神浜市に存在するミナギーランド。 そこで特別なデュエルイベントが行われ、参加者全員に特別なレアカードがプレゼントされるらしい。 その話に喰い付いた千束の誘いにより、神浜市まで遠出してイベントに参加しようとした遊矢達一行だったが……。 「うわぁ……スゴい人の集まり。たきなさん、大丈夫?」 「はい。わたしは何とか……ですが、千束達と離されてしまったみたいです」 大量の人混みに流されいつの間にか千束達とはぐれてしまった様だ。 連絡を取ろうにもこの人混みの中ではとても連絡が取れる状況ではない。休憩スペース等に移動出来ればそれがいいのだが、あいにくそこは今自分達がいる地点からは遠い場所に存在するため移動するだけでも一苦労だ。 どうすればいいか遊矢が思案していると、突然柔らかい感触が彼の掌へと伝わる。 「え……えぇっ!?」 視線を向けると、たきなの掌と自分の掌がぴったりとくっついていた。 いきなりの事に混乱する遊矢とは対照的に、たきなは冷静なまま言葉を続ける。 「下手に移動してわたし達まではぐれては元も子もありません。先に二人だけで会場に向かいましょう」   「え……で、でも……」 「目的地は一緒ですから進んでいけば合流出来るハズです」  そう告げるたきなは、さらに指と指を絡める様にガッシリと強く遊矢の手を握り込んでくる。 「いや、ちょ、たきなさん!?」 「大丈夫です遊矢君。わたしがしっかりついてますから」 遊矢を安心させる様に、彼女は微笑む。 それを見た遊矢はどこか落ち着かない気分になりながらも、二人は会場へと向かってゆく。 その後─── 無事に千束達と合流出来た遊矢とたきなの二人だが、恋人繋ぎをする彼らの姿を見た少女達により一悶着あったがそれはまた別の話……。