二次元裏@ふたば

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699956 B24/04/11(木)11:21:06No.1177103065+ 13:15頃消えます
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このキャラをお借りしました
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/11(木)11:21:30No.1177103162そうだねx2
人気すぎるだろスター
224/04/11(木)11:21:59No.1177103273+
"ドラッグ・スター"。彼の名前は今や裏の世界では知らない者はいないほどであり、それはつまり表の世界にも権威が及んでいることを意味していた。
それはどうやら一見すれば彼とは無縁に見えるような、整理の行き届いた小綺麗なとある国のオフィスの一室においても例外ではないようだった。
「金ってのは便利なもんだな。金がありゃ何だって買えるし、偉いさんだってこうやって急なアポイントメントにも応じてくれるようになる」
「…そんなことを言うためだけにわざわざ私の前に顔を見せたのか"ドラッグ・スター"」
「まさか。俺だってあんたほどじゃないが忙しい身だってことは知ってるだろう?」
「薄汚い"ビジネス"でか?」
「その薄汚い"ビジネス"が生んだ金がこの国を支えてるんだぜ、セニョール」
「自惚れるなよ、悪党が」
「おお、怖い、怖い」
彼が話している相手、外国製の高級そうなスーツを着こなしている男は不機嫌そうな態度を隠そうともしない。
324/04/11(木)11:22:31No.1177103396+
「俺にそんな態度を取れるのは今やお前ぐらいだぜ。最近じゃどいつもこいつも俺のご機嫌取りに来るってのに」
「私はお前を…今のお前を認めない」
「やれやれ…せっかく近くまで来たから昔の仲間の顔を見に立ち寄ったってのにずいぶんと嫌われたもんだ。
「お前はもう仲間じゃない」
「今はそうじゃないかもしれねえが、昔はそうだったじゃねえかよ。同じ"選ばれし子供"として」
「………」
「ハハハ!良いよなあ、冒険の思い出ってのは。思い出になっちまえば何だって美しく見える。なあ…」
「ここは禁煙だ」
「昔ならともかく今、俺にお前が命令できるとでも?」
「…禁煙だ」
「はぁ…はいはい。まったく、お堅いのは変わってねえみたいだな」
彼はズボンのポケットからタバコを取り出そうとしていたが、行き場をなくした手をおどけるようにひらひらと振った。
「お前は変わった」
「変わってないさ、何も。この国もな。だから俺が変える」
424/04/11(木)11:23:19No.1177103579+
「金が必要なんだよ、この国には。お前みたいな高級スーツを着たやつとは違って。衣食住にすら事欠くやつらがわんさかといるこの国にはな」
「それがドラッグで稼いだ金だとしてもか?」
「経済学を学びな、先生。金は金さ。綺麗も汚いもない」
そう言うと彼は肩をすくめた。彼の肩の上には何もいなかった。
「…お前、今日は相方はいないのか?」
「やつにだって休暇は必要さ。というのは冗談だとしても少なくともすぐ駆けつけて来れる場所にはいないから安心しな」
「信用できないな」
「それを言うなら旧友と会うのに懐にリボルバーを忍ばせてるやつだって信頼できないぜ」
スーツを着た男は顔を歪めた。その表情はどこか悲痛そうだった。
「気がついていたのか」
「用心深さこそが長生きの秘訣ってな」
その時、オフィスの壁にかかっていた時計が鳴った。
「おっと、時が経つのは早いもんだ。悪いな、さっきも言ったが俺も忙しいんだ。帰らせてもらうぜ」
524/04/11(木)11:23:51No.1177103706+
「待て。まだ用件を聞いてないぞ。猟犬たちに追いかけ回されているお前がわざわざこうして来たのには何か意味があったはずだ」
「さっきも言っただろうが。近くまで来たから顔を見せただけだよ。よっこいせと」
彼はオフィスチェアから立ち上がるとスーツを着た男に背を向けた…彼の普段の用心深さからは考えられないほどの無用心さで。
「今、撃ったら俺をやれると思っただろ?」
「…っ!」
「ハハハ!」
"ドラッグ・スター"は笑った。
「撃ちたきゃ撃てよ。ちゃんと胸を狙うんだぜ。素人は頭を狙うと外すからな」
「……俺は」
「報復なら怖がるな。俺が今日ここに来たことは誰も知らない。…本当さ」
「………」
カチカチカチと時計の秒針が時を刻む音だけがしばし部屋を支配した。
「たぶん俺はそう遠くない日にCIAにだかマフィアにだか知らないが殺される。恨みを買いすぎた。…どこの馬の骨とも知れないやつに殺されたくない。この国の腐った裁判官どもにもな。お前はいつも正しい。だからお前が良い。殺人事件なんてこの国じゃ日常茶飯事なんだぜ?」
624/04/11(木)11:24:08No.1177103777+
「…甘えるな、卑怯者。俺はお前とは違う。暴力には手を染めない」
「はぁ…」
彼はため息を一つついた。
「それがお前の答えか。手厳しいな。…まぁ、そりゃそうか」
"ドラッグ・スター"のものではない微笑が彼の顔に浮かび、そしてまたすぐに消えた。
「…悪かったな。お前はあの頃のままでいてくれ。そうであってくれる限り、俺はあの頃と同じように未来というやつに少しだけ希望が持てる。じゃあな」
彼はテーブルに置かれていたコーヒーに手をつけることもなくオフィスから立ち去っていった。スーツ姿の男は彼を引き留める言葉を何も思いつけなかった。
724/04/11(木)11:25:21No.1177104065そうだねx4
勢いで書いてからデジモンの怪文書かな…デジモンの怪文書かも…ってなったけど許してくれるだろうか許してくれるね
824/04/11(木)11:27:16No.1177104506そうだねx4
>人気すぎるだろスター
選ばれし子供達は所詮先進国の人間なんだ良いよね…
924/04/11(木)11:27:49No.1177104638+
大人たちのメイン敵になってるスター…
1024/04/11(木)11:27:50No.1177104639+
麻薬王人気すぎないか!?
1124/04/11(木)11:28:02No.1177104686そうだねx7
※ご覧の番組はデジタルモンスターです
1224/04/11(木)11:28:31No.1177104799+
イモゲンジャーはやたらと硝煙がけぶるな…
1324/04/11(木)11:28:36No.1177104821+
リボルモンはどこかに逃がしてるんだろうな…
1424/04/11(木)11:28:52No.1177104882+
>大人たちのメイン敵になってるスター…
大事な仲間だったのにね
1524/04/11(木)11:30:05No.1177105143+
>大人たちのメイン敵になってるスター…
でもスターを倒しても貧困は無くならないんだ…
1624/04/11(木)11:35:31No.1177106302+
世界を脅かす悪の親玉を倒しても大人になった子供たちは自分の人生と戦い続けるんだ…
1724/04/11(木)11:40:06No.1177107214そうだねx5
子供の時は気にせず平等に横に並んでたのに大人になって格差や立場でバラバラになってしまう選ばれし子供達…
1824/04/11(木)11:44:30No.1177107959+
>子供の時は気にせず平等に横に並んでたのに大人になって格差や立場でバラバラになってしまう選ばれし子供達…
だから悪になってでものし上がろうとするんだ…
1924/04/11(木)12:04:44No.1177112577+
>>大人たちのメイン敵になってるスター…
>でもスターを倒しても貧困は無くならないんだ…
少なくともスターの金で建てられた学校に通う子供と工場で働く人々とデジモンは不幸になるしな
2024/04/11(木)12:31:57No.1177120654+
ドラッグスターにとっては貧困こそが何よりも許されない悪でありお金を稼ぐことこそが何よりも優先されるべき善だからなろ
2124/04/11(木)12:51:17No.1177126806+
こういう悪党キャラはどんな苦境に立っても最後まで自分の理想は裏切らない悪漢を通せるのか
追い詰められメッキが剥がれ最後は救おうとしたものすら踏みつけ過去の自分が蔑んだ下衆にまで成り下がるか
どういう末路を辿るかワクワクするから大好き


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