李 龍(リー・チェン、1954年4月7日-)は、香港のスタントマン、映画俳優。 日本においては『ひぐらしのなく頃に』のチーバン・ウェイ刑事役で知られている。 「ひぐらしのなく頃に奉」 ひぐらしのなく頃に奉はゲーム版、映画版、実写版、漫画版が存在しており、それぞれ細部が異なっている。 その上ゲーム版、アニメ版など媒体が異なるもので最後のシーンの解釈が異なっている。 どれが真実なのかという質問に対し作者は「愛が無ければ見えない」という返事をしているという。※要出典 メインBGMは you-destructive。 https://youtu.be/ZIGWKRH3NMM 以下は映画版の主なあらすじである。 あらすじ 国際インターポール警察の赤坂衛(あかさかまもる)は公安部第7資料室に勤務する捜査官。階級は警部。 昭和53年に起きた建設大臣の孫誘拐事件の捜査のために、ブラックリスト入りしていた鬼ヶ淵死守同盟を調査の目的で雛見沢にやってきた。 その際に古手梨花(ふるでりか)という少女に出会い、未来を促すような警告を受ける。 赤坂はそれを聞いて香港にとんぼ返りをした。そのおかげか、妻である雪絵(シュエフゥェイ)は無事であった。 5年後、赤坂は国際インターポール警察内でそれなりの立場になっていた。 そして「東京」という謎の組織の関連の裏金の流れを捜査している際にリストに載っていた鬼ヶ淵死守同盟と入江診療所の名前を見て梨花の予言を思い出した。 しかし赤坂は当時と異なり立場があり独断ですぐ動ける状態ではなかった。 そこで赤坂は同門の格闘家である香港人の赤坂衛(チーバン・ウェイ)に雛見沢の調査を依頼した。 チーバンと赤坂は、名前の文字が同じだということで意気投合した竹馬の友である。 国際インターポール警察は雛見沢での闇取引と、かつて梨花に聞いた予言の事件を阻止するためチーバン刑事を送り込むのだった。 ※以下本編のネタバレあり 梨花は雛見沢にやってきたチーバンの名刺を見て赤坂衛と同一人物であるという誤解をした。 「なんか…顔違くない?」という意識はあったものの100年のループと脳内での美化のせいだろうと深く考えはしなかった。 実はチーバン自身も5年前に赤坂と共に雛見沢に訪れており、その時に大石や赤坂と共に雛見沢で麻雀をしている。 チーバンと梨花が遭遇したこともあったのだが、梨花自身は全く覚えていない。 チーバンは自身の娘である梨花(リーファ)と梨花が似通っているため梨花のことをよく覚えており娘のように思っている。 チーバンは梨花のことを「リーファ」と呼びその度に梨花は「リーファじゃないわよ!」と返していた。 このやり取りは部活メンバーの中でも流行り、梨花は暫く皆にリーファ呼びをされていた。 ※以下は映画版での一幕 「ミウォン…シウォン…ケンイチ…サトゥコ…レーナ…」 「そうよ!その調子で私の名前もちゃんと呼んでみて!」 「リーファ」 「なんでよ!!!!!!!」 チーバンは「子供はそうやってはしゃいでるのが一番ネ」と笑い、わざと言ってるでしょと梨花に詰められたがはぐらかされた。 チーバンは日本語があまり得意ではなく、謎の集団の襲撃の起きた天使飯店(エンジェルモート)での戦いでは中国語を交えた故事を言うのだが、そのたびに梨花は「なんて?」と聞き返していた。 この戦いの後、チーバンが赤坂と別人であることが分かり、梨花は「チーバンは帰れ!赤坂を返して!」と訴えた。 この「帰れ!」「帰ラナイ!」というやり取りも部活メンバーの中で流行り、梨花はふくれっ面をしていた。 次の竹林での戦いでは何故か竹林にいた熊猫(パンダ)が華麗な拳法を披露し、梨花と部活メンバーを唖然とさせたが、直立歩行して去っていったことでキグルミであったことが発覚した。 戦闘の音のせいでほとんど聞き取れないが、よく聞くと「悪いね」「遅すぎるんだよ」と熊猫が言っているのを聞き取ることが可能である。 ※エンディングのクレジットでは 熊猫 野島健児とされている。 ※この竹林での戦闘は媒体によっては一切存在しない場合がある。 三度目(媒体によっては二度目)の襲撃では明らかに尋常でない様子の者が現れ、チーバンを苦しめる。 かつて香港であった事件と似た症状が起きている事にチーバンが気づき、発勁によって撃退をする。 この者を暴走させた原因は「雛見沢症候群」であり、雛見沢症候群の正体は寄生虫によるものであるという真相に辿り着いた。 チーバンは発勁によって気を送り込んで寄生虫を退治することができたのである。 チーバンの母親は盧溝橋事件時に駐屯地となった村出身で雛見沢出身の兵士経由で謎の病気に感染していた。 避難後に発症した際は妊娠しており母体の死亡時に切開手術でとりあげられた赤子がのちのチーバンである。 そして今までの襲撃は全て「東京」の山狗の刺客であることが明らかになった。 しかしこの襲撃の直後にチーバンは香港に強制送還されてしまう。 これはチーバンの武術を恐れた東京の圧力によるものであった。 数日後、雛見沢症候群の女王感染者と思われる古手梨花を攫うために山狗たちが襲い来る。 送還前にチーバンに武術を教わっていた部活メンバーは発勁で寄生虫を倒し、また各々のスキルを駆使して刺客たちを無力化していった。 映画ではここで回想として修行シーンが挟まれる。 「ワックスをかけるのです」 「ワックスを拭き取るのです」 「ワックスをかけるのです」 「何回やるんだよ!」 「ワックスを十回です」 笑い合う部活メンバー。 「梨花ちゃーん。何だよそれぇ!ノックスの十戒かい?」 「あー、いいこと言いますね魅音。じゃあチーバンはダメダメなのです。ノックスに引っかかるのです。中国人は帰れなのです」 「帰ラナイ!香港はイギリス!ワタシイギリス人ヨ!」 この描写があることでチーバンが皆に受け入れられていたことが分かる。 一方で梨花は部活メンバーとは別の場所に隠れており、皆の帰りを待っていた。 そこにある者が現れる。 「梨花ちゃん…君を助けに来た!」 赤坂衛(あかさかまもる)である。彼はインターポール警察の重役の立場を全て投げ捨てて梨花を助けに来た。 梨花は喜んで赤坂に駆け寄った。しかし、赤坂の様子は尋常ではなかった。 喉を掻きむしり、目は血走っていた。そう、彼は赤坂と梨花の関係を知った鷹野によって感染させられてしまっていたのである。 絶望する梨花。襲いかかる赤坂。 襲いかかる赤坂に、梨花は無意識に拳を握り、伸ばした。 赤坂は吹き飛んだ。寸勁である。 これはかつて日本に訪れた赤坂が、ほんの僅かな滞在期間で戯れに梨花に教えた護身術であった。 梨花はそれがなんであったかすらも忘れていたが、日々その動きを繰り返していた。 百年間。百年間鍛え続けたそれは赤坂を退けるには十分な技であった。 しかし感染した赤坂は止まらなかった。梨花は再び絶望する。 「皮肉なものね。私が頼りにしていた赤坂(あかさか)たちが敵になって…私が避けていた最も歪な赤坂…赤坂(チーバン)だけが残っているなんて今更虫が良すぎるかもしれないけど…お願い赤坂(チーバン)…私を…助けて…………!」 「ヤオーッ!!!!!!!!!」 梨花の絶対絶命の危機にガラスを突き破って突入してくるチーバン。 彼は雛見沢症候群に免疫を持っており、手帳と手錠を叩きつけてチャーター便で即座に戻ってきたのである。 「リーファ!来帮助你了!」 「……なんて?」 赤坂と対峙するチーバン。 「邪魔するなああああ!!もう少しなんだよぉ!!!!!」 「赤坂(あかさか)…悲しいネ」 かつてとは見る影もない程に荒々しく構えを取る赤坂。 「もう少しで梨花ちゃんを助けられるんだああああ!!!!」 悲しみと憐憫と覚悟の背負った顔で静かに構えを取るチーバン。 チーバンは修行時代、一度も赤坂に勝てたことが無かった。その記憶が蘇り血に沈むチーパン。 しかし梨花の「チーバン!」という一声で再びチーバンは立ち上がる。 その顔には最早迷いはなく殺気と悲しみしかない男の顔があった。 「巫山戯るな偽物!」 「偽物違う…ホンモノネ!心が籠っていない拳…チーバンには通用しナイ!」 「はあぁーっ!!!徹甲弾(てっこうだん)!!!!」 「ヤオーッ!!! 徹甲弾(チェ゙ァジャタン)!!!!!!」 交差する二人の拳。しかし吹っ飛んだのは赤坂のほうであった。 「赤坂(チーバン)…僕を倒してくれて…ありがとう…………」 倒された赤坂は我を取り戻していた。そして赤坂は動かなくなった。 「赤坂!赤坂!いやああああ!」 泣き叫ぶ梨花。チーバンは梨花を止めて言った。 「発勁で頭の虫潰したネ。起きたらいつもの赤坂。だから泣かないで」 「……ほんと?ほんとに?」 「勿論ヨ。チーバン嘘つかない。さ、何死にそうな顔してるネ 一緒に皆を助けに行くヨ」 チーバンは梨花と共に入江機関へ向かった。 チーバンは元同門である小此木と出会う。 「おめぇ、……太極拳、少林拳、…そして八極拳、…全て三拍子揃ってるぜ。 ……お前みたいなヤツが俺の役をやるべきなんだよ…。山狗みてぇなクソどもの隊長をな…!」 「子供泣かせて食べるご飯美味しくない。給料いくらカ?お金で足りるカ?」 「なんだと?」 「自分は赤坂(チーバン)…ただのチーバンで十分ヨ!」 チーバンが激闘を繰り広げる最中、梨花は黒幕である鷹野と遭遇する。 鷹野もまた拳法使いであった。 しかしチーバンと赤坂に教えられた事を梨花は完全に思い出していたのである。 「鬼狩柳桜、間違って伝わってしまったね。刀の事じゃないそれを振るう心の事ヨ」 「鬼となった人を   狩るために  柳のようにしなやかで  桜のように美しく  これが極意!柳桜拳!」 追い詰められた鷹野は拳銃を取り出し梨花に発砲する。 しかしその銃弾は当たらなかった。 「間に合った…数え切れない世界で後悔した…いつも気づく時には手遅れだった…」 赤坂衛(あかさかまもる)である。 ※ここで鷹野とのシーンと小此木とのシーンが交互に映る。 「なんだよ…なんでおめえみたいな奴がこんな…」 「なんなのよ…アンタ一体…」 二人の赤坂の口元が映される。 「ワタシが言いたい言葉はただ一つだけヨ」 「僕がずっとずっと一番伝えたかった言葉を言うよ」 「「梨花ちゃん、君を助けに来た!」」 チーバン・ウェイが助け出した赤坂衛は今度こそ古手梨花を救ったのだ。 黒幕が捕らえられ、全ての事件は解決した。 港で赤坂、そしてチーバンと梨花は別れを告げる。 「それじゃあバイバイネ…梨花」 このチーバンとの別れの言葉は字幕で表示されており、 梨花がチーバンに飛びついたところのアップで 「劇終」の文字が表示されて終わる。 このため最後の言葉は「りか」なのか「リーファ」なのかネットで議論が起こっている。 映画版でもエンディングのNGシーン集内でチーバン役のリー・チェンが「りか…リーファ」と言い直すシーンがある事が混乱の原因である。