二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1710084124070.jpg-(1355435 B)
1355435 B24/03/11(月)00:22:04No.1166316195+ 02:21頃消えます
子供の頃。
脱走して間もない日の野宿中に。
ブルーは弟のシルバーと話をしていた。
「ねえさんは、家族と再会できたらどうするんだ?」
「そりゃあ、一緒に住むわ。
こんな生活なんて二度としないように、
綺麗さっぱり過去を乗り越えてからね」
「…そうだな。オレもそうしたい」
焚き木の火に照らされ、2人の笑顔が浮かぶ。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/03/11(月)00:22:18No.1166316285+
それがいつなのか。
遠い道のりなのはわかっている。
辿り着ける保証が無いのも。
だけど、もう戻れない。
せめて今は希望を持って生きよう。
だから、つとめて明るくしようと思った。
「ねえさんも家族に会って、そのうちどこかに嫁に行ったりするのかな」
「お嫁?」
言われてみて、首を傾げた。
224/03/11(月)00:22:53No.1166316498+
「ねえさんだって、いつかは結婚するだろう。
そうなったら、オレは祝福したい」
「いや、気が早いから。
それに、アタシ結婚なんて想像できないわ」
実際そうだった。
自分がまだ結婚などとは考えられない。
普通の家庭にいたのなら、お嫁さんになることを夢見ていたのかもしれない。
でも、今の自分はその家庭すらも持っていない。
スタート時点にすら立っていない自分では、そこに至ることもできない。
324/03/11(月)00:23:13No.1166316603+
「まあ男なんて、簡単に利用できるチョロいものよ。
結婚なんてしなくても、うまくやっていけるから」
「そうなのか…?」
困惑するシルバーの頭を撫でる。
あまり、未来のことは想像できない。
ひょっとしたら、破滅が待っているのかもしれない。
でも、希望は持ちたい。
その希望が、具体性を持つのはまだ先のようだが。
424/03/11(月)00:27:46No.1166318073+
そこから時間が経ち。
大人になった自分。
ブルーは自宅で、両親と朝食をとっていた。
「今日もレッド君の家に行くのかい?」
「うん。今日もお休みだから一緒にいたいなって」
恋人のことを思う。
お互い仕事で会えない時もある。
だからこそ、会える機会は大事にしたい。
「ブルーも、すっかりレッド君に夢中ね」
「えー、そう?」
524/03/11(月)00:32:18No.1166319503+
言ってはみたものの、自分でも頬が緩むのがわかる。
彼のことを思うと、嬉しくなる。
昔は誰かとの交際なんて考える余裕はなかった。
でも、家族を取り戻して。
こうして普通の生活ができるようになって。
一緒にいてくれる相手を欲しがるようになった。
624/03/11(月)00:38:41No.1166321703+
贅沢になったのかもしれない。
昔の夢が叶っても、そこで満足できない。
欲しいものが増えた。
好きな人が出来たのなら、結ばれたくなる。
「ごちそうさま。
それじゃ行ってきます」
「ああ待って。
これレッド君に持って行って」
母から、紙袋を渡される。
「デパートで買ってきたケーキよ。
2人で食べなさい」
「ありがとう、ママ」
724/03/11(月)00:47:06No.1166324354+
母に礼を言って受け取る。
父も笑っている。
両親共に、レッドのことを好意的に見てくれている。
自分が好きな人を、家族にも認めてもらえるのは嬉しい。
「今度こそ行ってきます!」
「気をつけてね」
「レッド君によろしくな」
両親の声を聞きながら、ブルーは部屋を出た。
824/03/11(月)00:52:15No.1166326001+
「お邪魔しまーす」
「おお、いらっしゃい」
レッドの家にあがり、ブルーは買ってきた袋をテーブルに置いた。
「これママから。
一緒にケーキ食べてって」
「ありがたいなぁ。
今度お礼しないと」
そんな話をしつつ、レッドの隣に座る。
すっかりここが定位置となった。
924/03/11(月)01:00:38No.1166328482+
紙袋を開けて、中身を取り出す。
少し値段の高そうな、ケーキが出てくる。
「アタシこのタルトにしよーっと。
レッドはどれにする?」
「うーん、ショートケーキかな」
2人で選んで、食べ始める。
美味しい。
母が勧めただけはある。
タルトのサクサクとした歯応え。
それにクリームの甘味やケーキの柔らかさ。
それらを同時に味わう。
1024/03/11(月)01:07:12No.1166330345+
「レッドも食べる?口移しで食べさせてあげようか?」
「え…」
冗談で言ったつもりのセリフ。
だが、レッドが固まる。
断る気配がない。
緊張したかのように、動かなくなっていた。
「…してほしい?」
自分で提案したことなのに、聞く時には頬が赤くなる。
彼が首を縦に振る。
1124/03/11(月)01:14:15No.1166332015+
レッドが望んでいる。
自分が言い出したことを。
ならば、とブルーは覚悟を決めた。
ケーキを口に含み、彼にキスをする。
唇を開いて、口の中のものを舌で押し出す。
レッドから、それが吸い出された。
ケーキを食べられている最中に、唇を押し付ける。
ごくり、とケーキが彼の喉を通る音がする。
その後、彼からもキスをされる。
1224/03/11(月)01:16:02No.1166332377+
スレッドを立てた人によって削除されました
1時間近く一人で喋ってて虚しくないのか
1324/03/11(月)01:17:40No.1166332742+
「また、してあげようか?」
「うん…」
またケーキを口に含み、口付けする。
何回もしていく。
自分の分だけでなく、レッドのケーキでもそうして食べさせる。
正直ケーキの味なんてもうわからない。
それも、こうしてキスをする理由にしかなっていない。
1424/03/11(月)01:20:43No.1166333422+
スレッドを立てた人によって削除されました
書き上げてからスレ立てろや!
1524/03/11(月)01:26:16No.1166334584+
食べ終わって、息を整える。
互いに、呼吸が荒い。
もう何回したか、覚えてすらいなかった。
「ねえ…」
「うん?」
答えを待たずに、キスをする。
もう、理由なんていらない。
したくて仕方がなかった。
彼からも、同じことをされる。
1624/03/11(月)01:27:58No.1166334963+
「はぁ、はぁ…」
息が上がる。
どちらの呼吸か、わからない。
ただ、夢中で口付けしていた。
1724/03/11(月)01:32:29No.1166335905+
「あのさ、ブルー」
「なに?」
今度こそ本当に終えて。
呼吸を整えた後、レッドに声をかけられる。
「オレ、えっと。
ブルーと、こういうことをすると、その…」
頭をかいた後、レッドが突っ伏す。
「ダメだ…。何言っていいかわからないや」
「どうしたの?急に」
聞いてみるが、レッドは身体を揺らす。
1824/03/11(月)01:35:08No.1166336513+
「ちょっと、プロポーズしようと思ってたんだけど。
何言おうとしたか忘れて…」
「え…」
言われて少し考えて。
言葉の内容を把握すると、ブルーの顔が赤くなった。
「え、その、オレ…。
ごめん。変なタイミングで」
「う、ううん!恥ずかしいけど、アタシ嬉しい…」
1924/03/11(月)01:38:31No.1166337249+
恥ずかしさで、頭がいっぱいになる。
彼からの突然の言葉。
もちろん嬉しいことだ。
だけど予想外すぎて、すぐには飲み込めない。
「えとさ、また、後でやり直すよ。
今度はちゃんとした言葉で」
「…うん」
手を重ねる。
昔、結婚について何か言ってた気がする。
でも、そんなのは今はどうでもいい。
彼に言われて、嬉しさで焦がれているから。
2024/03/11(月)01:38:42No.1166337286+
以上です
閲覧ありがとうございました


1710084124070.jpg