二次元裏@ふたば

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299527 B24/04/23(火)22:20:59No.1181623603そうだねx3 23:40頃消えます
メモ帳画像で立て直してごめんなさぁい!!!あっ!!!
うちの子のSetteiと怪文書が完成したから投げます
…何で子どもが生身でデジモンと戦ってる話を投げてるんだ?

デジモンイモゲンチャー第34話
『決死の思い!オボロモン』

◇設定
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/23(火)22:21:24No.1181623801+
◇あらすじ
嶽とグレイドモンへと進化したコテモンは二人の手で放ったクロスブレードによってイーバモンを撃破することに成功した。しかし今際の際に放たれたプラネットデストロイヤーから、コテモンは嶽を庇って直撃を受けて死んでしまう。そして死んだコテモンは、何故戦うのか、何の為に戦うのかを忘れ、オボロモンと化してしまった。嶽は自身を助けてくれたコテモンの為、そして自身の油断が招いた悲劇に決着をつけるべく、グレイダルファーの片割れを手にオボロモンへと挑もうとしていた……。
224/04/23(火)22:21:38No.1181623899+
手にバンテージを巻いた嶽は立ち上がり、ズボンの土埃を払った。その手にはコテモンの形見であるグレイダルファーの片割れがあった。
「本当にやる気?」
ホタルは尋ねた。嶽は完全体であるグレイドモンと並び立てば究極体であるイーバモンを撃破することも出来る腕があるとは言え、一度死んでデジモンと化した彼女と違って、正真正銘ただの人間である。
「ああ。俺が油断したから、コテモンは死ぬことになった。俺が失敗したから、コテモンは戦う意味を忘れて、オボロモンとして彷徨ってるんだ。──俺が決着をつけなきゃ、アイツは何にもなれない」
「嶽……」
ホタルは口をつぐむしか出来なかった。嶽が親の為に自由に生きられなかったことも、コテモンや自分と歩む武者修行の旅路の中で自ら選択すること、そしてそれによって発生する責任に自ら対応することを学んでいったのも、共に歩んで来たからこそ知っていた。そして大切なものを喪う恐怖についても、娘を喪い狂気に陥った父のことを思えば、想像に難くなかった。
324/04/23(火)22:21:52No.1181623994+
広大に広がる墓地を、オボロモンは彷徨っていた。強くあらねばならないと心の内が叫んでいるのを感じていた。だが、何故?何の為?その疑問に答えられないまま、ただ渇望感だけが洞となった胸中に満ちる。
「よぉ」
少年の声が響いた。齢は十を超えるか否かといった所か。だが、刀を手にしている、子どもが玩具を以て遊んでいるのとは違う。
その曇り無き瞳が、隙を一切見せぬ気配が、悲喜こもごもの感情を殺意で束ねた心が、彼が真の剣客であると知らせる。そして己が求めていた強者であるとも。
そうだ、我は強者を求めていた。高みを目指す為に、夢を伴って。少年と共に──少年、微かに残った記憶の中で見た少年に彼は酷似している。
「貴様ハ、我ノ戦ウ理由足リ得ルカ」
「どうだろうな、油断してパートナーを死なせるような奴は雑魚の類だろう」
言っている内容に反して、その口ぶりは自信と決意に満ちていた。──決意、彼を剣客足らしめるもの。
彼を前にすると、己が内の飢餓が満たされるのを感じる。
424/04/23(火)22:22:09No.1181624120+
「──剣ヲ構エヨ」
オボロモンがそう言うや否や、「羅焼門」の声と共に周囲が青白い炎に包まれた。逃がさない為ではなく、今から行われる死合いに邪魔者が入らないように。
一般的なオボロモンは勝つ為であれば手段を択ばぬ狂戦士であるが、少なくとも彼は違った……正々堂々と戦い、そしてその上で絶対たる勝利を得ることを目的としていた。
嶽がグレイダルファーを正眼に構えると、オボロモンも左手の頭蓋骨から刀を伸ばした。始めの合図も何も無く、寂寥の中で死合いは始まった。
羅焼門の炎が無くとも、その間に近づく者はいなかっただろう。二人の殺気は墓場中に満ちており、嶽の安否を確かめるべく跡を追っていたホタルのその足を躊躇わせた。
死無くば生無く、その殺意故にオボロモンは生を、そして目の前の強者を感じていた。
時間にして10秒、しかし永遠にも感じられる立ち合いの中、先に動いたのは嶽だった。
踏み込みと共にグレイダルファーを振り上げ一閃、オボロモンの手にした刀を砕くや否や──瞬時に生え変わるや否や首元を穿たんとする切っ先を、身を翻して避けた。
524/04/23(火)22:22:22No.1181624231+
その回転と共に再び、逆袈裟に一閃。しかし、その一撃は刀で受け流される。
その隙に、オボロモンが攻勢に転じた。嶽は振り下ろされた刀を受け止めるも、その衝撃に耐えきれず右手首から嫌な音がして、あらぬ方向に曲がる。
「千万ノ太刀ッ!」
嶽は激痛にのたうち回る隙も無く、再び振り下ろされた刀を今度は半歩引いて避ける。──受け止めずに正解だった、刀から放たれた衝撃波が土に、そしてその先に並ぶ墓標に疵をつけていた。
「幽玄!」
態勢を崩した嶽の右腕にオボロモンのスカーフが伸びた。と同時に手首の関節を締め上げ、再び折れるような激痛を味わわせる。
痛みから嶽は叫んだが、スカーフが緩むと同時に痛みは微かに引いた。手首が元の向きに戻っていた。
「何を──」
「不完全ナ貴様ヲ斬リ捨テテモ我ノ為ニナラヌ。万全ノ状態ニテ我ガ剣技ヲ喰ラワセ、ソシテ殺ス」
624/04/23(火)22:22:39No.1181624374+
言うや否や、オボロモンはスカーフを手元に戻し、刀を振り上げた。
「千万ノ太刀──乱ッ!」
オボロモンの掛け声と共に刀が無数に翻り、その度に斬撃が飛び交う。嶽は彼の背後を取るように身体を滑り込ませ九死に一生を得たが、彼の居た場所はその衝撃波から無惨にえぐり返されていた。
「避ケルナラバ今一度喰ラワセルマデ」
再びオボロモンが構える。一撃ですら喰らえば死んでしまうだろう、だが逃げ続けても勝ち目は無い。
『逃げるばかりじゃ嫌だ、ボクは強くなりたいんだ。色んな所に危ない奴が居るせいで、強くならないと好きな道を選べないから』
嶽は不意にコテモンの言葉を思い出した。
そうだ、逃げたり諦めたりなんざすれば自分の道も、明日も選べない。
欲望の紋章が赤紫色に灯る。その光は嶽自身とオボロモンを照らし、そして嶽の手にしたグレイダルファーにその紋章を刻んだ。
724/04/23(火)22:22:54No.1181624501+
思い描ける明日が欲しい。大切なものを二度と喪いたくない。
嶽の胸の奥、魂に火が宿るのを感じる。明日を望み昨日の後悔を断つ強い欲望を感じる。
「……ケリ、つけようか」
「……上等ダ──千万ノ太刀ッ!」
オボロモンが掛け声と共に刀を振り下ろそうとするが、それをグレイダルファーが刀身の腹を打ち払い、砕く。
砕かれ再び伸びたオボロモンの刀は嶽の心臓を穿とうとするが、嶽は逃げもせず、差し違えるようにオボロモンの左目を穿った。
「ホウ……我ノ、負ケカ」
「ああ……俺の、勝ちだ」
嶽はそう言うや否や、口から血を吐き、膝から崩れ落ちた。
824/04/23(火)22:23:08No.1181624606+
オボロモンもまた、力が失われていくのを、己に再び訪れんとする死を感じていた。……そう、『再び』。
彼らを取り巻く羅焼門の青白い火が消えていく。同時にその場に張りつめた殺気も消えていく。消えていく──。
それが、オボロモンを焦燥に駆り立てた。もう一度大切な何かが失われる、それはオボロモンにとって耐え切れない程の苦痛に満ちていた。
「……羅焼門!」
心臓を穿った刀を引き抜くや否や、オボロモンから放たれた火がその傷を焼き、止血した。だが、嶽の顔色は青白くなっていく。止められない。
一方、殺気が止み、足の震えが止まったホタルは、嶽の身を案じて駆け出していた。
924/04/23(火)22:23:21No.1181624717+
そして彼女が見たのは倒れている嶽、そして立っているオボロモン。
「オボロモン!」
ホタルが殺気を向けるも、オボロモンからは悲しみの念だけが返ってくる。
「止血ハシタ、ダガ彼ノ命ガ戻ラヌ。助ケテ、ホシイ……我ハ、嶽ヲ喪イタクナイ」
「……まさか、コテモンの意識が!? じゃなくて、嶽が死ぬ!?嘘でしょ!?」
「イヤダ、イヤダ、ボクノセイデ、嶽ガ死ヌ……」
「ちょっとどいてなさいよ!」
泣き止まないオボロモンをどかして、ホタルは嶽の胸部に電撃を2、3度流した。その度に嶽の身体は痙攣し、微かに血のめぐりは見せたが、呼吸は止まったままだった。
1024/04/23(火)22:23:36No.1181624865+
「ふざけないでよ…命懸けで助けられたからって、その命を無駄にしたら意味ないじゃない!!」
ホタルは叫びながら、電撃を嶽の心臓に打ち込む。しかし嶽の身体からは少しずつ熱が失われるばかりであった。
「何で勝手に死ぬの!?何で助けられた命をこんな風に使うの!?何でアタシにアンタを助ける力が無いの……?」
ホタルの悲痛な叫びが弱まっていく。腕の中で、命が失われていくのを感じる。
助けたい、死んで欲しくない、生きていて欲しい、ずっと隣に居て欲しい。
ささやかな、しかし確かな欲望がホタルの胸中に広がると同時に、『EVOLUTION_』の文字が脳裏を駆けた──。
1124/04/23(火)22:23:51No.1181625001+
『テスラジェリーモン進化──!』
ホタルの身体が光に包まれる。
纏う衣が、稲妻が肥大化する。
そして──命を助ける為の力が湧いてくる!
『テティスモン!』
それは本来のテティスモンより桜色に近い体色、胸の薄さ、水月蛍としての容姿を……そして何より、嶽を助ける為の力の使い方を手にしていた。
「これで治れッ!ドクテアーゼッ!!」
ホタルから伸びた触手が患部を穿ち、溢れた余分な血を吸いだしながらも治療薬を流し込み始めた。
それから数秒、ごふっ、と嶽が血を吐いた。だがその様子に反して、顔色に赤みが戻っていき、穏やかな呼吸を取り戻していく。
1224/04/23(火)22:24:23No.1181625235+
「嶽…助カッタ…?」
「生きてる…助けられた…!」
周囲は嶽から溢れた血でグロテスクな惨状にはなっていたが、確かに皆生きていた。
それと同時に張りつめた緊張感が途切れたせいか、オボロモンとホタルは嶽の横に倒れ込んだ。
二人は光に包まれ、コテモンとテスラジェリーモンに戻った。
「生きてる…生きてるんだ、ボクも、嶽も……」
「そーよ、アタシのおかげで助かったのよ……」
「……ごめんね、嶽も、ホタルも、ボクのせいで──」
「あーもう、何で二人ともそんな同じようなこと言うかなホント。自分のせい自分のせいって、それで無茶して死んじゃったら意味ないじゃない。誰が心配すると思ってんの」
「……あはは、ごめんね。でも、そうだよね、ボクと嶽だけじゃないもんね」
「そーよ、アタシ以外にもアンタは許嫁だっているんだから。全く、嶽にもちゃんと言い聞かせときなさい、よね……ふぁ、あ……」
「……あぁ、ボクもちょっと眠いかも……」
そして3人は墓場で穏やかな眠りについた。死人とは違う、明日を待つ生者の為の穏やかな眠りに。
                   つづく
1324/04/23(火)22:26:21No.1181626055+
sが抜けてたりしてごめんなさぁい!!!
あとホタルちゃん(テスラジェリーモン→テティスモン)は元人間が死んでデジモンに転生しただけで嶽君のパートナーではありませんなのでデジヴァイス無しに自力で進化したりします
1424/04/23(火)22:31:37No.1181628237+
あらすじで究極体倒してる…
1524/04/23(火)22:36:15No.1181630101+
あと今気づいたけどSetteiに何持ってるかとか記載してないね…
嶽は欲望の暗黒デジヴァイスと34話以降はグレイダルファーの片割れを持ってます
1624/04/23(火)23:10:47No.1181643442+
すみませんこんな真面目な話投げてもらっておいてなんですがSetteiにあったホタルちゃんが組技しちゃう話についてもう少し詳しく…
1724/04/23(火)23:11:52No.1181643857+
書き込みをした人によって削除されました
1824/04/23(火)23:14:35No.1181644861+
テティスモンの癒やしの力の安心感よ
1924/04/23(火)23:14:50No.1181644949+
>すみませんこんな真面目な話投げてもらっておいてなんですがSetteiにあったホタルちゃんが組技しちゃう話についてもう少し詳しく…
しても良いのかい!?小学生ながらコテモンとの剣道で鍛えられたちょっと筋肉質なショタに身体をこすりつけたことで興奮して刺激と快楽を求めるあまり性に目覚めちゃうホタルちゃんの話しても良いのかい!?
…いやまぁ怪文書まだ書いてないからあまり語れないんですが
2024/04/23(火)23:17:25No.1181645876+
>テティスモンの癒やしの力の安心感よ
正直これが無かったら没になる話でしたね…
2124/04/23(火)23:19:39No.1181646639+
オボロモン調べたけどおどろおどろしくていいな…
2224/04/23(火)23:27:31No.1181649290+
パートナーの暴走を止める展開はシンプルに熱いものだ…
2324/04/23(火)23:27:37No.1181649333+
オボロモン良いよね…
2424/04/23(火)23:40:02No.1181653464+
>パートナーの暴走を止める展開はシンプルに熱いものだ…
好きなんだけど純粋にやると太一とスカルグレイモンの話を超えられないなって思いもあったのでこうなりました
あと好きな要素大量に詰め込んだ


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