二次元裏@ふたば

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708290 B24/04/16(火)00:10:21No.1178800361そうだねx1 02:13頃消えます
前々から絡みが見たいと思ってたので書きました
拙文ですがよろしくお願いします
お借りしたキャラ
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/16(火)00:10:54No.1178800579+
「モノクロモン!体当たり!!」
「おおおおりぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
轟音と共に、目の前の岩山にヒビが入る。
モノクロモンの突進がつけたものだが、あの人たちには程遠い。
烏丸琥白は見てみたかったのだ。相棒がどれほど強くなれるのか。
そして不安にもなっていた。自分が相棒を強くできるのか。
224/04/16(火)00:11:26No.1178800809+
琥白は元々物怖じしない性格だったが、デジタルワールドに転移してからはそうはいかない。善意で着いてきて守ってくれるモノクロモンや、合流できた他の仲間たちのおかげで無事でいられるようなものだ。
敵と遭遇した時に自分たちも仲間たちと共に戦う。だがしかし成熟期の相手でも苦戦してしまうのが現実だった。年に似合わず聡い彼女としては、そうなると否応にも意識してしまうのだ。
────トリケラモン。そしてそのテイマーでもある仲間の1人、三上竜馬を。
324/04/16(火)00:11:48No.1178800930+
同じ角竜デジモン使いでありながら、竜馬は仲間達の先陣を切って敵と戦い、倒している。少し前はヤシャモンやシンドゥーラモン(ただのニワトリにしか見えない)に負けスランプに陥っていたが、それすらも自力で脱出した男たちだった。
成熟期と完全体にはそれほど差があるのか。
モノクロモンとは違い目立った飛び道具などを持っていないトリケラモンでどうしてあそこまで戦えるのか。
先刻のパロットモンとの戦いのようなことを、琥白は同じようにできる自信は全くなかった。
424/04/16(火)00:12:13No.1178801074+
だからこうして、仲間たちに隠れて秘密の特訓をしている。
最初は単純な好奇心だった。相棒と共にあんなふうに強くなれるなら、どれほど心強く嬉しいだろうか。
しかし特訓を続けていても、一向にモノクロモンが強くなった気がしない。むしろむやみやたらと暴れさせ、傷つけているだけではないのか。
頭の回転が速い彼女は、いつしか好奇心が不安に変わっていくのを感じた。
モノクロモンを強くできるだろうか。自分がパートナーであることはモノクロモンにとって良くないことではないのか。
ほのかな自信が、揺らぎ始めていた。
524/04/16(火)00:12:52No.1178801308+
「ごめんね…モノクロモン。痛くなかった?」
「平気平気!俺は頑丈だからね。琥白が気にすることはないぜ。」
「そうなの…かな…」
「どうしたんだ?何だかわからんが元気だせ。ここまでやってこれたんだぞ?きっと大丈夫さ。」
相棒に気遣われ励まされる今の状況は、琥白の幼い心にとっては逆に責苦にも感じられた。
どうすればいけない?どうすればいい?
モノクロモンのためになることは…
考えが堂々巡りになる。まだ幼い彼女は割り切るということを知らず、思索に耽ってドツボにハマってしまった。
だから、不意に後ろから聞こえた足音に気づかなかったのだ。

件の三上竜馬と、トリケラモンが現れたことに琥白が気付いたのは、それからしばらくしてだった。
624/04/16(火)00:13:21No.1178801484+
少し離れた平地で、トリケラモンとモノクロモンが岩をボール代わりに遊んでいる。角竜同士気が合うのだろうか。
しばらく緊急事態はなく皆リラックスしていたため、こうして琥白は抜け出して特訓に励んでいたのだが、竜馬も竜馬で時間を持て余していたらしい。
「…どうしてわかったの?」
「…ここから拠点はそう遠くない。あれほど突進してれば俺以外にもいずれ気づかれる。」
「そか…。」
「…。」
向こうは知らないが、琥白は別に竜馬のことは嫌いではない。この口数の少なさも、特に干渉してくるわけでもない距離感を表しているようで割と居心地も良かった。
2人で並んで座り、お互いのパートナーが遊ぶ姿を見ながら、のどかな時間が流れている。
724/04/16(火)00:13:46No.1178801642+
口火を切ったのは琥白だった。
「どうしたら竜馬さんみたいになれるの?」
「…?」
キョトンと(付き合いが浅い人からはとても変化したように見えないがとにかくそうらしい)した表情を浮かべる竜馬に、琥白は物怖じせず続ける。
「竜馬さんのトリケラモン、昔は私たちと同じモノクロモンだったって聞いたよ。今のトリケラモンの強さは、きっとたくさん努力してきたんだよね。私も同じくらい強くなりたい。もっとモノクロモンを強くして、それで…」
「…それで?」
「…みんなの役に…立ちたい。」
「…。」
会話が途切れたのは、竜馬が口下手だったのもあったが、琥白の口をついて出た言葉に彼女自身面食らったからだ。
役に立ちたい。裏を返せば今はそれほど役に立てていないということになる。それは戦闘という意味であろうか。モノクロモンを戦闘の駒のように扱っていないか?自分は本当はどう考えているのか?
ぐるぐると考えが巡り、混乱してきた彼女の思考を引き戻したのは、意外にも竜馬の方からだった。
824/04/16(火)00:14:11No.1178801782+
「いくつかある。まず、もう役に立ってる。」
「私が?でも…」
「でもじゃない。その場にいるだけで救われるものもある。」
即答だった。静かな、しかし力強い言葉に気圧され、琥白は何も言えなくなった。竜馬はぽつぽつと、しかししっかりと歩むように、言葉を紡ぐ。
「俺と君が違うように、モノクロモンとトリケラモンも違う。俺たちと同じことをして、同じようにトリケラモンに進化するわけじゃない。デジモンはそういう生き物。」
竜馬がここまで喋る姿を、これまで琥白は見たことがなかった。隣にいて何となく気が楽な相手。それだけしか思っていなかった相手から投げかけられる言葉は、彼女の胸に静かに染み入っていった。
924/04/16(火)00:14:45No.1178802006+
「焦るな。モノクロモンにはモノクロモンのペースがある。君にも君のペースがある。焦った先に碌なことがないと、俺は嫌というほど知ってる。」
言葉の一つ一つが、琥白とモノクロモンを気遣うものであるとすぐに察した。
辿々しくも、黙々と紡がれる竜馬の言葉を聞くうち、胸の中につかえていた何かが、解きほぐされる気がした。
「…私、このままでもいいのかな。」
「いい。」
いつもの表情で言う竜馬は、何の感慨もないように見えた。冷たい言い方のように見えたが、それが彼なりに考えた優しさと気遣いであると、賢い彼女は察することができた。
「ありがと。」
「別に。」
言葉通り琥白はありがたく思った。このぶっきらぼうさだけはちょっと空気読んで欲しいとは思ったけど。
1024/04/16(火)00:15:16No.1178802224+
言うだけ言って気が済んだのか、竜馬は立ち上がった。トリケラモンを呼びつけて仲間たちの元に戻るのか。自分はどうしようか。特訓を続けるかどうか。また思考の堂々巡りが始まりそうなところに、竜馬の言葉がまた入り込んできた。
「あと。ツノは刺して貫くだけじゃない。」
それだけ言うと、不器用なお兄さんはそのままトリケラモンを伴って去って行ってしまった。
遊び相手がいなくなったモノクロモンが、ノソノソとこちらに寄ってくる。
心配してくれているのだろうが、俯く琥白は、落ち込んではいなかった。
むしろ逆だ。メラメラとやる気に燃えていた。
「…!やるよモノクロモン!みんなを驚かせちゃおう!」
「おう!その意気だぜ琥白!」

幼いコンビの新必殺技が編み出されるまで、もう少し。
1124/04/16(火)00:16:14No.1178802594そうだねx4
以上です
不器用お兄さんとしっかり者な女の子の角竜コンビ良いよねという話
あとモノクロモンとトリケラモンはキャッチボールをしていました
かわいいですよね

最後にキャラお借りしてごめんなさぁい!!!!!!!
1224/04/16(火)00:19:03No.1178803675+
いい…
1324/04/16(火)00:19:54No.1178804026+
角竜コンビはなんかほのぼのしてて良いな…
1424/04/16(火)00:20:16No.1178804146+
本当に竜馬は四部承太郎だな…
1524/04/16(火)00:20:56No.1178804370+
めっちゃ読みやすい
1624/04/16(火)00:23:18No.1178805267+
クロウ司の王道おにロリも良かったがこっちもなかなか…
1724/04/16(火)00:32:11No.1178808531+
むっ
恐竜コンビいいねえ…可愛い
1824/04/16(火)00:34:50No.1178809407+
年下の子に対して面倒見いいよね竜馬


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