//グラスワンダー×トレ♀(トレ受け) //グラスおにんじん //トレーナーの体型的にはカワカミさんが近いみたいです //おっぱいですね 相談事がある、という一報で目を覚まして着替えていると、部屋の呼び鈴が軽快な電子音を鳴らした。 だらしない格好をした身体をジャージの下に押し込みながら、音の主人たるモニターを覗けば、そこには随分長い付き合いとなった担当ウマ娘のグラスワンダーが、随分暗い表情でカメラを覗いていた。 「すぐに開けるから、待ってて」 「出来れば、早急にお願いします」 二言三言のやり取りからは、声色含め彼女が随分切羽詰まるものを抱えている事が伺えて、幾分跳ねた髪だとか、仕事用のジャージの下が肌着一枚でブラなんぞ着けてないだとか、そういった事はとりあえず棚に上げた方が良さそうだなと思わせる。 年齢に対して大人びた部分の目立つ彼女の、カメラ越しにもわかる暗い表情と、手入れの追いつかぬ栗毛、そして切羽詰まった発言を前にして、駆け出せぬような付き合いではない。 なにより、あまり人を頼らないタイプの彼女がまるきり私に寄りかかって相談をしたいと願い出た事が、彼女の年相応で柔らかな部分を見た気がして、それを確実に受け止めなければと思わせた。 そうして部屋を飛び出して玄関扉を開くと、指定のジャージに身を包んだ栗毛が、俯き加減のままどっと敷居を跨いで玄関に飛び込んで来た。身の高さは大差なく、目線は同じ程度であるからこそ、その目の向く先が正面でない事がより鮮明に伝わる。 居城たる学園敷地内の宿舎、1LDKの角部屋に彼女が来るのもそれなりの回数であるが、こうも急いた様子であるのは初めてだし、窮屈に玄関で立つ姿はどこか落ち着かないものがある。ひとまず扉を閉めて、 「と、とりあえず上がりなよ」 と促すと、相変わらずらしくない様子で靴を乱雑に脱いで、バタバタと廊下を渡っていく。 彼女をそこまで駆り立てる相談事とは果たしてなんなのだろうか、ともやもや考えるが、これは本人に聞くまでは纏まらないだろうと一旦思考を断ち切った。 目の前に転がる、履き潰したスニーカーの踵を揃えると、彼女を追って居間へ赴く。 廊下の先には、既に彼女がちょこんと、身を縮めて座っているのが見えた。 「それで、相談っていうのは」 居間に入りながら彼女に向かってそう問うと、肩を跳ねさせながらこちらを向いた彼女が、動揺を隠さず、口籠った様子を見せる。 その表情はひどく暗いものではなかったが、それにしても彼女らしくはなかったので、心配は膨らむ一方。 言いたくない事を言わせる真似は今までひとつもせずに居たが、相談事と言ったのは彼女。であらば、と思い椅子を引いて座ろうとした時、彼女がすっくと立ち上がる。 「……この事について、相談を、したいんです」 ごくりと唾を飲み込んでからゆっくりと口を開く彼女の視線の先。起伏の少ない少女的なラインの下、腰へ下るその継ぎ目────脚の付け根の間。股座にある不自然な膨らみ。 その様子はまさしく私たちとは反対の、男性のそれであり、ジャージの下で臨戦態勢に入っている状況そのものであると伺わせる。 品のない冗談を飛ばす彼女ではないので、これが事実なのだろう。そう思いながら視線を戻すと、日頃の余裕を一切失った彼女の目が、こちらと合う。 「……いつから?」 「今朝、目覚めた時には既に」 「誰かに言った?」 「エルやスペちゃん達に話すわけにもいかず、トレーナーさんに言ったのが初めてです」 ようやく満足に言葉を交わすと、僅かに調子が向いたのか、詰まった息が抜けたような感覚。 彼女も同じだったのか、幾らか余分に瞬きをした後には、目の光が随分増した。 しかしてその間も、ちらりと見た股座には依然として剛毅なものが主張していて、年頃の、自分と同じ性の子を前にしている今の状況と合わさって非常に異質なものがある。 時折びくりと跳ねる様子すら分かるそのジャージの中は、果たしてどんな情景が広がるのか、興味が湧かない訳ではない。 「何か、自分で調べたりはした?」 「どう調べていいものかも分からず……」 ダメ押しの質問は暖簾に腕押し。少し暗くなった彼女に対して、 「大丈夫だから。私に任せて」 と宥めすかして頭を撫でると、張った肩肘が少し緩むのが見える。 垂れ目がちな彼女の青い瞳が、乞うように、願うように私を見つめる。 「……これが、何かは分かるよね」 「────っ!ぅ゙、ふぅ……」 つう、とジャージ越しの屹立に指を這わすと、首肯した彼女から呻き声が上がる。 確かめるように手指で大きくぐり、ぐに、と大袈裟に触ると、硬さと柔らかさを兼ね備えた弾力のある棒が、ワンアクションごとにびくりと跳ねる。 その様子というのは初心な男の陽物を触れた時のそれであり、女性の間に持つ雰囲気とはハッキリ異なっている。 「直接、見て大丈夫?」 「は、ぃ……今、脱ぎますから」 ともすればセクハラめいた要求に応えた彼女がズボンの履き口に指をかけて、するりとその下衣を脱ぎ捨てると、歳の割には背伸びしたショーツから、陽物が飛び出して主張している。 恥じらいながら立つ彼女の下腹に聳えるそれは、成人男性と比べても大きめで、何よりかなりグロテスクに映る。こんな物を、女の園に投げ出しておくわけにもいかない。 「……何も、わかんないんだっけ」 「不覚にも」 「別に、誰も怒らないから」 険な顔をした彼女を今一度宥めながら、指先で陽物に触れる。 引けた腰と、跳ねた陽物の先を追いながら、雁首の継ぎ目に指を這わせて、手のひらでもって包んでいく。 「今からする事、みんなに言っちゃダメだよ」 「は、ぅ゙」 屹立し通しのそれから一度手を離して、手のひらにだらりと唾を垂らしながらそう語ると、その様子に彼女の視線を集めたのを感じる。 これから起こる色事の想像もいまいち付かない顔を見ながら、唾で濡れた手を下腹に這わすと、小さな悲鳴と共に彼女の腰が引ける。 「逃げないで、痛くしないから」 「ぃ、いや、これ、へ、ン゙っ」 正面から抱くように彼女の腰を支えて、唾を潤滑剤代わりにした手で雁首をゆっくり扱き上げる。 ぬちり、ぬちりと猥雑な音が鳴り響く中、悲鳴とも嬌声ともつかぬ彼女の息が、私を包む。 その息遣いは、落ち着かぬ息を殺すように、耐えるようにして詰めるようにも聞こえて、ふと顔を見遣ると、やはりそれは耐える顔。 そんな彼女に、私は。 「……グラス、我慢比べじゃないよ。雑誌で見たように、気持ちよくならなきゃ」 ティーン向け雑誌というのは概して猥雑で、彼女もその知識が全くない訳ではない、と踏んで囁くと、浅く息を吐いた彼女の顔が緩むのが分かる。 「……気持ちよくなってきた?」 その問いに対し彼女は、黙って首肯で返す。しかし、その奥にある息遣いと、支えずとも突き出した腰もまた、その解を朗々と語っている。 何より、鈴口から涎を垂らして潤滑を増す姿が彼女の身体に起きる事をありありと物語っていて、それに対して私はただ、手指で彼女の快楽を引き出そうと雁首を、ひいては竿全体を撫でて、扱き上げる。 「……っ、く、んん、んっ♡」 「うん、うん……そのまま、一回気持ち良くなったら、楽になるからね」 じわじわと熱と膨らみを増す陽物に対して、こちらも少しずつストロークを早めていく。 雁首の継ぎ目、張ったエラを起点に先端へ、根本へ。先走って鈴口から溢れる涎を混ぜて扱くと、初心な彼女の腰が揺らめいて、快楽を追うような動きを見せる。 どこか険のあった顔が、じわりと蕩けていく。 浅く熱い息には甘い声が時折混ざって、聴覚から理性に訴えるような様相を見せる。初心な彼女の挙動ひとつひとつが、可愛らしく感じる。 歳下の筆下ろしってこんな気分なんだろうか。もしかして、それそのものなんじゃないか?そんな考えが駆け巡る脳を抑え込みながら、こちらも処理に集中する。 「ぅ゙、いや、なんっ、出ちゃっ♡」 「大丈夫、出しちゃって」 張り詰めた雁首を、ぐちゅぐちゅと音を立てて扱き上げて、時折指先で鈴口から伸びる裏手の筋を押し上げる。 だらだらと先走る彼女の陽物からは雄の匂いが立ち込めて、彼女自身が持つ女性らしい匂いと混ざって、異様な雰囲気を湛える。 ぐちゅり、ぬちり。水音と息、僅かな嬌声が、部屋をかき混ぜる。 それに釣られて、指先に伝わる凹凸が深くなって、弾けんばかりに膨らんでいく。 「ぁ゙、い、イッ、あ、あっ、あ゙────♡」 吐き出されるものを受け止めるべく差し出した手に向けて、どぷり、どぷりと熱いものが飛び込んでくる。 がくがくと震える腰の先、熱い熱い肉の塊から、煮えたぎった精そのものが吐き出されていく。 「全部、全部出しちゃって」 「だめ、待っ、手、止めて、くだっ」 手に向けて白露を吐き出す陽物を、さらに扱き上げていく。 裏側の筋を根本からぎゅう、と先端へ向けて扱き上げて、さらに雁首のエラを扱くと、またたっぷりと吐き出す。 そうして吐き出された精は手皿を溢れて私の爪先と床、ジャージを汚す。 すっかり吐き切って萎みゆくまでには、2分ほどを要していた。 「……また困ったら、相談に来たらいいよ」 台所で手を洗い流しながらそう語りかけると、少しばかり疲れた顔の彼女が、カウンターキッチンのそれ越しにこちらを見据える。 「トレーナーさんは、経験がお有りなんですね」 「えっ、ああ……歳の分くらいは」 「……どれほど?」 「共学に通ってたから高校から────」 そう話し出した時、彼女の目が、昏い輝きを放ったのが見えた。 頂点捕食者のようなその目が、何を捉えて、何を捕らえようとしたのか────私は、気付かなかった。 ----- 担当ウマ娘に“生えて”から3日ほど経ったある日のこと、会議から戻ってトレーナー室に入ると、当の担当ウマ娘たるグラスワンダーが机に向かって座っていた。 当日のトレーニングは既に済ませていて、会議もそんなトレーニングの後に行われたものであったから、彼女は既に身なりを整えた制服姿で座っている。 ならばそもそも彼女がここに居るのはおかしい事のはずだ。よほどの用があるか、私が何か忘れているかのどちらかだろう。 あるいは。 「”相談”?」 「……それも、あるのですが」 そう問い掛ければ、ごまかすように微笑んだ彼女が、鮮やかな栗毛を揺らしながらこちらを振り向く。 アイスブルーの瞳が私を見つめるのに対して、私もじっと見つめ返す。 しばらくの付き合いになった私たちにとって、このアイコンタクトよりも互いの真剣さを量るものはない。 そんなアイコンタクトをしながら、“相談”があるのなら、と思って後ろ手にパチリと扉の鍵をかけると、彼女がすっくと立ち上がって目の前へと詰め寄ってくる。 背丈がそう変わらない分、目力の強い彼女の視線が突き刺さり、私を捕らえて離さない。 「焦らないでよ」 と頭を撫でようとした右手を掴まれて、そのままにぐっと体重をかけられたものだから、あれよあれよと後ずさる形となって、扉にずしんと押しつけられてしまう。 レース前も斯くやという真剣な表情をした彼女に向かって、 「……3日も黙ってたから心配してたんだけど、やっぱり限界なんだ」 と軽口を叩ける間柄ではあるが、それが果たして正解だったかどうかと言われれば、掴まれたままの右手首に、ますます力の篭った事がよく証明している。 彼女にもそういう事を突かれて嫌がる理性はあるのかな、と思いながら改めて彼女の様子を見ると、スカートの股座に膨らみは見受けられない。 いや、これから膨らむのかもしれないし、だとして別に彼女にこのまま無理矢理抱かれる事そのものに嫌悪感はないな、惚れた弱みか、などと考えていると、一層真剣な表情をした彼女が口を開く。 「────れーなー、さん」 「……はい」 「付き合ってください、トレーナーさん」 「は」 肺から纏めて息が抜けて、思わず間抜けな声を上げてしまう。 拒否したように聞こえてなければいいなと思うと、見る間に頬を赤く染めた彼女の顔が目に入る。 「……とりあえず、そういうのはこうやって怖がらせて言うものではないと思うよ」 そう言って空いていた左手で肩を叩いて宥めると、ようやく右手を放して貰えた。 はあ、と一息つくと同時に彼女の方を見遣ると、今にも泣き出しそうな表情をしていた。 こんなにコロコロと表情を変える子だったかな、と浮いた疑問はとりあえず捨て置いて、今、彼女を支配する情動をコントロール可能な域に抑える事を考える。 「まあ、さ、勘違いって事もあるかもしれないからさ────」 今度はこちらから彼女に詰め寄って、ぴったりと身を寄せる。 彼女よりははっきり実った胸をぎゅっと押し付けながら、襟から覗いた鎖骨に軽く唇を這わすと、見る間に制服のプリーツスカートを押し上げて膨らむ姿を捉える。 「ぁ、待っ、トレーナー、さ」 「一回抜いたら色々冷えるよ」 そう囁いて少し身を屈めながら、スカートをめくり上げると、激しく屹立して主張する陽物と3日ぶりに対面した。 「3日も溜めたらさ、頭も冴えなくなると思うよ」 「そんな、事、ありませっ」 そのまま彼女の前へ跪いて、また手のひらへ唾を垂らす。 しかし、ぬめりを帯びた手で触れるや否や先走って涎を垂らす陽物を見て、無駄だったかなと思いながら雁首へ向けてぬるりと扱き上げると、小さな悲鳴と、がくりと震える感覚が伝わる。 「聞こえちゃいないと思うけど、まあ、あんまり声出さないで。家と違って角部屋でもないからさ」 「は、ぃ゙っ♡」 返事を聞き届けると同時に、雁首の継ぎ目、張ったエラに向けて、強めに握った指できゅっと扱く。 ぐちゃ、と粘りのある水音、ひどく熱い息が吐かれる音、そうして、また水音が重なる。 その様は、まるで淫猥な音声作品にも似た情景。 そんな淫猥な音の元たる陽物が、目の前で扱き上げられて跳ねるたび、雌と雄が混ざった異様な匂いが立ってくらりとさせられる。 彼女ら学生より年嵩とは言っても、割に若い方の、必要以上に健康な成人女性であるからして、興味が全くないという訳ではない。 さりとてコレは処理でしかないのだから、そんな考えはやはり捨て置く。 頭上からはくぐもった声、それも嬌声が漏れ聞こえていて、陽物を携えた腰はゆらゆらと、より強い快楽を欲して揺らめいている。 3日分の精を吐き出さんと張り詰めて、苦しげに先走る鈴口を指先で引っ掻いて、その指のままに裏側の筋に向けて滑らせると、ひどく浅ましい声と共にぬめりを増した竿が震える。 「んんっ、は、ぅ゙、気持ち、いぃ、です、とれーな、さんっ♡」 嬌声に混ざって問題のない事を伝えようとした彼女の、劣情混じりの発言を聞き届けながら、雁首の継ぎ目を起点にしたストロークを早めると、竿の凹凸、雁首のエラ、雁首自身の膨らみが大きくなって、精を吐き出さんと張り詰める。 だらだらと涎を垂らす鈴口をなぞり上げながら、大きく、早く、絞り上げるようなストロークで扱き上げて、吐精を催促してやると、一際深い震えと共に、彼女の腰が揺らめく。 その時はたと、この場が校内である事と、掃除用具がろくにない事に思い至る。 汚すのも良くないな、と思って”以前”そうしたように、彼女の鈴口に唇をつけて軽く舌を這わすと、 「は、ぁ゙、とれーなーさ、きたな、だめ、出ちゃ、イ゙っ、だめ、出る、ぅ゙っ♡」 拒絶と快楽が綯交ぜになった嬌声が部屋に響いて、直後、どぷんと咥内に熱が弾ける。 マグマのように熱い彼女の精がどぷり、びゅるりと流し込まれて、私の咥内を染め上げていく。 少し青臭く甘塩っぱい彼女のそれは、瞬く間に私のキャパシティを超えかけて、慌てて嚥下するたびに頬までたっぷりと注がれていく。 時折彼女の陽物の筋をなぞって、鈴口をひとつ舌先で舐めて催促すると、またどぷりと熱いものが溢れる。 揺らめく腰に口先を侵されながら、健康的と言うにも限度のあるそれを、全て飲み干すまでには数分の時間を要した。 「この身ならば、トレーナーさんと付き合う大義名分もあるのではないかと思って」 「そんな大仰なものはなくてもさぁ」 結局のところ、一発抜いて冷めた後も彼女の好意は何一つ曲がる事はなかった。 ずっと好きだったものを、女同士、ウマ娘とただの成人女性、年上────そうした要因から、うじうじと悩んでしまっていた事を聞かされた。 「まぁ、意思が堅いなら付き合うけれども、なんであんな迫り方しちゃったの」 「……トレーナーさんにもボーイフレンドが居たんだなと思うと、なんだか、腹が立ってしまって」 「あんまり長続きするタイプじゃなかったよ」 「だったとしても、です」 「じゃあ上書きしてみれば、なんて────」 そう言いかけてはたと彼女を見遣ると、アイスブルーの煌く瞳が、私を縫いとめるように見つめている。 その昏い輝きはまさしく、レースよりも苛烈なものを孕んで、私を捕らえるものであった。 ----- 夕食の片付けを済ませていると、一足先に湯を浴びたグラスが部屋に現れた。 水色の、いかにもパジャマという寝衣に身を包んだ彼女の立ち姿はわざとらしい程に少女的で、本人すらも振り回す雄の面というのは一切感じられるものではない。 自らとそう変わらない身の丈に、長く伸びてよく手入れされた栗色の髪、手指に至るまで際立つ柔らかさもまた、それを覆い隠すのに一役買う。とても、これから私を抱く相手だとは思えない。 そんな彼女がこちらに歩んできて、 「残りは私が片付けますから、トレーナーさんもお風呂に入ってきては」 と、つとめて優しい表情、声色で話しかけて来るが、その顔の奥にある瞳の昏い輝きと、 「……そんなに期待しないでよ」 「ええ。楽しみにしていますね」 などと言い放つ部分からは、抑えきれない獣性が垣間見えると思う。 どうせ脱がされるかと思い、洗い晒しの半袖にショートパンツの出で立ちで居間に戻ると、椅子に座ってスマホを弄っていた彼女と目が合った。 アイスブルーの瞳が私の頭の天辺から爪先に向けて舐めるように視線を向けて、じわりと、据わった目をする。 「……期待していたんですか?」 「どうせ脱がすかと思って」 すっくと立ち上がった彼女が、私を据わった目で睨みながら歩み寄る。 彼女らしくない乱暴な足音には様々な感情が綯交ぜになっているのが聞き取れて、私の感情ごと掻き乱す。 「そういう油断、外には決して持ち出してはいけませんよ」 がっしと私の肩を掴む彼女が、耳元でそう囁く。 次の瞬間、彼女の手がするりと滑って私の肩を抱いて、ゆっくりと、私を閨へ、連れ去っていく。 寝室の引き戸を閉めた途端、ゆらりと眼前に影がかかって、唇を食まれた。 小さく小さく合わせたバードキスの後、一転してべったりと唇が合わさって、二度三度にわたって唇を吸われて、いよいよ我慢ならないとばかりに舌が割り入る。 互いの間で初めて交わしたキスなのに、まるで当たり前のように、我が物顔で侵入してくる舌に対して諌めるように舌を押し付けて、裏側から先端を舐め上げると、くぐもった声が上がって舌が僅かに引っ込む。 そんな舌を今度は軽く吸い上げて、慈しむように唇で食みながらゆっくりと絡めとると、甘ったるさに味をしめたのか、彼女が目一杯舌を伸ばしてこちらに寄越してくる。 まるで初めての子のようじゃないか、いやまさしく初めてなのか、そんな可愛らしくも獰猛な獣の小さな手を軽く握ると、恭しく指を絡めて握りかえされる。 時折隙の出来た口の隅から湿った音が響き渡って、情交の雰囲気をひたすらに煽り立てていく。 「はぁ、は、随分、情熱的だね」 「長らくお慕い申しておりましたから」 ようやく口を放すと、薄明かりの中でもよく輝く瞳と対峙した。 見合ったまま、ゆっくりとその身体に腕が回って、またひとつ唇を交わす。 たったの数歩に数分かけて、唇が腫れるのではないかと言うほど貪られた末にベッドに腰を下ろすと、いよいよ我慢ならぬと言わんばかりに栗毛が翻って私の肩を掴んで、私の身体をマットレスに押し付けた。 布越しに食い込む指とどろりとした目付き、視線を降らせれば膨らんだズボンの股座。心も体も期待に膨らむ状況に、もはや限界を超えている様子が見て取れる。 「期待に応えられるかは分からないけど」 「期待より遥かに素敵だと思っていますよ」 小さなやり取りの後、肩に食い込んだ手指がほどけて、私の薄っぺらな半袖を持ち上げる。 それなりのサイズの胸が持ち上がって溢れた光景に対して、彼女がぽつりと漏らした 「……おっきい」 と言う一言だけが、部屋に残る。 「そんなにかな」 「エルくらいありますね」 「比べた先がデカいね」 と他愛ないやり取りをする余裕が出てきた事を幸いに思いながら、彼女の手を軽く握って胸元に寄せる。 おずおずと触れた彼女の手が、ゆっくりと私の胸の膨らみに沈んで、指がその肉を捉えて食い込む。 たったそれだけの出来事で、女同士なら珍しくもない事なのにも関わらず、何故だか今まで触られたどの回よりも熱と痺れを感じて、背を軽く跳ねさせる。 その姿を見た彼女が両の手で私の胸をぐにゃりと掴んで、緩急を付けて弄ぶ。 いやらしい手が先端をつねった時、はぁ、と肺から息が漏れて、胎から伝うものを感じた。 すっかり肩で息をする姿に、彼女から漂う雄の香りが強くなったのを実感する。 よくよく見れば所在なく揺れる腰と尾に、紅潮した頬。 「グラス、もうすぐだからね」 と荒い息を飲みながら囁きかけて、ズボンの履き口に指をかけると、彼女が自主的に脱いでいく。 下着ごと脱ぎ去ったそこには今にも破裂しそうな陽物が立ち上がっていて、晒した瞬間からいよいよ準備万端と言わんばかりに先走っている。 続いて脱ぎ去った上半身からはうっすらと温まった分女の子らしい匂いを感じて、そのアンバランスさに、頭の中を乱されていく。 「……ゴムの付け方、習った?」 「二度ほど」 「じゃあ、はい」 ヘッドボードに置いた箱を彼女に手渡すと、慣れない手つきで開封した後、自らの一部として生える陽物を薄い膜で覆っていく。 欲望と理性が戦う光景が、私の理性を潰していく。 そうして準備を整えた彼女が、下着を脱ぎ去った私を天蓋のように覆う。 「ここに……っ、挿れるんだよ?」 「は、ぃ……っ」 すべらかなラテックスで覆われた剛直を手でぬるりとひと撫でした後、秘裂に向かって突き立てる。 ぐちりと浅ましい水音を立てながら、凄絶なサイズ感をもった熱の塊が胎の中へじわり、じわりと押し入るのに合わせて、互いに深く熱い息を吐き出す。 「く、ぅ゙、でっか、ぁ゙……っ」 「ふぁ、あ、とれーなーさっ、これ、熱っ♡」 久方振りに受け入れた、それも未知のサイズ感に対して僅かに苦しんでいると、だらしなく口を開いて快楽に振り回される彼女の顔が目に映る。 ともすれば武人然とした表情をしがちな彼女の、戸惑いと快楽に溺れた姿に、こちらも煽られてぞわりと甘い痺れを感じる。 そんな彼女の熱塊が、ぴたりと臍の下を埋め尽くして、肌同士が触れ合う。 肌と肌、骨と骨、子宮口と鈴口が密着して一体となった感覚は、単純な性感以上の快楽を私たちにもたらす。 なんと言っても初めての彼女にとってはそれは劇物で、 「あ、あぁ゙、はーっ、ごめんなさ、も、イッ、ちゃ♡」 「んん、だいじょうぶ、出していいよ」 そう喘いで身を震わす彼女の背に腕を回して何とか撫でながら、息を吐いて胎をきゅうっと締め付けた途端に、どぷりと熱が弾ける感触が伝わる。 0.02mmの薄膜越しに溜まっていく熱の元は胎の中でゆっくりゆっくりと膨らんで、一切身動ぎもしないままに吐き出されていくその精は行き場のないままに彼女の陽物を濡らしていく。 1分、2分、3分────荒い息を吐く彼女を宥めながら繋がった数分の後ようやく止まった吐精は、そんな薄膜が破れんばかりの量である事を胎の中で報せている。 僅かに萎んだ彼女の陽物がそんなゴムを私の胎に残置して引き抜かれたのを見て、ゆっくりと溢れぬようにそれを抜き去ると、たっぷりと白露を溜めて膨らんだものと対面する。 まるで水風船か風船アイスのように膨らんで溜まっているので、こんな事あるかと疑いながら口を縛っていると、びり、と新品の封を切る音。 「え゙っ」 「……私もそうですが、トレーナーさんにも満足して頂きたいですから」 そう嘯いた彼女が、またそそり立たせた剛直を私の秘裂に突き立てる。 「やさしくして……」 「……保証は出来かね、ますっ」 ごちゅ、と激しい水音が鳴って、一思いに突き立ったそれの衝撃に、思わず目を白黒させる。 「待っ、ゆっくり、ゆっく、りっ」 「ごめん、なさ、腰、とまんなっ♡」 ごつん、ごつんと胎の最奥目掛けて突き立つ熱の塊が、内臓を震わせる。 苦しくて肺から息を吐いて、そのサイズ感には痛みすらあったはずなのに、彼女なりの善意なのか、時折探るように臍の裏側を責め立てたりする動きが混ざるのが快楽に繋がって、つい嬌声が上がってしまう。 情交における性感の多寡は、相手への感情も大きく関わると言う。初体験で拙い抽送を繰り返して、乱暴に胎を押し上げる彼女の行為に対して、深いところで快感を得てしまっているのは、つまるところ、 「ねぇ、ぐらす、ずっと、好きだった」 「とれーなー、さ────♡」 互いの肌がぴったり触れ合うよう抱きついて、唇を重ねる。 上から下までぴったりと、まるで真空パックをされたかのようにくっつくと、彼女が縋るように抱きついて身を震わす。 いいよ。一緒に。そう伝えるように脚まで絡めて抱き返すと、先ほどよりさらに勢いをつけて熱が弾ける。 それと同時に甘い痺れと閃光が走って、がくりと身を震わした。 ベッドの上に座り込んで、6枚セットだったそれの空箱をゴミ箱に投げながら、首にふたつ程付けられたキスマークを撫でていると、彼女の細指が肩口を叩く。 なあにと横を振りむくと、どこから取り出したか、青色のリボンを、私の首に巻きつける。 かちゃんと金具の音がして取り付けられたそれは、肌触りのよいベルベットのリボンチョーカーで、彼女の身に纏う青と同じ色の──── 「……どういう」 「気に入った物は、手元に置きたいタイプで」 キスマークが丁度隠れる太めのチョーカーを撫でながら笑みを浮かべた彼女が、そう囁く。 その目は、純粋すぎるほどに輝いていた。 ----- 極端な話、身体をいかに興奮状態に持っていけるかと言うのが勝負においては肝になるのだろう。 そうした結果、なかなか冷めなくなってしまう、というのも大変理解は出来る。 勝負服を脱ぎ去った内側、肌着の裾を押し上げて屹立する陽物がまさしくそういった持て余す熱量を表しているし、乞うように見つめる視線もまた、当人の感情とは全く関係なくそうなってしまう事を示している。 「……収まらない?」 「トレーナーさんに会ったら、余計に……」 「変に素直だなぁ」 担当ウマ娘のグラスワンダーが、その鮮やかな栗毛を揺らしながらこうべを垂れる。 “生えて”から初めて迎えたレースで露呈した事象が、彼女を深く悩ませる。 不本意にそそり立つそれは彼女の理性を端から食い破って、獣欲を露わにする。 このまま放っておいてどうにかなるというラインはとうに超えたそれを、ステージ衣装には押し込めない。 「まぁ、起こる事は仕方ないから────」 そう口にしながら彼女の前に跪いて、陽物を鼻先に持ってくる。 先走ってもいないせいか雄の匂いは少ないが、走った分で少し汗ばんで、彼女自身の匂いは濃い。 そんな熱塊の鈴口にひとつ口付けてから、ゆっくりと頬張ると、未だ初心な彼女の腰ががくりと揺れて、幾分引けていく。 「腰、引いひゃらめ」 「あぅ゙、きたな、とれーなー、さっ♡」 かぶりを振って栗毛をばさばさと揺らす彼女の、快楽と拒絶で歪んだ顔を上目に見ながら逃げ場の無いように腰に腕を回すと、ゆっくりと咥内に熱が侵入してきて、舌の上が彼女で満ちていく。 いっぱいに口を開いても歯が当たりそうなほど太い彼女の剛直が、私の舌が身動ぎするたびにびくりと跳ねる。 そんなひとつひとつの反応が、いちいち可愛らしくて、慈しむようにゆっくりと抽送をすると、頭上から熱い息を吐く音がして、私の頭に、彼女の手が乗る。 頭の天辺から後頭部にかけてを支えのように掴まれながら、彼女の剛直を愛でていく。 奉仕するように舌を這わせて、ゆっくりゆっくり、ゆらゆらと頭を動かしてやると、舌の上が僅かな塩気と生臭さで満ちてくる。 唾液とは別のそのぬめりを、溜めすぎた唾液と纏めて嚥下しながらまた深めに頬張って、裏の筋に沿いながら舌を這わす。 わざとらしく、じゅる、ぐじゅ、と音を立てると、ウマ娘の聴覚には毒だったか、先走って垂れるものが増すような感覚を覚える。 口蓋のざらつきに雁首が触れると、互いに腰を跳ねさせてしまう。それもまた、彼女の性を煽る。 手っ取り早く済ませるべきところを互いに長く愛し合い、慈しむ。そうして一際深く飲み込んで、喉の蠕動でもって締め上げた時、 「あ゙、ぅあ゙っ♡とれーなっ♡で、ぁ、イッちゃ────♡」 がくがくと腰を揺らして私の咥内を犯しながら、どぷどぷと精を吐き出す。 辛うじて喉に直に流される事態は避けながら、あっという間に口いっぱいに溜まっていく彼女の精液を、次々に飲み下していく。 青臭いはずなのに美味しく感じるその白露を、気付けば欲するように嚥下する。 飲み下し、吸い付き、催促する。彼女もまた、応えるように私の頭を撫でて、腰を揺らめかせては、吐精する。 溜められる限りを溜めては味わうように飲んで、最後に彼女の萎えつつある陽物をぬるりと舐め上げ、先端に口付ける。 「ん、大丈夫だね」 「は、ぁ゙……ありがとう、ございます……」 数分にわたる吐精が、ようやく済んだ。 「着付け、変ではありませんか」 「いいや、全く。完璧だよ」 そう言ってステージ衣装の彼女に向けて、サムズアップして見せる。 あれほど主張していた陽物はステージ衣装のショートパンツに収まって、つるりとしたシルエットの中にいる。 その姿は、先ほどまでとはうってかわって年相応の女の子。 しかし。 「……その、ライブ後にまた、ああなってしまったら」 「……その時はまた、その時」 「お願い、します」 そう願う彼女の目は、情欲に揺れていた。 ----- 帰りの支度をしていると、置いていた鞄を取りに来た担当ウマ娘のグラスワンダーが部屋に入って来た。 彼女は私を一瞥すると、ひどく不機嫌な表情で私に詰め寄って、トレーナー室に居たのを良いことに、涼むために胸元まで開けていたブラウスの襟を引っ掴んで揺らす。 「だらしないですよ」 「お見苦しいところを」 そう返しながらブラウスのボタンを留めていると、用は済んだはずの彼女がまだ私を見つめているので、何かあったかな、と思案する。 そんな表情が筒抜けたのか、やれやれと言う顔の彼女が口を開いて、 「週末ですよ、トレーナーさん。一緒に帰る約束だったじゃないですか」 「ああ、そうだった。ごめんね」 また少し不機嫌になった彼女を宥めるように頭を撫でて、支度の済んだ事をアピールするように手を引いてあげると、自然とその手を繋いで、指を絡めとられる。 まさしく恋人なのだが、恋人繋ぎで歩くのはまだ少し気恥ずかしくて、互いの手に熱を感じる。 敷地内のトレーナー寮なんてすぐそこなのに、そのちょっとの間すら手を繋いで歩くと冒険のようで、何度も握って、握り返してを繰り返しながら、夕暮れの敷地内をゆっくり歩んでいく。 西陽が照らして暑いので時折歩みを早めるが、それもまるでダンスのように感じた。 そうして辿り着く家の前で、いそいそと扉の鍵を開いた途端に、彼女が扉を開け放って私を部屋に押し込める。 なだれ込むように2人で玄関に入ると、我慢ならなくなった彼女のつややかな唇が私の唇を捉えて、二つ、三つと、扉も閉じ切らないうちに貪っていく。 油圧式のドアクローザーがゆっくりと玄関扉を閉じて、パタンとマットな音を立てた時、扉を背にして私を抱きすくめる彼女の手が、内鍵を後ろ手にかちゃりと閉める音がする。 それはつまり、角部屋にあたる私の家のプライベートがほぼ保たれたというサインであり、 「……油断を外に持ち出すなと」 「グラス以外に、見せて、なっ」 唇を離して詰るような言動をする彼女の、私を抱きすくめる腕の力が強まっていく。 背を抱いている腕の力は、同じ背丈の同性でも種が違うという事を身体にしっかり躾けてくるかのようで、暗に言う事を聞けと、言い訳をするなと抗議しているかのように感じる。 それについて抵抗するつもりはあまりなかったけど、力の差を感じさせるほどいっぱいに抱いてくる彼女のことは可愛いと思ってしまうのが、少し良くない。 首に腕を回して頭を抱き寄せ、後ろ頭を二度三度撫でてやると、背を抱いていた彼女の腕がふと緩んで、少し屈んだと思えばひょいと足を掬われる。 膝と背中を抱きかかえてお姫様抱っこをされてしまうと、いよいよ私には抵抗の余地が失われて、部屋の奥、寝室に向かう彼女の足をどうにか止めようという気持ちだって削がれてしまう。 「そんなにシたかったの、グラス」 「こっちがどんな気持ちかも考えない人に、少し罰があっても良いかと思って」 ついからかうような言葉でごまかしてみれば、いよいよ彼女の瞳のアイスブルーが昏く滲んで、不要な何かを焚き付けた予感がする。 1LDKなんてそう広くはなくて、普段みたいにだらだらと進まなければ、あっという間に寝室に辿り着いてしまう。 急いた歩みをする彼女にかかれば尚の事、あれよあれよと豆球だけが点く寝室のベッドの上にポイと投げ出されて、ぴしゃりと扉を閉じられる。 薄暗い豆球に照らされた彼女の瞳の青が私をじっと見据えているのが分かって、ごまかすようにブラウスの襟からボタンを外していくと、同じくベッドに膝をついて乗り込む彼女が、がっつくように手首を掴んで押さえる。 「そんなに焦らないでよ」 「違います」 まるで脱ぐのを制止するような彼女の手に従って力を抜いてみれば、しかし彼女の細指が私のブラウスの胸元に伸びてボタンを優しく外していくのだから、まるで自分で、と言って聞かない子供のようで可愛らしいと思ってしまう。 でもきっとそういう意図ではないのだろうから、と口を噤んで見届けていると、あっという間に留め具を失った布切れが私の上半身を包む事を辞めて、ぺらりと剥がれていく。 透けない生地だしいいや、と面倒くさがった肌着もなく、肌に直に着ていたばかりに晒されたお腹と、ブラに包まれた胸元に彼女の視線が吸われていくのを感じながら、少し恥ずかしくなって隠すような手つきを取ると、今度はその腕を優しく払われてしまう。 背を反らすように脇腹から指を差し入れられて、少し浮かせて反らすと、胸を張って強調するようになってしまうし、そのままブラのホックを外されたものだから、揺れた胸の肉が彼女にはいやらしく写ったかな、と考えてしまった。 「そんなにまじまじと見られても」 「綺麗だから、好きだから見るんです」 いくらこちらが否定的でも梨の礫で、ブラウスの袖ごと腕からブラの肩紐を引き抜かれれば、いよいよ私の上半身を包むものは失われていく。 比べられるほど育った柔肉に彼女の指が食い込んで、ふぅ、と息を吐くと、今度は手全体でぎゅっと掴まれる。 小さな彼女の手に余る私の胸が、力強いタッチでぐにゃり、ぐにゃりとたわむ度に、そんなにしっかりと通ってなさそうな神経がやけにはっきりと甘い痺れを伝えてくる。 彼女の手だからなのか、誰に触られてもそうなのかはハッキリとしないが、昔に比べてやけに感じやすくなったようには思う。 小さく嬌声を漏らす度に彼女の手指がねちっこく私の柔肉を外からなぞり、寄せて、たわませる。 あっという間に学習していく要領の良さが、今はただ憎いほどだ。 そうしてうっすらと汗ばむ胸元から彼女の手が離れて、一旦の解放が起こったかと思えば、パチン、と金具を外す音がして、彼女のスカートが突っかかりながら下ろされていく。 その下にはショーツから飛び出して立ち上がる陽物が、期待と怒りに満ちて膨らんでいる。 「うぁ……ガチガチじゃん……」 と思わず漏らすと、その陽物が、鼻先にずい、と突き出される。 鼻先に突き立つモノの先端に恭しく口付けると、踵を返すように腰が引かれていく。 そうして向けられた先は私の胸元で、ぽたりと先走るその熱塊が、ぐり、ぐり、と胸の柔肉に突き立つ。 そうして満足げに一旦離れたかと思えば、今度は彼女の手が両脇から私の胸を押し上げて、跨って座る彼女の陽物がその合間にぐにゃりと挿し込まれて──── 「ちょっ、どこでこんなの、覚えて」 「この間、雑誌で、見ちゃってっ」 先走って濡れそぼる熱塊が私の乳肉を侵して、犯す。 ぱちゅん、ぱちゅんと柔らかな衝撃音が響いて、性行同然の腰使いが私の胸元目掛けて襲う。 興奮し切った彼女の陽物と熱い視線、引っ込んでは突き出る鈴口から溢れ出す雄の匂いが、私の脳をじわりじわりと犯していく。 僅かに溜まった汗と彼女の先走りが立てる水音もまた、響き渡って脳に伝わった。 口でするより倒錯した交わりが、私たちを繋ぐ。 互いに初めての行いなのに、無闇に育ったその部位はあっさりと受け入れて、彼女の大きめな陽物を包んでしまう。 「グラス、これ、気持ち良い?」 「気持ち、いっ、ぁ゙、凄っ♡」 少なくとも手でするよりは気持ちよさそうな表情が、聞くまでもなくそれを物語ってはいたが、いざ言葉にされれば情感を煽ってこちらも少し気持ち良く感じる。 奉仕するのは嫌ではないから、口でするより顔も見やすいコレは、意外と悪くないような気がしてくる。 彼女がそういう目で私の胸を見ていたのだという事実と共に突き立つ剛直が、ずん、ずんと乳肉を押し上げて犯すが、彼女にならどう見られても嬉しく感じる。 そんな気持ちが勝って、空いていた手を彼女の手に添えるようにして、胸を両側からぎゅっと寄せる。 「ねぇ、グラス……私以外にそういう目を向けちゃ、ダメだよ」 「な、ぁ゙、とれーなーさんっ、がっ♡とれーなーさんが、悪っ、ぃ゙♡」 その言葉が彼女を焚き付けたか、一層激しい腰使いが私の乳肉に突き刺さる。 「とれーなーさんが、とれーなーさんが悪いん、ですよっ♡」 うわ言のようにそう繰り返しながら、昏い瞳で私を睨んで乳肉を犯す彼女には日頃の理知的な雰囲気は微塵もなく、淫猥な様子ばかりが見て取れる。 ぐちゃぐちゃと響く水音が部屋中を包んでいるのが余計にそういった様子を際立たせて、彼女をひとつの獣のようにしている。 そんな獣の背がぶるりと震えて、胸の間で陽物がびくりと震え立つ。 「ぁ゙、だめ、でちゃ、ぅ゙、イ゙っ────♡」 「うん、いいよ、出して────♡」 どぷんと胸元で熱が弾けて、だらりと谷間から白濁が溢れ出す。たっぷりとした乳肉に擦り付けられた陽物が、自分のものだと言わんばかりに私の胸を汚していく。 勢いの良い吐精が時折喉元から顔にまで飛び散って、べったりと青臭いマーキングを施していく。 時折乳肉を揺するとぐちゃっと言う音と共に互いの性感を煽って、またさらに吐精を促す。 最後にぐちゅんと彼女が陽物を突き立てて、吐き出し切るのに数分の時間を要して────終わる頃には、私の上半身は彼女の精液で塗れている。 陽物を離してやろうと乳肉を割り開いた時には、それが糸を引いて、橋を渡していた。 それがなんだかおかしいような、愛しいような感覚を覚えて、胸元に溜まる精液を指でひと掬いして口に含むと、直に飲むより幾分かトゲのある味がした。 「トレーナーさんが、見せつけて回るのがいけないんですよ」 汁まみれになった上半身をタオルで拭いながら問い質すと、そのように答えられた。 トレーナー室くらいでしか油断してないつもりでいたが、彼女から見れば、私は隙だらけなのだろう。 「でもさ、エルちゃんだって別にそんなつもりでは居ないと思うんだけど」 「……そのエルの油断した姿を見ると、トレーナーさんを思い出しちゃって」 そう語る彼女が、目を伏せる。 嘘が本当か、しかし彼女に散々犯された胸元が、その真実を語るような気がしていた。 ----- 定刻通りに鳴るアラームが、私たちの目を覚ます。 様々あってぐったりとした週末の身体はまだまだ横になっていたいと思っていて、アラームを鳴らすスマホの持ち主がその音を止めたのを機に、目覚めようと動き出すのを制止せんと、横向きに寝たままその背に抱きついてみせる。 「もう朝ですよ」 「今日はお休みだよ」 「休みでも、です」 担当ウマ娘のグラスワンダーは強情で、しかしてその意志に反して膂力で行使したりはせず、引っ張り合いにきちんと参加してくれている。 彼女の背中に私の胸が押し当たり、腕ごと引っ張られ、また私の腕の中へ収まってを繰り返している間に、粗方身体は覚醒していたりするのだが、こうしてぐずぐずとやっている時間が割合好きで、やはり引っ張り合いを続けてしまう。 ひとつの布団の中でもぞもぞと動き回っている姿はまさしく恋人同士で、ぴたりと素肌が密着した時に生まれる熱は、まさしく愛なのだろうと思う。 彼女もそこに気付いてはいるのか、珍しくちょっと甘い気がする。 幾度目かのそうした引っ張り合いで、ぐらりと彼女の背中がこちらに寄りかかる。 しなやかで艶のある栗毛と、これまたしなやかな背筋が私の胸元を埋めて、ぐにゃりと胸が押し潰される。 細い肩を抱きかかえる形になったこちらの腕は肘から先が余って、自然と彼女の身体の前面を撫でる。 慎ましいながら柔らかく主張する胸、鳩尾からヘソのしなやかな筋肉、しっかりと引き締まった下腹────その先で激しく主張するのは、朝の生理現象に輪をかけて屹立した、彼女の陽物。 「萎えなくなっちゃったね」 「トレーナーさんが抱き付くからですよ」 「一緒に寝といて萎える算段があったなんて、ちょっとショックだな」 「なっ、そういう、事をっ」 そう言いながら彼女の、痛々しいほどに張り詰めた雁首をくるくると指先でなぞり回して、つん、と鈴口を叩く。 栗色と肌色の境となる首筋に顔を埋めて甘く口付けながら、人差し指の先で鈴口と筋の間を優しく撫でてやると、あっという間に先走り始める彼女の剛直を、慈しんで手で弄ぶ。 「んっ、ぁ、ぁ゙、だめ、ですっ♡」 「なんも駄目じゃないよ、お休みなんだから」 雁首からエラ、竿へと指を滑らせて、先走ってぬめった手でもって彼女の剛直をぬるりと扱く。 ぬちり、ぐちゃりと淫靡な水音が掛け布団の襟から漏れ聞こえて、秘め事のような雰囲気を表す。 指先だけで雁首の継ぎ目ばかりを重点的に弄んで、処理同然に快楽を与えていると、眠っている数時間で溜め込んだ若さが彼女を後押しして、じわじわとその張りを増していく。 そのまま手とタオルに向かって吐き出させても構わない。しかし、 「このまま出すのと、私の中でびゅ〜って出すのと、どっちが良い?」 「ふ、ぁ、とれーなー、さんに、出した、ぃ゙っ、ですっ♡」 欲深い選択肢を与えると、彼女は素直に、実に正直に打ち明けてくれる。 それが性欲でも独占欲でも愛でも、自制的な彼女が正直になれる場所が増えるのは良い事だなと思うので、わざとそうしてしまう。 ヘッドボードに手を伸ばして、散らばった物の中から新品の避妊具をひとつ指に挟んで、口に咥えて開封する。 べたりと潤滑剤の乗ったラテックスを彼女の硬くそそり立つものに被せながら愛撫すると、ますます興奮していくのが愛おしい。 そうして根本までぴたりと薄膜で覆われたのを確認するや否や、彼女がぐるりとこちらを向いて、肩に掴みかかる。 アイスブルーが私の目を一瞥して、栗色が翻りながら私の首元を狙う。昨晩外したチョーカーの下、日頃は青のベルベットで覆われて晒さぬ私の細首に、更に歯形と唇の痕を増やしながら、覆い被さるような姿勢を取っていく。 私を包む天蓋になった彼女が緩やかに私の膝を割って、ぐちり、と秘裂に熱塊を突き立てる。 「朝イチなんだから、優しくね」 「難しいかも、しれなっ」 「ん゙ぁっ♡」 ずりずりと、潤滑剤を伴って侵略してくる大きな熱の塊は、思いの外スムーズに私の胎をかき分けて最奥を目指す。 刺激に耐えるように口をぱくぱくさせながら腰を沈めていく彼女の頭を撫でて抱えると、その身体ごと私に預けてきて、すっかり沈み切る。 そうして彼女の陽物が私の臍の下を埋め尽くした瞬間に、ぶるりと彼女の背が震える。 尾が頻りに揺らめいてツンと立ち、本能を抑えきれなくなっていく彼女の唇をそっと奪って、 「いっぱい、いっぱい出して良いよ」 と囁くと、声にならないくぐもった悲鳴と共にどぷん、と胎に熱が伝わる。 一回、二回、三回────薄膜越しに熱が波打って、がくがくと彼女の腰が震える。 吐き出しながら最奥をなじって突き上げる彼女の剛直が、その精を吐き終えたのを確認して、胎にぎゅっと力を込めると、びゅるりと吐き足したのが分かる。 そうしてようやく、数分にわたる吐精の済んだ陽物が引き抜かれて、今回はきちんとついてきたラテックスの薄膜がたぷりと音を鳴らして引き抜かれたのを見て、一息つく。 相変わらずの量に僅かな笑みを浮かべて、 「たくさん出たね」 「とれーなーさんが、気持ち、よくて……」 とやり取りを交わすと、彼女の萎え切らぬものの雁首からその水風船を取り外してやる。 手の内でたぷたぷと踊る水風船の口を縛ってくず籠にべちゃりと落とす間に、彼女は下腹の剛直をまた硬く硬くそそり立たせていた。 そんな硬いものに手を這わせて、残滓と先走りで二度ほどぐちゃりと撫でてやりながら、またヘッドボードに手を伸ばした時、指先に危険信号が伝わる。 空の箱と空きのビニール包装ばかりが指を掠めるそれは、隔てるものが失われた事を示していて、その瞬間、目一杯に愛し合った昨夜の事がフラッシュバックする。 今朝はこれまでかな、と思いながら彼女に目を向けると、行き場を失いかけた劣情で破裂しそうな目。 擦り寄る彼女の剛直が下腹にぴたりと押し当たって、ぐい、と薄い腹筋を抉って、劣情を煽る。 「……今日、だけ、だからね」 「大丈夫、ですか」 「生理は2週か、むぐっ────」 言い切る前に唇を塞がれて、マットレスに身体を押しつけられる。そうして、いよいよ壁を失った彼女の陽物が秘裂に押し当たる。 「はぁっ、ぁ、落ち着いて、わたし、生は、初めっ────♡」 「〜〜〜〜っっ♡ぁ゙、これっ、だめっ────♡♡」 直に粘膜同士が擦れる感触に、はっきり伝わる熱。 ぞりぞり、ごりゅごりゅと襞をかき分けてくる雁首のエラがはっきりと存在を示して来て、脳がちりちりと焼けるような感覚を覚える。 経験した事のない快楽が甘い痺れとなって大波をよこして、彼女もまた、同じようにだらしない顔で腰を沈めていく。 中ほどまでしか進んでいない彼女の剛直が、全て収まったらどうなってしまうのだろう。 そう考える前に胎の中ではっきりと膨らむ感触が伝わって、彼女がぶんぶんとかぶりを振る。 「ごめ、なさっ、とれ、なーさっ♡でちゃ、中、出しちゃっ♡」 「んぁ゙、いーよ、出してっ」 道半ばで倒れるように彼女が腰を震わせて、どぷりと精を吐き出す。 一度たりとも許していなかった侵略を果たした彼女の白露が、胎を、子の宮を、卵の管を、全て侵し尽くさんと流れ込む。 臍の下に溜まりゆく熱は多幸感と快楽をもたらして、子を欲するように子宮口を降ろさせる。 熱で溶けた思考は目の前で荒い息を吐く女を番いと認め、足りぬ足りぬと精を搾る。 どぷりとひと波来るたびに、頭が、身体が、指先が悦ぶのを感じる。 液中に含まれた要素が、多幸感を感じさせ続ける。 数分に渡って吐き出された精が胎を満たした時、萎えぬ彼女の陽物をぎゅう、と締め付けて、彼女に問う。 「……まだ、シたいでしょ」 その言葉にぎらりとアイスブルーの瞳が輝いた時、ごちゅんと間抜けな音が立って、彼女の肌と骨が、私にぶつかった。 「あぁ゙っ、ぐらす、きもち、ぃっ♡」 「とれーなーさん、とれーなーさん……とれ、な、さっ……♡」 彼女にすっかり抱きすくめられて、最奥までぐちゃりと貫かれる。 暴力的なサイズの彼女の陽物が子宮を押し上げるたびに呻き声が上がるが、それも最早嬌声同然で、白く塗り潰された胎は、彼女から快楽と胤を得る為に存在している。 息が詰まって途切れ途切れの嬌声も、彼女を焚きつける材料にしかならない。煽った末に出来上がった、高く張った雁首のエラが、がりがりと襞を削るばかりだ。 時折そんな彼女の剛直が先に漏らした白露を掻き出して、脚の付け根に伝わせるが、それすら何か淫猥に感じて、劣情を掻き立てる。 ぐちゃり、ずちゅりと淫らな水音に、互いの熱い息と嬌声が混ざって、猥雑なリズムを作り上げていく。 時折繋がる互いの唇が、アクセントのように甲高い音を立てる。 そんな初体験中の初体験は互いの限度を超えた快楽を身体に叩き付け続けていて、制御不能になった性感が、急激に臨界を告げる。 「ぁ゙、とれーなーさっ、好きっ、すき、イッ、ぐ♡」 「あ゙っ、わたしも、すきっ、ぐらす、ぐらしゅ、すき、イく、イッ────♡」 縋るように互いを抱いて溶け合う間から、びゅう、と叩きつけるような吐精が始まる。 熱は今度こそ最奥で弾けて、私の全てを染めて犯し尽くさんと、次々に吐き出されていく。 小さく揺らめきながら震える腰はそんな熱を吐き出すのに必死で、達し続ける私の事をお構いなしに、ぐりぐりとなじり続ける。 最初に吐き出した分を繋ぎ目から溢れさせながら染めゆく精を受け止める中で、互いに僅かに残された思考能力が、きっと今日だけでは我慢出来ないのだろうなと、直感していた。 ----- 合宿中はトレーナーを含め、水着や半袖、ジャージなど、軽装で居る機会が多い。 それは私も例外ではなく、買い替えた水着にラッシュガード、半袖短パン、夏用ジャージ────日差しの下活動する支度を、沢山してきた。 指定の制服がある学生らに比べれば大人である事も踏まえて幾分自由な扱いのトレーナー陣ではあるが、派手に動き回る事も考えていけば結局のところそう可愛らしい水着というのはあまり着ないもので、それもやはり、私とて例外ではない。 スポーツタイプのセパレート水着は、言うならば指定の水着から、上着側の丈を詰めたようなデザインで、別段不思議さはない、はずなのだが。 「こんな、はしたない、格好……っ」 「ごめんね、ごめんね、グラス」 トレーナー用宿舎の一室に、粘っこい水音と小さな声が響く。 部屋の中だと言うのに水着姿の私に向かって、下着姿のまま縋り付く担当ウマ娘のグラスワンダーが、私のお腹に向かって、硬くそそり立つ陽物を擦り付ける。 水音は彼女が先走って濡らした先端から響くもので、ぬちり、ぬちりと鳴っては私のお腹を彼女の匂いで纏わせて、マーキングしていく。 はしたない、と彼女が評する通り、無闇に育った胸元を強調して、お腹を大きく晒した水着姿は、見る人が見れば扇情的に映るのだろう。 それが愛する相手のものであるなら反応しても仕方のない事で、そのように見られた事については、嬉しく思う部分がある。 しかし、彼女はそれ以上に、 「見せつけて、回らないで、くださっ」 独占欲と情欲をその熱塊に乗せて、お腹に突き立てる。 そのまま果ててしまうのではないかと言うほどに迸る粘液が臍の周りを濡らして、所有権を主張する。 ゆっくりと外されるチョーカーの下に、また新たな歯形を刻みながら、しっかりと掴まれた肩には、人とは違う力を示すように、僅かに指の痕が残る。 「ちゃんと、上着、着るから」 「必ず着てください」 そう言って睨む彼女の唇を軽く食んで重ねると、また乱暴な舌が私の歯列を軽くなぞる。 上から下まで印付けする行為が、私の脳をちりちりと焦がす。 唇を重ねている間、私の手指は次第に彼女の陽物に触れるように伸びていって、ねっとりとした熱の塊と化したそれを優しく包む。 びくんと彼女の背が跳ねて、私の咥内から舌が引っ込んだのを機に唇を離して、わざと煽るように身体を揺らす。 「ちゃーんとスッキリしないと、宿舎に帰れないもんね……っ」 「ぅ゙、ふぅ、ごめん、なさ……♡」 「えっちな気分にさせた、こっちも、悪い、からっ♡」 ぬちり、ぬちりと先走る彼女の雁首を継ぎ目から先端に向けて扱いて、吐精を促していく。 張り詰めて手に余る大柄な陽物が、彼女の腰と共に小刻みに揺れながら、快楽を享受する。 時折手のひらで雁首全体を包んでぬるりと先端から扱いて下らせると、ぞわぞわとした感覚が彼女を襲うのか、尾の毛が逆立って揺れるのが分かる。 膝の震えと、吐き出される熱い息が、また彼女の快楽をはっきりと映して、私の手を働かせる事に繋がっていく。 しかしその時、蕩けた水のようなアイスブルーの瞳が私をじろりと見つめて、縫い止める。 「……が、良、ぃ゙……っ」 「うん?おっぱい?お口?」 「とれーなーさんの、中……」 媚びて乞うように口を開く彼女が、どろどろに溶けた理性で言葉を紡ぐ。 思えば部屋に来た時には既に私の事で頭がいっぱいで、目の前の番いとえっちしたくて仕方なかったのかもしれない。 そんな彼女の懇願に手を止めてゆっくりと屈みながら、敷きっぱなしの布団のそばに投げ置いたポーチに手を伸ばす。 「今日、危ない日だから」 新品の包装を破って箱から一枚のビニールを取り出すと、それを破いて薄っぺらな避妊具を引っ張り出す。 ゼリーを纏ったラテックスを彼女の鈴口に押し当てて、くるりと扱いて下ろすように着けてやると、張り詰めた陽物がますますいやらしい物のように映る。 「生は、我慢して」 「は、ぅ゙、はぃ……っ」 水着の下衣をするりと下ろして布団に横たわると、彼女ががばりと覆い被さってくる。 はやく、はやくと急かす獣のような姿にこちらもあてられて、軽く腰を浮かせながら彼女を迎えるような姿勢を取ると、既にいくらか濡れた秘裂目掛けてぞぷりと剛直が突き立って、私を貫く。 「ぁ゙、今日、でっか、あ゙っ♡」 「とれーなー、さ、あつ、ぃ゙っ♡」 幾たびも受け入れた結果小柄な私の身体は彼女のそれを受け止める事は苦にもならなくなって、内臓を押し上げて突き進む剛直に対して愛おしさと快楽ばかりを主張していく。 ぞくぞくと腰から広がる甘い痺れが指先にまで広がって、きゅうっと胎を締め付けると、臍の下を割り入って進む剛直の形がありありとわかってしまう。 目の前で揺れる栗毛が窓から射す日の光を反射して、きらきらと輝く。 美しい照明を独り占めする状況に、ますます情欲を煽られて、嬌声混じりの息を吐いた時、一際強い衝撃が伝わって、そこに汚濁が混ざる。 じわりとした熱が臍の下を埋め尽くして、骨と肌の当たる感触があった。 そうして最奥をなじって擦る感触が私を苛み、上擦った声を上げさせる。 ラテックス越しにも分かる張り詰めた熱が、私を孕ませようと、もがいて疼く。 僅かに余裕を感じる彼女の抽送が二度、三度と最奥を突いて、私の肺から空気を抜いた時、その暴力がぴたりと止んで、彼女が涎まみれの口を開く。 「……トレーナーさん、その」 「……ダメ、だよ。子供、出来ちゃうから」 「それは、分かってます。むしろ、望むところで」 「ダメったら」 「責任は取りましょう。私が取り切れなければ、家に取らせましょう。私はあなたの────」 そこまで言った彼女の唇を、自らの唇で塞いだ。 上唇、下唇と軽く食んだのちに重ねたそれを離して、じっと彼女のアイスブルーの瞳と対峙する。 今にも崩れて溢れそうなその青色の端に口付けながらゆっくりと腰を引くと、薄いラテックスで覆われて無機質さすらあった熱の塊が消えていって、胎の中がぽっかりと空く。 「だーめ。私も責任取るから、2人で責任を取ろう。だって────」 そう言って彼女の陽物を覆う薄膜の先をつまんで、ずるりと取り去ってしまう。 先まで手で弄んだ、グロテスクさもある肉の塊が露わになって、それは、まさしく。 「私も、グラスの子供、欲し────っ♡♡」 言い切る前に突き立った熱が一思いに最奥へ突き抜けて、まるで雷のように私に打ち付ける。 汚濁混じりの嬌声を互いに漏らして、縋るように抱き付くと、湿気と汗で溶けたアイスのようにへばりついて、溶け合うかのような感覚になる。 繋ぎ目なのか、身体なのか、出所も分からない水音が私たちを支配する。 小さかった抽送がじわじわと激しさを増すにつれて、その水音もまた、大きくなっていく。 「ぁ゙、やっぱ、生、好きっ♡」 「とれーなーさ、とれーなーさ、ん゙っ♡」 快楽に引ける腰と追って押し付ける腰が、彼女から精を搾るような動きを果たす。 かつてここまで感じなかった劣情と快感が、すっかり脳も身体も焼き切って、目の前の女に向けられていく。 今や全てかの栗毛に捧げ切って、ひと組の番いとして子を欲するばかりの胎がしきりにぎゅうっと疼いては、最奥の子宮口が彼女の鈴口に吸い付く。 永劫の繋がりを求めた脳が、好き、愛してる、とばかり信号を飛ばして、身体を甘ったるい快楽と、縋り付く手脚の動きばかりに集中させる。 「とれ、なー、さっ♡もっ、出ちゃ、イ、ぐっ♡でるっ♡」 「出して、なか、ぐらすの、こども、つくってっ♡」 射精感に任せた乱暴な抽送を全身で受け止めて、ゆさゆさと揺らされた身体同士で縋りながら、蕩けた語彙で睦言を繰り返す中、いよいよ差し迫った彼女の剛直がごちゅんと深い水音を立てて突き立ち、どぷんと熱が弾ける。 互いに深く達して声にならない嬌声を上げて視界がぱちぱちと輝き白むなか、子を欲してぎゅうっと締め付ける胎の感触と、獣欲に任せてなじりながら卵管まで染め上げ散々に孕ませようとする熱の塊にぞくぞくとした感覚を覚える。 そうしてどぷり、どぷりと精を吐き出しながらも尽きるところのない彼女の剛直を臍の上から撫でるように下腹を撫でて、軽く腰を揺する。 ちゃぷ、と子宮から波打つような感覚がして、ああ、これが数日中には私を孕ませるのだ、と思わされて、なんだか疼くものがある。 「ごめんなさい、とれーなー、さん……」 繋がりながらじわりと青ざめる彼女の頭を撫でて、額に口付けるようにその栗色に唇を這わせながら、またぐたりと布団に身を預ける。 「大丈夫だよ、グラス。私が望んだんだから」 「とれーなー、さん」 「……出来るまで、シよっか」 そう言った瞬間、中で鎌首をもたげてそそり立つ熱を感じる。 愛してるよ、と互いに交わして重なる影は、暮れゆく日に照らされて伸びていく。 「では、行ってきます」 「うん。頑張って」 雪のちらつく外に向かって、藍を纏った彼女を送り出す。 そうして手を振りながら見送る彼女の後ろ姿が、しかし何かに気付いたかのように少し揺れたかと思うと、こちらを振り向いて、小走りに戻る。 「忘れていました」 「どうしたの」 「……行ってきますね」 すっかり目立つようになった私のお腹をひと撫でして、うっとりとした顔を浮かべる。 そうして立ち上がったときには、また堅い決意に満ちた武人然とした面持ちで────決勝の舞台へと、歩んで行った。