二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1712581772867.jpg-(217835 B)
217835 B24/04/08(月)22:09:32No.1176345716そうだねx3 23:24頃消えます
調子に乗って名前を呼んではいけないあの人の怪文書を書きました。
txtで貼ると料理名に簡体字を使う関係上文字化けする環境があるので
レスで投稿します。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/04/08(月)22:09:45No.1176345823+
「その出で立ちとパートナーデジモン……。少年とは言えないが、貴様、選ばれし子どもか」
唐突でなんだが。
オレ達は今、痴女に絡まれていた。
「オイ八戒……」
「なに……?」
「アイツ……、お前の知り合いか……?」
「知らない……」
「そうか……」
オレも八戒もげんなりしている。
何故かって、言わなくても解るだろう。
例えば……、夜道で変質者の露出狂に出会ったと思え。
たとえそれが美人でも、ヒくだろ?
そういうことだ。
224/04/08(月)22:10:00No.1176345955+
成り行きはこうだ。
何時ものように食材を求めてほっつき歩いていたら、やけにケガしたデジタルモンスターと、
そいつを心配してオロついてるガキがいたので、軽い手当と医食同源に倣った料理を振る舞ってやった。
多少マシになったので、ある程度の人数で纏まってるガキどもの元に届けてやった。
そしたらその帰り道に、待ち構えてたかのようにこの痴女がいやがった。
……なんなんだ? こいつは。
324/04/08(月)22:10:16No.1176346065+
「おら、どうした。ビビってんのか?」
ある意味当たっている。
ビビるという言葉は、羞恥したり、萎縮したりする状態を意味するからだ。
眼の前に痴女がいたら誰だって恥ずかしいわ、世間体が。
「おう、ビビってるんで、そういう事で」
「さよならお姉さん」
「はいさようなら。……ってコラ、待て!!」
チッ。
ダメか。
424/04/08(月)22:10:32No.1176346174+
「なんですかテメエ、警察呼ぶぞ。居るのか知らねえけど」
「ガードロモンっていう、ガードマンのデジモンなら居るよ?」
「おう、じゃあ、そのガードロモン呼ぶぞテメエ」
「さっきからそのスカモンでも見るような目と声色を辞めろ!!!!」
スカモンってあれか。あの喋る黄色いウンコか。
似たりよったりだな。
「似たりよったりだな」
「言葉に出していうか普通!?」
言葉に出して言わねえと伝わんねえ事もあんだよ。
どこぞの古びた中華料理屋の、新米教育とかな。
どうでもいいが、今頃潰れてんじゃねえか?
524/04/08(月)22:10:47No.1176346287+
「つーわけで単刀直入に言うが、帰ってくれねえか痴女」
「だ、誰が痴女だ!?」
「あたしは違うから、お姉さんだけだよ」
「クッ……、お前も大概露出が多い格好ではないか!!」
「え? そう?」
「キグルミのせいでそうは思えねーな」
「だってさ」
「ぐぬぬぬ……」
コイツ鏡見たことねえのか?
八戒の100倍は痴女だろ。
624/04/08(月)22:11:03No.1176346395+
「ならもう帰んなくていいから、オマエは何がしたいんだよ。オレらに何の用だよ」
「ぐっ、なんだその投げやりが過ぎる態度は……。ま、まぁいい」
「貴様らに求めることはただ一つ」
「────戦いだ」
…………。
……あぁー…………。
724/04/08(月)22:11:19No.1176346522+
「イヤだね」
「右に同じ〜」
「……なに?」
たまに襲いかかってくるデッケークワガタとか、デッケー恐竜とかと同じ手合いだったか、この痴女は。
話が通じる分逆に面倒くさいとは、参ったなこりゃあ。
「純粋にかったりいんだよ。減んだよ、何かが」
「MP(メンタルポイント)とかがね」
「なっ、貴様……! それでも選ばれし子どもか!!」
「だからなんなんだよそのエラバレシってのは。知らねえよ」
「え」
たまに面倒見るガキどもがそう呼ばれてるのを聞いたことがあるが、意味はついぞ知らねえ。
何に選ばれてんだ。
誰が選んでんだ。
そしてコイツは、その選ばれたヤツになんの興味があんだ。
オレはそれらに一切興味がねえんだよ。
824/04/08(月)22:11:34No.1176346666+
「戦わねえから帰れ。じゃなきゃオレらが帰る」
「なん……、きさっ……。…………もう一方的に襲うか? いやしかし抵抗する意思がないなら……。だが……」
なんかボソボソ独り言ボヤいてやがる、ラッキー。
そっぽ向いてボヤきに没頭してるせいで、隙だらけだ。
今のうちに逃げるか。
八戒にアイコンタクトを送ったら頷いたので、なるべく物音を立てないように痴女から逃げ出した。
924/04/08(月)22:11:51No.1176346793+
「はー、なんだったんだろあのデジモン」
「知らねえし知るわけねえだろ。ってか、アイツもデジタルモンスターなのかよ。ほぼほぼ人間だったじゃねえか」
「結構いるよ、そういうタイプ」
「マジか」
無事に痴女から逃げおおせて、しばらく。
開いた平野で軽食を取りながら、先程の異変を振り返っていた。
今日の軽食は『炭烤蘑膜モ萝卜串(茸と人参の炭火串焼き)』。
たまにはオレだって、凝らない料理くらい作る。
現実世界で暮らしてる時も、レトルトパウチやインスタント食品の類なんか、普通に食ってたしな。
「おいひ〜」
「カカカッ、もう一本あるぞ、食え食え!」
「わーい」
それはそれとして、美味そうに食われると与えてしまうのが、料理人という生き物だ。
これは習性なのでしょうがない。
1024/04/08(月)22:12:06No.1176346923+
「オイコラ貴様らァァァァァァ!!!!」
とかなんとか和んでたら、痴女が猛ダッシュでエントリーしてきた。
脚はええなコイツ……。
「ちょっと見ないうちに逃げるとは何たる軟弱な精神だこの野郎!!!!」
「んだよ……。痴女の上、ストーカーでもあるのかよお前……」
「怖ぁ」
「だからその態度を辞めろッッ!!!!」
あぁもうめんどくせえ。
「解った、解った。お前の言う戦いってのをやってやろうじゃあねえか」
「お!」
「ただし……、オレは料理人だ」
「お?」
「料理人の戦いっつったらもちろん……」
「料理は勝負だーっ!!」
「そういう訳だ!! カカカカカーッ!!!! オレと料理対決してもらうぜ!!!!」
1124/04/08(月)22:12:22No.1176347036+
「お、お……おぉ……お?」
困惑してるが知ったこっちゃねえ。
さっきまで困惑させられてたのはこっちだ。
思う存分困惑しやがれ。
「さぁて料理の趣向は悪いがこっちが決めさせてもらうぜ。そうだな……」
ふと見やると、さっきまで食っていた串焼きが目に入る。
丁度いい。
「野菜勝負だ!」
「互いに野菜のみを使って一品料理を作る。それを食い合って、相手のほうが美味いと認めちまった方の負けだ」
「いいな?」
「え? あ? お、え、う。あ、あぁ……? い、いいぞ……?」
合意と見てよろしいですね!
「よォし決まりだ! 八戒! 火ィ焚け!!」
「りょーかい! うおお燃えろあたしー!!」
「…………????」
1224/04/08(月)22:12:38No.1176347153+
「今回作るのは『麻辣炒蔬菜(辛味野菜炒め)』!!」
「カギになる調味料は花椒(ホワジャオ)だぜ!」
「辛味は秘伝のラー油を使う……。ククッ、こいつはキくぜ」
「使用する食材はキャベツ、ネギ、ニンジン、タマネギ、タケノコの五目にするか」
「ネギは薬味目的でないので、太いものを使う。ま、細ネギも薬味に使うけどな」
「食材はそれぞれ短冊切りにして食感を合わせる。野菜は歯ごたえが命だ、噛み合わせが悪いと台無しになっちまう」
「あぁ〜、もうヨダレ出てきた……」
「ガマンしてろ、出来たら食わせてやる」
「さっすが〜! 料理長は話が分かる!」
オレはそりゃあもうテンションが上がって、ウキウキで下ごしらえをしていた。
さて奴さんはどうかと思ってみれば……。
1324/04/08(月)22:12:53No.1176347263+
「切り終えた野菜を油通しして……、ン……?」
「どしたの?」
「オイ、あいつ……」
「なにもしてなくねえか?」
「え? あ、本当だ」
1424/04/08(月)22:13:09No.1176347387+
「(…………)」
「(いや、勝負って言えば勝負なんだろうけど……)」
「(料理………………?)」
「(したこと、ない……!!)」
「(いつも肉しか食べてないし……ヤサイってなんだ……どうすれば……)」
「(と、とりあえず真似するか……?)」
「おう、なんかこっちガン見してるぞ」
「こらー! ズルするなー!」
「うッ」
「(ど、どうすれば……)」
1524/04/08(月)22:13:25No.1176347521+
結果から言おう。
オレは眼の前に出されたゲテモノを一瞥して地べたに捨てた。
食べ物を粗末にするな?
これはもう食いモンじゃねえ。ゴミだ。
ゴミを捨てて何が悪い。
実際にそう吐き捨てたら、痴女は肩を落としてトボトボ去っていった。
妙に哀愁を誘った、まだ絡んでくるようなら、魚の捌き方くらいは教えてやろうと思わされる背中だった。
「う〜ん、この舌がピリピリするのがクセになるなぁ〜」
「カカカカッ、そうだろうそうだろう。おかわりもあるぞ!」
「わぁい!」
結局オレの料理は八戒の胃に収まった。
別にいいんだが、なんだか釈然としない気持ちになった。

オワリ
1624/04/08(月)22:13:40No.1176347638そうだねx3
敗北願望を拗らせてるなら負けさせてやるよ!
ただし勝負方法はこっちが考えるがな!カカカカカーッ!
すいませんでしたベルスターモンさん。
ご査収下さい。
1724/04/08(月)22:19:39No.1176350426+
◯ャ◯さん!
1824/04/08(月)22:21:05No.1176351061+
>◯ャ◯さん!
ャャャ!
彼はャャャです!
1924/04/08(月)22:21:26No.1176351192+
戦いは殴り合いだけではないのだ
2024/04/08(月)22:23:32No.1176352079そうだねx2
今のところ一番怪文書が多いのャャャなのおかしいだろ!
文章はすごく上手っすね!
2124/04/08(月)22:26:48No.1176353431+
>今のところ一番怪文書が多いのャャャなのおかしいだろ!
ごめんね…元ネタが好きだから…
元……ネ……タ?何を言ってるんだ?俺は……?
>文章はすごく上手っすね!
ありがとう!
そう言ってもらえると励みになるぜ!
2224/04/08(月)22:32:38No.1176356138+
解像度高くていいね
2324/04/08(月)22:35:29No.1176357301そうだねx2
>解像度高くていいね
まるで参考資料が40巻ぐらいあるかのようだ
2424/04/08(月)22:39:09No.1176358954+
キャラが強いとシチュエーションをぶつけるだけでお話が出来ちゃう!
2524/04/08(月)22:40:21No.1176359500+
参考資料が多すぎてネタに困らないャャャさんと本人がクセすごすぎて使いやすい竜馬と言わずもがなな平田広明さんが一番怪文書の登場頻度多いの笑う
2624/04/08(月)22:43:07No.1176360800+
※名前を呼んではいけないあの人は何故かデカパイを滅茶苦茶見慣れているので
ベルスターモンに一切動揺していないという設定があったりなかったりします
2724/04/08(月)22:44:08No.1176361240+
Jさん食材は現地調達として調味料はどうやって確保してるんです?
2824/04/08(月)22:44:24No.1176361346そうだねx1
>※名前を呼んではいけないあの人は何故かデカパイを滅茶苦茶見慣れているので
なんでだろうな…40巻分くらいずっと見てきたんだろうな…
2924/04/08(月)22:46:09No.1176361978+
>Jさん食材は現地調達として調味料はどうやって確保してるんです?
最初の怪文書で出会ったメシマズモンの飯屋からいくらかガメてきてます
メシマズモンが持ってたってことは自然にもあるんだろうと足りなくなったら調達してます
3024/04/08(月)22:51:09No.1176363971+
後本当に今思いついた設定だけど
リアルと行き来して食材を販売してる人間がいて
そいつから購入してるとかでもいいなと思ったり
3124/04/08(月)22:53:37No.1176364874+
肉が畑で採れるんだから調味料データくらいそこら辺に転がってても不思議じゃない
3224/04/08(月)22:54:19No.1176365145+
なんなら農家はもう居るしな
3324/04/08(月)22:54:48No.1176365352+
>肉が畑で採れるんだから調味料データくらいそこら辺に転がってても不思議じゃない
「海から塩が取れるのは良い……。自然だからな……。だが何故木に大蒜(ニンニク)が生ってんだよーッ!!」
3424/04/08(月)22:55:44No.1176365692そうだねx1
>なんなら農家はもう居るしな
あいつ最重要インフラ担ってるのがマジでなんなんだよ!


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