから。
もちろんレッドだけじゃないけど、1番はレッドよ」
「どういたしまして」
素直に感謝を受け取る。
抱きついてきた彼女も、受け止めた。
1224/05/06(月)00:50:54No.1186089213+
その夜。
2人とも入浴を終えて、寝室に向かったが。
「あー…」
すでにベッドは占領されていた。
2人の手持ちのポケモンたちに。
ニョロやピカ。
ぷりりやグランブル。
さすがにフッシーやゴンのような室内では窮屈すぎるポケモンはボールの中だが、いつのまにかボールから出ていた彼らがベッドで眠っていた。
1324/05/06(月)00:53:55No.1186090257+
「あー…。
これじゃ今日はできないな…」
肩をガックリと落とす。
男として、夜に恋人とすることを期待していないわけはなかった。
そのためにベッドを新調したというところもあった。
だけど今はこうなっていて、お預けをくらうこととなってしまった。
1424/05/06(月)00:57:23No.1186091419+
「もう。レッドったらエッチなんだから」
「はい…」
反論する気力もなく、肯定する。
「別に今日でなくてもいいじゃない。
明日だって明後日だってあるんだから」
ブルーに導かれ、ベッドに入る。
ニョロ達がいるから狭いが、なんとか2人が入るスペースは確保できた。
1524/05/06(月)01:01:01No.1186092600+
「これはこれで、夢みたいな光景かもね」
「これが?」
聞き返すが、ブルーは頷く。
「好きな人もいて、ポケモンに囲まれて。
みんな一緒にベッドで寝る。
それも幸せだし昔じゃできなかったことかもって思ったの」
「…そうかもな」
一緒に横たわる彼女の手を取る。
1624/05/06(月)01:04:23No.1186093746+
「これからも、ずっと一緒にいてね」
「ああ、約束する」
小指を絡めて、指切りをする。
愛しい彼女。
辛い思い出の多かった人。
だけどこれからは。
楽しい思い出をいっぱい与えたい。
隣で笑う姿を、ずっと見ていたいとレッドは思った。
1724/05/06(月)01:08:32No.1186095109+
「こっちの指にも、してほしいものがあるんだけどねー」
「…それは、そのうち」
左手の薬指を軽く動かすブルーに、歯切れの悪い返事をした。
今はまだ準備もできてないので、こう言うしかなかった。
「ふふん。言質とったからね」
いつのまにか持っていたボイスレコーダーを見せびらかしてくる。
1824/05/06(月)01:09:58No.1186095547+
また彼女に乗せられてる気がする。
でも、ブルーがそれで喜ぶなら。
何度でもそうなっていいのかもしれない。
そう思って、改めてブルーの手を握る。
ブルーからも握り返された。
1924/05/06(月)01:11:34No.1186096058そうだねx1
以上です
閲覧ありがとうございました
2024/05/06(月)01:14:54No.1186097093+
今回はちょっと短めになりました
前回前々回の続きにしようかなと思ってはいたけどそこまで続けなくてもいいやと思い直して軽めなのに


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