二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1623080774246.jpg-(48181 B)
48181 B21/06/08(火)00:46:14No.810939815そうだねx1 02:18頃消えます
空が蒼から白になろうとし、花が落ちた桜の新緑が浮かび上がるころ
「ふわぁぁぁ〜」
トレセン学園美浦寮の一室に目覚めるウマ娘がいる
ーーーサクラバクシンオー、それが彼女の名前である
彼女は眠けまなこでしばらくベッドから起き上がったまま停止していたが、突如目をくわっと開く
(バクシンバクシーーーーン!!!!!!)心の中でそう叫び、勢いよくベッドを出て歯を磨き着替えてゆく
そして身支度を整え、模範的な委員長として朝練をすべく外に出てゆくのだった
バクシーンと叫ばないのは以前叫んだところ寮長から〆られ・・・もとい模範的な委員長は早朝は大きな声で騒がないと言われたからである
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/06/08(火)00:47:03No.810940050そうだねx2
模範的な彼女の朝のトレーニングはラジオ体操から始まる
「これでよしっと」
彼女はスマートフォンからラジオアプリを起動させ学園の練習場のど真ん中で時刻が来るのを待つ
彼女がラジオ体操を朝のルーティーンにしているのは、動態及び静態ストレッチ効果があるからとかそういう理由ではない
小さいころの夏休みにラジオ体操で全日出席してスタンプを押す人から模範的だねと言われたからである
ラジオからいつもの司会者の声がしてラジオ体操の時間を告げる
「さぁ、始めましょう!」
そう言い彼女は張り切って体操を始めるのだった
221/06/08(火)00:48:38No.810940496+
「いざ、バクシンバクシーーーーン!!!」体操を終えてスマホをしまった彼女は走り始める
彼女は、学園の短距離スプリントウマ娘では最速である、
URAファイナル直後にあった高松宮記念でも炸裂した脚は健在で同じように朝練でやってきていた他のウマ娘達をどんどん抜いていく
だがーーー
「バクシン・・・・バクシーン・・・・・」
1600行くかギリギリのところで足が止まる、全力で走り切るスタミナが足りていないのが彼女の課題だった
「ハア・・・・ハア・・・・」彼女は息を整えるように歩き始める
1400から伸びたここ最近のトレーニングの結果を確認した彼女は満足気に笑う
そして・・・
「さぁ、朝ごはんにバクシン!!!!バクシーン!!!!!!」息を整えた彼女は高らかにそう言い走り始めたのだった
ちなみにこの声は他のウマ娘達からは朝の時報のような扱いをされていたりする
321/06/08(火)00:49:03No.810940621そうだねx1
朝ごはんも午前の座学の授業も午後のダンスの授業もバクシン的に終わらせ、トレーナーとのトレーニングの時間
彼女とトレーナーは学園保有のプールにいた
「トレーナーさん!1600m直前まで全力でバクシンできるようになりました!!!」
プールサイドの採暖室で体を温めながら彼女は今日の朝の事をトレーナーに話す
去年のマイルCS以降短距離からマイルも射程に入れた彼女とトレーナーはスタミナを伸ばすことを重視していたのだった
事実、マイルCSでは抑えた走りをしてようやく届いた、今朝の結果は成果が出てきていたのだった
しかしーーーー
421/06/08(火)00:49:34No.810940766そうだねx3
彼女はバクシン的思想や周りに流されがちではあるが馬鹿ではない
トレーニングをしても速さの伸びに比べスタミナの伸びが悪いのは実感として感じていたし
そしてそれから導き出される答えもーーーすなわち中長距離の絶対的な適性のなさを
分かっていたのだ知っていたのだ、トレーナーが優しさゆえに嘘をついていたことも
それがさらに互いが互いをがんじがらめにしていることも、そしてそれを解く方法も
認めればいいのだ、適正の事もトレーナの事もすべての事を認めて新たな道を進めばいいと
だが、それができないのも知っていた
トレーナーを信じることにした自信を否定する事
いままでトレーナーの苦労や言葉を無に帰すこともそして・・・互いの関係も変わる可能性だってがあることも
521/06/08(火)00:50:11No.810940922そうだねx2
待ち時間というものは長いものである
4月を過ぎた温水プールとはいえ、体温保護のために水泳利用には休憩時間は義務付けられている、バクシンな彼女も例外ではない
濡れた体から滴り落ちる水滴がスクール水着から落ちてゆくのを感じる
そんな長く引き伸ばされた感じの時間はトレーナーと向き合う時間を彼女に与える
何回、何十回とも繰り返された葛藤の末彼女はおずおずと口を開く
「トレーナーさん・・・私・・・」
だがーーー
「ゴールドシップ!何をしている!」
ナリタブライアンの怒鳴り声が隣の採暖室から響いてきた
「何事!!!」彼女はそう言いながら部屋から出たのだった、まるで地獄で天から垂れてきた糸をつかむように
ーーー彼女は理解していた足りないのは向き合う勇気であるということに
621/06/08(火)00:50:35No.810941039+
「何って、採暖室を改造したロウリュウサウナだぞ、ブライアン」
「ヲイ・・・」
「まーまー、初回無料ってことで入ってみねえか?」
「・・・ちっ、シングルのきついのはないのか?ゴールドシップ」
「理事長がけちでなーシャワーか目の前のプールしかねえんだわ、じゃおひとり様ごあんなーい」
採暖室を出た彼女の目の前で繰り広げられた余りと言えば余りな光景は彼女の委員長を目覚めさせる
「こらー!そk・・・ぐぇ!」
だが、走りだそうとした彼女の手をつかんでトレーナーが引き寄せたのだ
突如、トレーナーの体温と素肌を感じる彼女は喜びや困惑などの様々な感情が噴き出し混乱する
だが、トレーナーは気にも留めないでプールの出入り口を指さす
721/06/08(火)00:51:04No.810941180+
そこにはーーー
いつもの扇子ではなく釘バットを持った理事長とずた袋をもった理事長秘書の姿があった
これから何があるかは言うまでもなく言うほどでもないだろう
そして、あえてもう一度言おう
彼女はバクシン的思想や周りに流されがちではあるが馬鹿ではない
ゆえに・・・

彼女とトレーナーは何も見なかったことにしてトレーニングに戻ることにしたのだった
821/06/08(火)00:51:33No.810941310+
空が赤に染まり蒼に変わろうとした頃二人はトレーニングを終えプールから出ていたのだった
出口からでた彼女とトレーナーはゆっくりと二人歩いていたのだった
無口のまま歩いた二人は美浦寮とトレーナー寮で分かれる場所に辿り着く
彼女がいつもと様子が違うことに気づいたトレーナーはどうした?と言う
「トレーナーさん私・・・」トレーナーと手を取った彼女は言葉を紡ごうとして
しかしやはり勇気が足りなくて真っ白になって
「ヴィクトリアマイル必ず勝ちますからね!安心してください!」安易な言葉に流れてしまったのだった
そう言うと彼女は寮に向け走り始めたのだった
それは、ヴィクトリアマイルの開催時期が静かに近づくある日の夕暮れ
・・・遠くでは理事長と理事長秘書から逃げるウマ娘達の姿があった
921/06/08(火)00:52:05No.810941434そうだねx1
その夜、美浦寮談話室
「バクちゃん、バクちゃん見てたよ〜、トレーナーさんの手を取ってたところ〜」同じ寮のウマ娘がからかう
「ちょわーーーーーーっ!?」思わぬ言葉に彼女はしっぽをぴんっと立ててしまう
「どんな話をしてたのよ〜教えなさいよ〜」とさらにからかわれる
談話室にいたほかのウマ娘達も耳を向けてくる
「あの・・・その・・・トレーナーさんと大切なお話をしました・・・・」そう言い耳を下げながら彼女は自室に戻っていったのだった

彼女が談話室を出て一拍後・・・談話室が激震するのだった
1021/06/08(火)00:52:34No.810941578+
どこからか飛んできた吹き矢に塗られていた毒によってこんな感じの少しビターなウマ娘の日常が見たくてたまらない欲求が噴き出してしまった
何とか解毒できたのでこれにて失礼する
1121/06/08(火)00:53:47No.810941928そうだねx15
それは残念だ
もう一本いこう!
1221/06/08(火)00:57:41No.810942997+
もう一本と言わずにどんどん行こう
1321/06/08(火)00:58:35No.810943232+
俺の毒矢を喰らえ
1421/06/08(火)01:00:39No.810943793+
こいつも喰らえ
1521/06/08(火)01:02:15No.810944226そうだねx7
>空が赤に染まり
一瞬プールがゴルシの鮮血で染まったのかと思った
1621/06/08(火)01:06:17No.810945162+
>彼女が談話室を出て一拍後・・・談話室が激震するのだった
次の日トレーナーとバクシンがケッコンするって噂が
トレセン中に流れてそう…
1721/06/08(火)01:14:06No.810946913+
絶妙なしっとり加減バクシンいい…
1821/06/08(火)01:28:44No.810950153+
>・・・遠くでは理事長と理事長秘書から逃げるウマ娘達の姿があった
許しかけただけで共犯扱いされるナリブかわうそ…
1921/06/08(火)01:33:17No.810951171+
パンチ力が無い
もう一本受けておきなさい
2021/06/08(火)01:56:28No.810955792+
バクちゃんの思春期の終わりは彼女が対峙する勇気を持ったときかもしれたい


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