成程社会人にとっては当たり前の装備
それがウマ娘の担当トレーナーともなれば
当然携帯しているのは道理であろう
金属製の名刺入れにより跳弾の要領で銃弾を返されたのだ
（…だがッ！）
くわ、と。閉じかけていたトレーナー狩りの目が見開かれる
そしてつけていたイヤホンのボタンを押す。それが合図だった
プランＢは何もアグネスタキオンだけの専売特許ではない
グラウンド、タイキトレーナーの側に潜んでいた男…
ターフと一体化していた男がむくり、と身を起こす
事前の調査から彼が重火器を所持していないのは分かっていた
となればフィジカルだ。ヒトとヒト
それが中央と闇の違いこそあれそこには大きな差は無い
そんな彼の眉間にトス、と突き刺さるものがあった

（名刺…）
「要件があるのでしたらまずそちらの電話番号かメールでご連絡下さい」
放ったトレーナーがそう呟き再びタイキシャトルの方を見やる
成程抜き撃ちだった
銃であれば取り出して、引き金を引くまでに２アクション
だがそれが名刺であればそのまま投擲すれば１アクションで済む
応対の速さでも社会人としての対応でも負けた…と
彼もまた倒れながらも次の作戦の成功を祈った

トレーナー狩り最後の一人は闇のウマ娘だった
先手必勝の勢いのまま彼女は自らのトレーナーの眉間に
名刺が突き刺さるのを目撃していた
だが彼女の勢いは止まらない。出遅れている場合ではなかった
ここまでは想定の内なのだから、躊躇している場合ではない
気配にタイキトレが振り向くのと同時、彼女がターフに額を擦り付ける

「どうか我々と共に来てください！」
加速からの美しい所作での土下座であった
「え、ちょっと君…」
これは予想していなかったのかトレーナーは驚き
そして優しく彼女を助け起こす
「闇は…闇は指導者不足なんです
貴方のような優秀なトレーナーが一人でも多く必要なんです…
短期間で構いません。来てはいただけないでしょうか」
闇の者によって拉致され消息を絶つものの
トレーナー達は短くて三日、長くても一週間程で学園に復帰する
同時期、地方で目覚しく成長するウマ娘が現れるのだが因果関係は不明とされている
タイキトレは一時天を仰ぎ、そして溜息をついた
「残念だが、それはできない」

「俺の担当はタイキシャトルだ
明るくてフロンティアスピリッツを体現した良い子だよ
でもね…あれで彼女は凄く寂しがりやなんだ
君にも分かるだろう？自分の担当が居なくなれば
やはり調子を崩す子も出てくる
だから俺は彼女の側にずっといると決めているんだ
…ま、本当は俺も寂しがりやだから。俺にもタイキがいないとダメだ
すまない。そこの彼を連れて帰ってくれ。命に別状はないから」
申し訳なさそうにそんな事を言われれば闇のウマ娘も引き下がる他無かった
「トレーナーさん」
「……………………あっ」
眉間に名刺の刺さった闇の者を引き摺る彼女は見た
タイキシャトルが妙にじっとりした口調でトレーナーを見ていたのだ
恐らくは彼の今の話を全部聞いていたのだろう

妙な情念を感じさせる瞳
恐らくは彼は…トレーナー狩りを退ける事には成功したが
何か致命的なミスを犯したのは間違いなかった
だが最早彼女には関係ない事だった
（あれ位情熱的じゃないとお互いダメなのかな）
幸い自分のトレーナーも眉間の名刺で未だ気絶している
成程、責任がヒトを、男を強くするかもしれない

「よし」
彼女は何事かを決意し、そしてタイキシャトルがしたのと同じ様に
トレーナーを物陰へと引き摺って行った。

雉も鳴かずば…

光はどこ…？

ちほ…闇の代わりに
タイキファームに拉致されそう

このシリーズはバッドエンドもあるのか……

fuck...

トレーナーSAN…
𝙇𝙚𝙩'𝙨　𝙁𝙪𝙘𝙠

ｵｰﾉｰ

自業自得とはいえ闇のトレーナーさんかわいそ…

この様にトレーナー狩りを冷静に対処し真摯な対応を行った上で
担当ウマ娘の好感度を無闇に上げすぎない手腕が中央のトレーナーには必要となります

>この様にトレーナー狩りを冷静に対処し真摯な対応を行った上で
>担当ウマ娘の好感度を無闇に上げすぎない手腕が中央のトレーナーには必要となります
求められるものが超絶技巧過ぎない？

タイキはロデオ得意だからな…干からびるまで搾られそう

よしじゃないが

闇はさぁ…詰めが甘いよね

どこにバッドエンドがあると言うのだい

>どこにバッドエンドがあると言うのだい
このままではショットガンマリッジでタイキパパがマリッジにショットガンを持参してしまう！

トレーナー狩り(真)が始まっちまう...

その言い方だとちほ…闇の勢力の狩りがお遊びみたいじゃないですか

>どこにバッドエンドがあると言うのだい
スナイパーさんだけ寂しい

物陰で目一杯ハグされたんやな…

闇のスナイパーも物陰に連れ込まれてません？