二次元裏@ふたば

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225901 B24/04/15(月)09:03:44No.1178532352そうだねx5 11:54頃消えます
オイ……なんで……ャャャの料理がデジモン化している……?
衝動的に名前を呼んではいけないあの人の怪文書を書きました。
txtで貼ると文字化けする環境があるのでレスで投稿します。
月曜深夜っつーか早朝に立てたら当然のごとくレスが付かなかったので再スレ立てです。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/15(月)09:03:57No.1178532382+
「オレ様の名は超力招来担々麺(チャオリーザォライ・ダヌダヌモン)!!!!」
「なんだぁ……? ずいぶん懐かしい料理名を聞いたじゃねえか……!!!!」
「あわわわわわ」
みなさんこんにちは。
チョ・ハッカイモンです。
えらいことになってしまいました。
「テメエは料理人だな!? オレ様と勝負しろ!! カカカ!!!!」
「カカカカーッ!!!! 言われるまでもねえ!!!! そっちが言わないならこっちから喧嘩売ってたトコだぜ!!!!」
料理長っぽい人が二人に増えてしまいました。
あ、人じゃなくデジモンか。
224/04/15(月)09:04:12No.1178532425+
話は少し前に遡ります。
最近“麺類”のデジモンが増えている、というウワサ話を聞いたところからでした。
「ふーん……。麺(ミェン)か」
「ねえ料理長、みえんって何なの?」
「あ? まあ平たく言やあ小麦粉を練って薄く伸ばした食いモンだな」
「食べ物なんだ」
「あぁ。どうも最近パスタだの拉麺だののデジタルモンスターが増えてるみてえで、そいつらがその姿をしてるそうだ」
「へぇ〜」
324/04/15(月)09:04:28No.1178532471+
「だが、中国では麺(ミェン)とは小麦粉を練った食品全般を指す。つまり薄く伸ばす……糸やコードのような形状をしていなくても麺(ミェン)なんだ」
「そうなの?」
「手こねで猫の耳のような形にする“猫耳麺”。専用の刃物で切り落とす“刀削麺”。ソバガキのような固形物だって小麦粉を使ってりゃ広義では麺(ミェン)と言われるぜ」
「ちょっと専門用語が多すぎてわからないけど……」
「ケッ、オメエには教えることが多すぎるな」
「ふぇ〜」
なんて。
他愛のない雑談をしながら、ウワサの麺類デジモンを探していた途端に。
彼は現れたのです。
424/04/15(月)09:04:45No.1178532502+
「カカカカ……。今お前ら……麺と言ったな……」
「あ? 誰だ、テメエ」
「オレ様か? オレ様はあらゆる料理人に勝負をもちかけ……そして勝ってきたデジモン!」
「……」
料理長の片眉がピクリと跳ね上がるのが見えました。
そして話は冒頭に戻るのです。
524/04/15(月)09:05:00No.1178532539+
「勝負は麺勝負と行こうぜえ!!!!」
「ったりめえだぁ!!!! テメエがそんな名前を名乗って麺以外の何が作れるってんだァ!?」
「ンだとォ……!? 後悔するぞテメエ!!!!」
「やってみろやーッ!!!! カカカカカカーーーーッ!!!!」
「カカカカカカーーーーッ!!!!」
共鳴してる……。
だんだん怖くなってきました。
624/04/15(月)09:05:15No.1178532576+
「ケッ」
ざり、と地を踏み鳴らす音を立てて料理長が踵を返します。
つかつかとツァオリー……なんだっけ、モンも離れていきます。
これ以上は罵倒合戦はいいということなのでしょう。
実際お互いに無言で料理の支度を始めています。
波乱の予感しかしません。
724/04/15(月)09:05:31No.1178532611+
「おい八戒」
「ハイッ」
来ました。
最近はもう料理の手伝いばっかりしています。
ちなみに、私が料理長を料理長と呼ぶようになったのは、こうして料理の手伝いをさせられてからです。
曰く「オメエは見習い料理人なんだから、オレが料理長だろうが」だそうです。
デジモンとパートナーの関係としてはイビツだと思いますけど、なんとなく気に入っている自分がいます。
それでも料理になるとなんだかんだ無理難題(できる範囲)を押し付けられてくるので戦々恐々です。
「湯(ゆ)、沸かしとけ」
「…………それだけ?」
「それだけだ」
……あれ?
824/04/15(月)09:05:46No.1178532647+
なんだかいつものオーダーと違って簡単な事しか言いません。
何故でしょう。
いつもの口角が裂けるんじゃないかな、という凶悪なまでの笑みもナリを潜めています。
ただゴソゴソと、布に包まれた何かを取り出しているだけです。
それと、金属片みたいなものも持っています。
何が起こるんでしょう。
924/04/15(月)09:06:02No.1178532678+
『出来たぜぇ!!!!』
お互いの料理が完成するのはほぼ同時でした。
二人共、どこから持ってきたのかカートを押して料理を運んでいきます。
相手は自信満々のニヤケづら。
こっちは……。
怖いほどに無表情です。
なにがあったんですかね……。
1024/04/15(月)09:06:17No.1178532727+
「オレ様の料理h『超力招来担々麺(ちょうりきしょうらいたんたんめん)だろ』……!!!!」
「効能は滋養強壮と性欲促進にスタミナ回復。健康なヤツが食ったら鼻血が吹き出るほどの血行促進効果もある」
「なに……!?」
「汁なし担々麺の要である味付けには数種の油とインドのセサミオイルを配合している。そいつが滋養強壮のキメ手だ」
「な…………!!!!」
「乗っかってるデカいトウガラシはカード・チリ。ヨーグルト漬けにして発酵させたのち乾燥させた大型のトウガラシで、辛さは控えめながら風味が極上……」
「で、麺が二色あるのは、片方がゼラチンで固めた“汁”だからだ。両方を啜ることで口の中でゼラチンが溶け出し初めて汁なし担々麺が完成する……、と」
「オマエ、何を言って…………!!!!」
スラスラと、まるで“全て知っているかのように”相手の料理を評する料理長。
その顔はなんの表情も伺えません。
怖っ。
1124/04/15(月)09:06:33No.1178532765+
「ソイツの欠点を教えてやるよ」
「欠点……だとぉ……!?」
「まず、カード・チリの扱いを間違えると、担々麺の重要な要素である“辛味”が不完全になる。客によっちゃ「なにこれいらない」と退かされれば……一発でオシマイだ」
「!!!!」
「次に、通常の麺と汁麺を、客が同じ配分で啜ってくれる保証もねえ。そうしたら、味が極端に薄いか、極端に濃いかで、チグハグの麺料理に成り下がる」
「ウッ、グウウッ……!? テメエ、何故だ!? 何故そんな事を知っている!?」
「何故……? ハン」
1224/04/15(月)09:06:49No.1178532807+
「そいつはオレが考案した料理だからだよ」
1324/04/15(月)09:07:05No.1178532853+
「な…………」
ツァオ……なんとかモンは愕然としています。
自信満々で出した料理が、まさか料理長の手のひらの上だったとは。
シャカモン様の上のゴクウモンです。
1424/04/15(月)09:07:20No.1178532893+
「もうそいつは研究し尽くしてる。食う必要なんてねえ。おい八戒、テメエが食いな」
「え? いいの?」
「あぁ。ついでに感想も聞かせろや」
指名されました。
食べろって言うなら食べるけど。
料理長から食べ方の指南を受けて、ズルズルと啜ります。
「! おいしい! ほどよくピリ辛でごまの風味が心地良い! それに元気が出てくる!」
「だろーな。死人だって走り出すだろうぜ。デジタルモンスターじゃなきゃ興奮で居ても立っても居られないハズだ」
「こんなに美味しいのに……、料理長はダメなの?」
「あァ」
まだ無表情……なにを考えているのやら。
1524/04/15(月)09:07:36No.1178532947+
「オラ」
すると料理長はずい、と。
お椀をなんとかモンに向けて差し出しました。
「な、んだこれは。ただの短い麺じゃねえか!」
「知らねえか。……ククッ、知らねえか」
ここで初めて料理長が笑いました。
いやな予感がする。
1624/04/15(月)09:07:51No.1178532984+
「いいから食えよ。知らねえ味は食って確かめるのが料理人だろ? あ?」
「……チッ! よこしやがれ!」
ひったくったお椀をしげしげと眺めるなんとかモン。
確かにブツ切りの平たい麺にしか見えません。
あ、でも片側だけ分厚いような。
1724/04/15(月)09:08:07No.1178533023+
「ケッ、なんだか知らねえが、オレ様の超力招来担々麺を超えるようなもんじゃ……」
そう言ってお椀をかっこんだ瞬間、重いものが落ちる音がしました。
なんとかモンが膝から崩れ落ちていたのです。
「こ…………こ、れは…………!!!!」
「カカカカ…………カカカカカカカカカカ……!!!!」
「カァーーーーッカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!!!!!!!」
…………あたしが料理長と合って、ここまでの呵々大笑を聞いたのは初めてかもしれません。
1824/04/15(月)09:08:22No.1178533069+
「教えてやるよォ!! そいつは“ただの刀削麺”!!!! ただ小麦粉を練った生地を、ただ専用の刃で切り落とし、ただ茹でただけの、味付けもな〜にもしてねえただの麺だ!!!!」
「これは……これは……!!!!」
「で、ただのそれが……」
「 テメエの料理よりうめえだろ 」
「う、おお……、おおおお……!!!!」
「おおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
平原にはただ、ただなんとかモンの慟哭が響いていました。
……いや、なにこれ?
1924/04/15(月)09:08:38No.1178533107+
「ちょっと料理長? 種明かししてくれない?」
「ククッ、いいだろう」
「何故かは知らねえが、アイツはオレが過去に作った料理をたいそう自慢気にそっくりそのまま出してきやがった」
「それは本当になんで」
「知らねえ」
……なんで?
「だがオレは当時より一歩も二歩も先を行っている。あんなのは過去の錆びついた料理だ。そうだな、今オレがやるなら見た目のパフォーマンスに拘らず、カード・チリは最初から麺に練り込み、そもそも通常の麺と二色に分けず、ほどよい塩梅に汁を練り込んだ麺一色にする……ってとこだな」
「でもそれだと、見た目が地味じゃない?」
「一食即解(くえばわかる)」
「そうだろうけどさぁ……」
2024/04/15(月)09:08:53No.1178533132+
「で、そんな未熟な昔のオレに叩きつけてやったのさ」
「チマチマした小技を使う姑息なマネより、真髄まで極めた技術のほうが上だ・ってな」
真髄まで極めた技術。
料理長が無言でやっていたことは、まさにそれでした。
無心で、片手に小麦粉生地の塊を持って、ただ削る。
削った生地は湯だった鍋に入って茹で上がる。
本当にただそれだけ。
それだけで、なんとかモンは膝をついて慟哭してしまったのです。
2124/04/15(月)09:09:09No.1178533169+
「フン。実力の差ってモンがわかっただろう。もうその料理でナマやんじゃねえぞ」
それだけ言うと片付けをサッサと始めてしまいます。
手伝わないとドヤされるので手伝います。
「う、う……」
なんとかモンはまだ立ち直れないようです。
……なんだかちょっとかわいそう。
2224/04/15(月)09:09:24No.1178533207+
「アバヨ」
片付けを終えたあたし達はそこから去っていくことになりました。
「待ってくれ!!!!」
膝をついたままなんとかモンが声をかけます。
なんだろ。
「あぁん?」
「……ザー……」
「あぁ?」
「You I,m Father!!!!(あなたは私のお父さんです)」
「はぁあああああ!!!?」
……。
なにを いって いるのか。
2324/04/15(月)09:09:39No.1178533245+
「直感で解った! オレ様はアンタから産まれたんだ!!!!」
「なッ、馬ッ……誤解を生むようなこと言うんじゃねえ!!!!」
「産まれたのは誤解じゃなくオレ様なんだ!!!!」
「そういうことを言ってるんじゃねえ!!!!」
「畜生八戒、こいつをなんとかし」
…………。
「いねえ。逃げたな」
「親父ーーッ!!!!」
「そういう風に呼ぶなーーッッ!!!!」

オワリ
2424/04/15(月)09:09:55No.1178533282そうだねx1
このあとどうなったかは……想像にお任せします。
個人的にャャャ君はイモゲンチャーでの料理メンタルヘルス担当なので
R時空よりさらに歳を重ねたと想定して書いています。
ご査収下さい。
2524/04/15(月)09:11:25No.1178533479そうだねx4
>「やってみろやーッ!!!! カカカカカカーーーーッ!!!!」
>「カカカカカカーーーーッ!!!!」
>共鳴してる……。
ここでダメだった
2624/04/15(月)09:12:40No.1178533666+
一児の父になったかャャャ…息子デジモンだけど…
2724/04/15(月)09:13:50No.1178533831+
というかデジモンかも怪しいななんとかモン…
2824/04/15(月)09:15:09No.1178534003+
起承転結がいいなぁ…
2924/04/15(月)09:16:54No.1178534235そうだねx2
なんなんだよチャオリーザァオライダヌダヌモン…
うわあ!本当に描いてる人いる!
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3024/04/15(月)09:16:56No.1178534239+
ャャャさんは料理には真摯だからな…
デジタルワールドで自分の料理がデジモンになったら
そりゃあそうするよね…
3124/04/15(月)09:20:44No.1178534740+
>というかデジモンかも怪しいななんとかモン…
現実の書籍データから産まれたデジモンは結構公式で数がいるので
漫画原作があるデジモンもありだと思います
……漫画原作?
なんの?
3224/04/15(月)09:21:46No.1178534886+
>漫画原作があるデジモンもありだと思います
>……漫画原作?
>なんの?
気を確かに持って…
3324/04/15(月)09:23:39No.1178535134そうだねx4
デジタルデータから生まれるのがデジモンだから真に何かを作り続けオリジナルを追求し続ける人間に対してデジモンは勝てないしだからこそ人間のパートナーを求めるのかもしれない……
料理漫画なのにデジモンの真髄を味わった気すらするぜ
3424/04/15(月)09:24:45No.1178535300+
>「おおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ここのシーンはャャャさんが若い頃にガチ泣きしてたシーンと重なったわ…
3524/04/15(月)09:31:16No.1178536280+
ちなみにャャャ君は描いた「」曰くクロスローダー持ちだそうなので
3624/04/15(月)09:33:41No.1178536621+
へぇ…面白かったジャン…
3724/04/15(月)09:34:41No.1178536766そうだねx5
>ここのシーンはャャャさんが若い頃にガチ泣きしてたシーンと重なったわ…
>……若い頃?
>なんの?
3824/04/15(月)09:37:25No.1178537187そうだねx2
>へぇ…面白かったジャン…
そう言ってくれるとテツやでよナベして書いたかいがありますね
3924/04/15(月)09:41:18No.1178537827+
面白かったけどちゃんと寝なさーい
4024/04/15(月)09:45:57No.1178538508+
やめろやめろ匂わすな!
4124/04/15(月)09:56:30No.1178540286+
いい匂いがしてきた
4224/04/15(月)09:59:37No.1178540779そうだねx3
〜今思いついたオマケ〜
「うわっ、本当に麺だけなのにすごい美味しい!なにこれ!」
「たりめえよ、オレがガキの頃ジジイに教わってから一日も欠かさずやり続けてる技術だぜ」
「なにそれすご……ん? 一日も?」
「あぁ。たった一日やらないだけで鈍っちまう技術だからな」
「それデジタルワールドに来てからも」
「そうだな。小麦粉が手に入るまでは素振りだったが」
「あたしやってるの見たこと無いよ!?」
「テメエが寝こけてからやってんだよ」
「え〜夜食ってこと? よく太らないね……」
「ブッ飛ばすぞオマエ」
オワリ
4324/04/15(月)09:59:56No.1178540827そうだねx4
麺類デジモンが侵食してたところに
料理人がでてきたら
そりゃあ対決になるよな…料理の!!
4424/04/15(月)10:01:26No.1178541048+
>いい匂いがしてきた
担々麺の匂いって割と本気で食欲を唆るよね
4524/04/15(月)10:03:39No.1178541384+
>麺類デジモンが侵食してたところに
>料理人がでてきたら
>そりゃあ対決になるよな…料理の!!
そしてャャャさんにとって料理だけがバトルなんだ
4624/04/15(月)10:08:29No.1178542143+
>デジタルデータから生まれるのがデジモンだから真に何かを作り続けオリジナルを追求し続ける人間に対してデジモンは勝てないしだからこそ人間のパートナーを求めるのかもしれない……
>料理漫画なのにデジモンの真髄を味わった気すらするぜ
つまり麺のコピーであるスパモンに対抗できるのは自らが料理を作れるデジモンになりつつあるチョ・ハッカイモン……!?
4724/04/15(月)10:20:00No.1178543986+
つながっちまったなぁ!!
4824/04/15(月)10:21:10No.1178544188+
格闘料理伝説ビストロレシピ出身のャャャさんになって来たな
4924/04/15(月)10:21:42No.1178544272+
>格闘料理伝説ビストロレシピ出身のャャャさんになって来たな
ャャャさんが作った担々麺がモンスターになったわけじゃないから!!!
5024/04/15(月)10:22:32No.1178544413そうだねx1
多分名前を呼んではいけないあの人はビストロレシピに対しては
「いや料理作ったんなら食えや」と
冷静にバッサリ切ると思います
5124/04/15(月)11:03:13No.1178552154+
ああ、うん
そりゃャャャの刀削麺にゃ勝てねぇよ


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