二次元裏@ふたば

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138353 B24/03/21(木)00:03:26No.1169678859+ 01:51頃消えます
―――すずめのおかあさんしりませんか?

誰もまともに耳を傾けてくれない

おかあさんもすずめをさがしてて―――

哀れむばかりで、みんな私自身を見て見ぬふりする

―――きっとすごくしんぱいしてるからはやくおかあさんのところにいかなきゃいけないんです

何故なら、自分が辛いから。他人にかまけている場合ではないから。他人を思いやるほど、心に余裕がないから。

だから情けの言葉をかけるのが精一杯。だって、誰も現実を受け入れる事すら。辛すぎるのだから。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/03/21(木)00:03:39No.1169678930+
「すーずめ♪」
毎夜、毎夜優しい声が私の心に響いてくる。胸の芯の部分に暖かく染み込んでいく。
「すーずめ、今日は保育園でなにして遊んだのかな?」
「おえかきした!」
「本当!どれどれ見せてごらん!」
私はそう言って先生が結んでくれた紐を解いて画用紙をいっぱいに広げる。
「すずめとおかーさんと!いすさん!」
そういって拙い絵をお母さんに見せつける自分がいる。
一番大きく描かれるのは誕生日プレゼントの椅子、黄色いお目々がくり抜かれた椅子が目一杯に描かれ
次にお母さん、そして余った隙間に無理やり描かれた私がいる。
「じょうずー!すずめは将来、美術の先生になれるかもよ?」
とお母さんは褒めてくれる
224/03/21(木)00:03:52No.1169678990+
「ほんと?せんせー!なれる?」
「なれるわよ!おえかきいっぱいしないとね、さぁ手を洗って。おやつ食べましょ」
「おやつ!おやつ!」
夜勤明けのおかあさんの目は少し充血していて。
月に一度、たまに焼いてくれるクッキーは少し焦げていて
それでも子供心にはおいしくて、たまらなくて。
でも、そこで夢はおしまい。真っ黒い何かが私を包み込んで飲み込んでいく。
324/03/21(木)00:04:56No.1169679346+
「おかあさんしりませんか!?」
入学するはずだった小学校、姿しか見たこと無い体育館は冷たかった
「おかあさんすずめをさがしていて」
冷たい廊下、お外のテント、歩くている人、手当り次第人に訪ねた。だってお母さんが迷子になったらまずはそこから動かない、次に人に訪ねなさいって
だからせいいっぱい、訪ねた。
けど、誰もまともに相手にしてくれなかった。憐れむばかりで、真摯に向き合う人は誰もいなかった。
大人になった今だから分かったけど、みんな自分自身だけが生きる事に必死で誰かにかまう余裕なんてなかったからだ
たとえ幼子であっても、それに此処にいないというのは多分ここにはいない人だから
424/03/21(木)00:05:42No.1169679581+
環さんと暮らしてた頃は我慢してた、一緒に寝てた頃はよく夜中にオカアサンオカアサンって泣き出してたと聞いた、その話を聞かされたのも随分後の話だ
小学生になって、環さんが私の部屋を作ってくれたから。大丈夫
ううん、やっぱり泣いていた。一人オカアサン…って泣いて。そして我慢してもう一度寝るふりをした
だってここは九州の片田舎、おかあさんは日向灘なんかにいない。私の魂もおかあさんの魂もきっと宮古に置いてきてしまったんだ。まだ岩戸椿芽も安否確認はされていないけど浄土ヶ浜あたりに泳いでるだろうと今でも思う。
そして、一人の褥になれた頃。また、同じ褥を共にする人がやってくる。
多くの人がそうであるように私もまた大切な人に巡り合う事が出来た
524/03/21(木)00:05:59No.1169679692+
―――あの日、満月の光を浴びて電波塔が照らされる夜だったのは覚えてる。

吹雪いていた空は晴れ渡り、冬枯れたセイタカソウの騒騒(さわざわ)とそれ以外聞こえない静かな冬の風景。
月明かりで全てが明るく見える。星がまるで振ってくるかのように全てを照らす。
全ての星が極星のように鮮明に見える。足元だって怖くない!まるで夜なのに不思議な光に包まれるような不思議な空間。
そこにいるのはベールに包まれた女の人。
彼女は私の探していた椅子を手渡して、ただこう言ってくれた
―――あなたは光の中で大人になっていく、必ずそうなるの
―――それはちゃんと決まっていることなの
そう、あれは私自身だったんだ!そう確信できたのは17にもなった、秋の出来事だった。
目まぐるしく明けてゆく夜、明けの明星がまるで星々を追い出すかのように真南に登り、そして西から陽が照らしていく、そんな風景を今でも覚えている
624/03/21(木)00:06:53No.1169679997そうだねx1
「―――それから、おかあさんの夢は見なくなりました…とても悲しいけど、それはきっと善きことなんです」
枕元の草太さんに私はまるで物語でも語ってのように喋り倒した。
「すずめさん…たぶんそれはきっと善き事だよ、夢に現れなくなってもきっとお母さんは喜んでいる、すずめさんが立派に育ってくれて、過去と現代の分別をつけられるようになって、喜んでるに違いないよ」
「ありがとう草太さん」
二人は軽く抱きしめあって夢見心地に入る。
嘘、ちょっと半時程、夜伽を済ませてから眠りにつく。

あの日の満月はたしか2011年3月20日。
後ろ戸を開いた日も満月たしか2023年9月29日
そして今月の満月は3月25日。
5日早い満月を二人は今、噛み締めている。生きている事を十分、立派に元気に生きていることを。
加味しててる。
724/03/21(木)00:09:11No.1169680771+
あいつ
824/03/21(木)00:13:59No.1169682369+
いいよな
924/03/21(木)00:18:34No.1169683838+
>「すーずめ♪」
ダイジンかとおもった
1024/03/21(木)00:23:21No.1169685329+
別れますよ
1124/03/21(木)00:31:50No.1169687817そうだねx1
>別れますよ
🐲💢💢
1224/03/21(木)01:07:15No.1169697878+
上手くいくわけないです笑


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