二次元裏@ふたば

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213166 B21/07/04(日)20:44:30No.820108283そうだねx3 21:45頃消えます
芝コースでのトレーニング中、雨が降ってきました。ざんざか降りでは無いですが、シトシト、シトシト、降っています。

「室内トレーニングに切り替えようか?」

ここ暫くは雨続きで、今日屋外で走れたのは久々の事でした。まだ走りたい。そう思った私は、雨の日のレースもあることですから!とトレーナーさんに無理を言って屋外でのトレーニング続行をお願いしました。

「そうか。じゃあこれウインドブレーカー。軽めの直線走程度に抑えよう。芝のスリップにも気を付けて」
「ハイ!わかりました!」

バクシン、バクシン!…軽め軽めに直線走。私の髪の毛、顔、手、脚、尻尾。全身が雨に打たれます。

バクシン、バクシン!…スリップに気を付けて。雨で少しずつ熱が奪われていく感覚。…それでも、外を走ってのトレーニングは充実感がありました。うむうむ!なんとも気持ち良いです!

バクシン、バクシン!…トレーナーさんの言葉を頭で繰り返しながら。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/07/04(日)20:45:00No.820108526そうだねx1
………



「そろそろ上がらないか」

いつの間にか近くに来ていたトレーナーさんがタオルを差し出しながら声を掛けてくれました。

空に向け顔を上げます。灰色だったお空は、今や深みがかった藍色に。シトシト雨が私の顔に当たります。周囲を見渡します。芝の上でポツポツ跳ねる雨粒がよく見えません。あたりはすっかり暗くなっていました。

「オヤ、いつの間に!こんな時間だったのですね!」

トレーナーさんからタオルを受け取りペコリとお辞儀をします。ありがとうございますトレーナーさん!その後は軽めのクールダウンをして今日のトレーニングは終わりました。

私達は今さら雨から逃げるように、校舎へやや早歩きで向かいます。トレーナーさんは差していた大きな傘の中に私も入れてくれました。
221/07/04(日)20:45:27No.820108726+
「今日の練習後ミーティングは中止にしよう」
「へ?トレーナーさん、ご予定でもあるのですか?」
「いやホラ、ずぶ濡れだから」

トレーナーさんは傘を差していない方の手で、私の全身を指差して云いました。

「ああっ!私、全身ビショビショでした!」
「ゆっくりシャワーを浴びて、今日は帰るといいよ」

シャワー室近くの校舎入口でトレーナーさんとは別れる事になりました。

「風邪引かないようにね」
「はい…それでは、ありがとうございました…」

…ムムムム。トレーナーさんとのミーティングも私にとって大事なお時間ではあるのですが…。では!ここはバクシンすることで解決致しましょう!私はシャワー室に飛び込みました。
321/07/04(日)20:46:10No.820109017そうだねx1
シャワーを浴びシャンプーします、…1分!

体を洗います、ゴシゴシゴシゴシ、…1分!

体を拭きます、フキフキフキフキ、…1分!

バクシン、バクシン!ドライヤーで髪を乾かします、1分!

ドライヤーでシッポを乾かします、1分!そのまま制服に着替えます!ガサゴソガサゴソ、計6分!

おぉ!なんと素晴らしいタイムッ!このバクシン的レコードタイムをシャワー室に貼りだしておきたいくらいですね!では、いざトレーナー室へ!バクシン、バクシーン!!

「トレーナーさん!」
「え……あれ…え?シャワーは?」
お部屋のドアを勢いよく開けると心地良い珈琲の匂いが鼻をくすぐります。トレーナーさんはソファに座ってコーヒーブレイク中でした。
421/07/04(日)20:46:40No.820109252+
「学級委員長サクラバクシンオーが戻りましたよ!シャワーはバクシン的レコードタイムで済ませて参りました!本日のミーティングを始めましょう!」
「早すぎるでしょ…」
「いいのです!寮に戻ったら、またゆっくりお風呂の時間がありま………へ…へ……」

バクシュンッ!

「言わんこっちゃないよ。待ってるから、もう一度シャワー行ってきなよ」
「いいえ!私は先ほど入って来ましたので………、ヘ…へ……」

バクシュンッ!

「なんだか、寒気がしてきました!トレーナーさん!」
521/07/04(日)20:47:50No.820109768+
………
621/07/04(日)20:48:02No.820109856そうだねx1
「これお茶…熱いよ。ミーティングはもういいからしっかり暖まって」
「ありがとうございます!」

トレーナーさんが出してくださったふわふわのブランケットで私の体は首だけが出る形でてぐるぐる巻きになっています。足首あたりまで伸びたブランケットの下から両手を出して、お茶が入ったティーカップを包むように持ちました。

「なんだか美容院にいるみたいですね!」

てるてる坊主のような姿でソファに座る私は、美容院でカットクロスを纏うお客さまの姿を思い出しました。ついアハハと笑ってしまいます。

そう言えば髪の毛だいぶ水気があるみたいだけど。と、トレーナーさん。はて。私はカップを置き、髪の毛を触ってみます。ナルホドたしかにかなり湿っていました。

その毛量が1分で乾くはず無いよ、とトレーナーさんは立ち上がり、お部屋の隅にあるロッカーを開けました。トレーナーさんはドライヤーを手に持ち戻ってきます。

「これ学園支給備品のウマ娘用ドライヤー。一応未使用だからどうぞ。そのままだと風邪引くよ」
「わぁー!ますます美容院ですね!」
721/07/04(日)20:48:42No.820110171+
しかし、両手にお茶のカップを持ち、私の体はてるてる坊主。これではドライヤーが持てません………、あ。

「トレーナーさん!あの、タイヘン恐縮なのですが、美容師さんになっていただけないでしょうか!」
「え?」
「私、いま手が塞がっておりまして!せっかくですので髪を乾かしてもらえませんか!」
「いやいや。女子じゃないし。シャワーあがりのロングヘアなんて全く勝手が分からないよ。櫛だって無いぞ」
「ご安心を!こう、バーーーーッと!やっていただければ十分です!手櫛で構いません!」
「ええ……無理だよ」
「ダメでしょうか…はい……わかりました……。学級委員長、自分でドライヤーします…」
「…分かった、やるよ!…でも、なんかマズったらすぐ声かけて」
「ハイ、ありがとうございます!」

トレーナーさんは私の後ろに立ち、ドライヤーのスイッチを入れ、私の髪に温風をあて始めました。私は目を閉じ、頭の中でトレーナーさんの動きをイメージします。

頭皮が熱すぎないよう、髪から少し遠めでドライヤーを細かく振ってくれています。時折、手櫛で私の髪をすくい髪の乾きを確認してくれています。
821/07/04(日)20:49:28No.820110497+
「こんな感じでいいのかな?」
「ハイ!とーっても素敵です、トレーナーさん!」

私は目を閉じながらトレーナーさんの呼びかけに応答します。ドライヤーの暖かさと、丁寧に、優しく髪に触れるトレーナーさんの指の感覚が心地よく、思わずウトウトしかけた時、ドライヤーの音が止まりました。

「こんな感じかな。どうだろう」

ハイ、と試しに首を左右に振ってみます。ストレートにおろした髪が宙をふわっと舞います。髪の水気はじゅうぶん消えたようでした。

「完璧な仕上がりです!トレーナーさん!」

そうか、良かった、と後ろから溜息が聞こえてきました。どうもありが…

「あっ」
「え?」
921/07/04(日)20:50:07No.820110757+
「…あの、トレーナーさん!……シッポの方も、お願いできますか!」
「…ああ、尻尾………尻尾ね…じゃ、やるよ」
「ありがとうございます!!」

てるてる坊主になったブランケットの端からからやや水気を含んだシッポをひょいと出して、トレーナーさんに預けます。

「尻尾も、同じ感じでいいのかな」
「ええ!グアーーーーッと!お願いします!!」
「グアーッと、ね」

後ろからトレーナーさんの笑い声が聞こえました。その時、外の雨音が強くなった気がして、私とトレーナーさんは同時にお部屋の窓の方を見ました。

「雨、やみそうにないな」
「ハイ」
「そう言えばさ。晴れの日が好きなのは前に聞いたけど、雨の日はどうなんだ?」
1021/07/04(日)20:50:40No.820110995+
雨の日ですか!フーム…、私は今日、雨が降ってからの事を思い出してみました。トレーナーさんにタオルを貰い、傘を差していただき、ブランケットでぐるぐる巻きになり、暖かいお茶を頂戴して、髪にシッポにドライヤーをかけてもらっています。おかげ様で今は体がぽかぽかです。

私はくるっとトレーナーさんの方に振り返りました。

「好きです!」

トレーナーさんの顔をしっかり正面に見据え、答えました。

トレーナーさんは、そうか、と素っ気なく頷き、ドライヤーのスイッチを入れました。お部屋が再びドライヤーの大きな運転音に包まれます。…だんだん暖まってきた体に満足するように、緩やかに瞼が重くなってきます。

少し目を閉じると、優しくシッポを取り触るトレーナーさんの手の感じが伝わってきました。なんだかくすぐったいような、嬉しいような。

私は閉じてしまいそうな瞼をグッと開き、ドライヤーを当ててくださっているトレーナーさんの姿を見つめます。

起こすから寝てもいいよ、とトレーナーさんの声が聞こえました。…私は、後ろに立つトレーナーさんの体に首をほんの少しだけ、もたれかけました。
1121/07/04(日)20:50:59No.820111150そうだねx9
オワリ
雨の日の委員長を書きました
1221/07/04(日)20:51:38No.820111438そうだねx4
シットリバクシンオー
1321/07/04(日)20:52:17No.820111709+
かわいいバクシンオー
1421/07/04(日)20:52:44No.820111904そうだねx1
無敵か
1521/07/04(日)20:53:58No.820112446そうだねx6
しっとり委員長はいずれ万病に効くようになる
1621/07/04(日)20:57:26No.820114073そうだねx12
>「好きです!」
ふーむ……
1721/07/04(日)20:58:09No.820114436+
この委員長には父性が刺激される
1821/07/04(日)21:02:12No.820116275+
凄い…ちゃんと感嘆符あるのにしっとりしてる…
1921/07/04(日)21:03:35No.820116957+
なんであんなに眠くなるんだろうね…不思議
2021/07/04(日)21:04:21No.820117346そうだねx6
自分の気持ちに自覚のないサクラバクシンオーは私の性癖には合っていますよ
2121/07/04(日)21:06:24No.820118315そうだねx5
バクシュンかわいい
2221/07/04(日)21:08:12No.820119207+
ああ…光を感じる委員長だ…
2321/07/04(日)21:09:08No.820119726+
ほんのり甘い桜餅
できあがるまでもう少し
2421/07/04(日)21:20:05No.820125381そうだねx7
バクシンオーが言いそうな言葉選びが上手い
あと読みやすい
2521/07/04(日)21:20:33No.820125610+
しっとり委員長を見ると安眠が訪れる
2621/07/04(日)21:22:45No.820126696+
良バが好き
不良バ嫌い
2721/07/04(日)21:26:14No.820128294+
温泉車椅子バクちゃんの「」?
2821/07/04(日)21:29:55No.820130065+
しっとり委員長で私も冷え性が治りました
2921/07/04(日)21:36:44No.820133358そうだねx2
>温泉車椅子バクちゃんの「」?
ハイ これは単発です
3021/07/04(日)21:36:59No.820133481そうだねx8
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97291 B
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
3121/07/04(日)21:38:24No.820134136+
ウワーッ!
3221/07/04(日)21:38:54No.820134362そうだねx1
>ハイ これは単発です
毎回良いのかいてくれてしゅきぃ…
3321/07/04(日)21:39:16No.820134520+
ウワーッ!?名画!
3421/07/04(日)21:40:14No.820135022+
しっとりしてる…


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