担当のダイワスカーレットに呼び出されてトレーナー室にやってきた。 現在は早朝5時を回ったところ。彼女は施錠された部屋の前で俯きがちに苛立っていた。 昨夜も遅くまでメニューを練っていたのであと2時間は寝ていたいところだったが、 我が愛バ、世界で一番のウマ娘に呼び出されたなら地球の裏へだっていかなくてはならない。※1 「…遅かったじゃない」 日も登りきらない内に招集された人間に掛ける言葉と態度ではないが、 経験則から彼女がこういった言葉遣いをするのは余裕のない時だと知っている。 「一体どうしたんだ?こんな朝から……」 「早く開けて」 どうやら本当に余裕がないらしい。校舎が早くから空いていて助かった。 トレーナー室の鍵を開けるがいなやところてんのように体当たりで入室させられた。 弾みで床に倒れこむ。流石にこれは態度がなっていないというレベルではない。 「本当に何が……」 向きなおろうとすると、ガチャリ、と音がした。 後ろ手にドアを施錠したスカーレットにウマ乗りにされる。 よくよく顔をみるとその名に負けないくらい真っ赤で、 恥じるように、すがるように、その目を潤ませていた。 「……アンタはアタシのトレーナーよね?」 「言われるまでもないが?」 「……アタシのためなら何でも言うとおりにするわよね?」 「君が一番になるための努力を惜しむつもりはないよ」 「………………だ」 「だ?」 「誰にも、いわないでね……?」 かつてないほど弱弱しい声で、彼女はセーラーをまくり上げた。 年頃の女子の、それも中等部離れしたプロポーションの彼女の胸を目の当たりにして、 なにより先に口をついたのは、 「タオル……?」 ブラジャーではなくトレーニング用の厚手のタオルがしっかりと巻かれていた。 それも解かれ、とうとう露わになった本丸の先端は白い液で湿っていた。 「ねむれなくて……鏡見たら……こんなん…で…っ…」 今にも泣きそうな彼女をなだめながら、とりあえず来ていたジャケットを被せる。 どうにか聞き出した内容によると、 胸の張りが酷くて眠れないので起きてみたら覚えのない湿り気を感じた。 粗相でもしたのかと同室のウオッカを起こさないよう確認すると母乳が溢れて止まらなくなっていた、とのことだった。 許可を取って触診すると確かに人の皮膚らしからぬ硬さを持っていた。 強めに抑えると染み出していた乳が強めに飛び散る。 とりあえずトレーナー室にいるように言いつけて、学園を休む連絡と役に立ちそうな物を集めに行った。 興奮も下衆な考えも吹き飛んでいた。 結局その日は彼女の精神の安定と対策の確立に費やした。 平時はブラジャーの下にパッドを当て、授業の合間にトレーナー室で搾乳することに落ち着いた。 本当は自分でやって欲しかったが彼女曰く「アンタがやるほうが出がいいのよ」とのこと。 そういうわけで今も後ろから回した手で彼女の胸をまさぐっている。 初日こそ本気で彼女の身を案じていた、いや、今もその気持ちに変わりはないが、 冷静になると、色々、ヤバい。状況も、性欲も。 張りが落ち着いて本来の柔らかさが少しだけ戻ってきたこととか、搾ってるときに漏れる声とか、 とにかく、今の俺は目をつむり、腰を引いて情欲を悟られないようにするのが手いっぱいだ。 早く原因を特定して状況を改善しなくては。 彼女が元通りになるために。俺の限界が来る前に。 彼女の胸から母乳が出るようになって一月ほど。ついに限界が来た。 予兆は色々あった。気づかなかったのか、気づきたくなかったのか。 普段から目を合わせることが少なくなったこと。かわりに耳がよく動くようになった。 日課の搾乳中にちらちらとこっちをみてくること。その目は何か期待をはらんでいた気がする。 スーパークリークと楽しそうに話していたこと。珍しい取り合わせだと看過するべきではなかったかもしれない。 しかしまさか限界を迎えたのが、 彼女の母性だとは誰が思うだろうか。 扉を施錠し、遮光カーテンを下ろした室内、備品のソファの上、 俺は期待に満ちたスカーレットの膝の上に寝転がっていた。勝負服からも気合が感じられる。 「じゃあ、やるわよ……?」 ブラウス生地の胸元のボタンが、細い指で解かれていく。 器用に胸部だけを露出できるデザインに内心関心していると、とうとう実物が出現した。 でかい。いや知ってたけど。違う、こんなに間近で見たことは無い。 迫力という言葉を女性に用いるのは失礼な気がするが、あいにくの言語野ではこれがせいぜいだ。 視線はあの日より少々張り詰めた乳輪に止まった。やや褐色がかっており、膨張に耐えられず広がっているのはそそるものがある。 いまからあれに口をつけるのだ。 にわかに口の中に唾が満ちる。本能があふれ出た物なのか、はたまたぐずぐずに溶けた理性なのかはわからなかった。 頭の後ろに手を回されて持ち上げられる。口を開けて彼女の乳首に、しゃぶりついた。 空気を吸いだすと同時に、思ったよりも温かい液がせばまった口腔に満ちる。 味は自然な甘みがあって、今朝飲んだ牛乳よりコクがあるかもしれない。 一心不乱にむしゃぶりつく。空いた腕で彼女にしがみつく。 舌で乳首を転がしてみるとわずかに嬌声が漏れた。しっかりとしているが柔らかく、跳ねて少し楽しい。 頭の上から楽しそうな声が聞こえてくる。そのまま心行くまで童心に帰った。 乳首から口を離す。それを合図に頭を支えた腕が下りる。 息が荒い。吸うのに夢中で呼吸をしていないからだ。 そのまま息を整えていると、今しがた吸った方の乳房が、もう片方よりもしぼんでいることに気づいた。 知り得ることが恥な知識を呆けた頭に染みこませていると、 「ほら、位置変わるわよ。」 と起床を促されるままに位置を反転。再び母性で満ちた乳房と相対する。 同じ要領で吸い出していると、急に張り詰めた股間に触れるものがあった。 思わず口を離して抗議にかかる。が、乳に押し付けられて声を出せない。無理に暴れると柔肌に傷が付く。 慣れぬ手つきでジッパーを下ろされ、固く張り詰めた怒張が隙間から屹立する。 彼女の喉がなった。先ほどボタンをはずしていた指が恐る恐る絡みついてくる。 予想外な刺激に触れられただけだというのに情けなく腰が跳ねた。 そのまましごきにかかるが、力が弱いのと乾燥しているので刺激が足りない。 背中を叩いてその意を示すと、少し視界を回した後、少しためらって、顔を真っ赤にしながらよだれを自分の手に受けさせた。 片手を揉んでなじませ、再び手をかける。そのまましばらくしごいていると要領を掴んだのか力加減が絶妙になった。 その間も吸いつきが止まることはなく、俗にいう授乳手コキの体勢が完成していた。 少しづつしごくテンポが上がっていく。それに合わせてか飲む口も早くなる。 緩やかに腰が上がる。それを理解してか更にテンポが上がる。 にちゃにちゃ。ちゅっちゅ。 必死にしがみつく。ぐらぐらと熱いものが上がるのを感じ────── 「ふふ、……かわいい……」 ──腰が痙攣し精を吐き出す。世界がまっしろになって力がぬける。 腿に不快な熱を感じながら、情けないままごとは終わりを迎えた。 蒸れた室内で後片付けをしながら、アイツがなんでこんなことしたのか聞いてきた。 ──アンタはアタシのことを避けも、笑いもしなかった。 この歳で、そういう経験もないのにおっぱいが出るなんて、誰にも相談できないと思った。 でもアンタなら、茶化しこそすれ、力になってくれるって。それにすがるしかなかった。 結果は想像のはるか上。アンタは本気で私の身を案じて、悲しんで、力になってくれた。 ……まあ結局腰をヘコヘコさせてるのに気づいてちょっと失望したけど。 でもしょうがない。昔から感じる視線でこの体の評価はよく知ってる。 だから、本気で心配して、自分のこと全部置き去りにして、アタシに尽くしてくれた、 そのお礼くらいはすべきだと思ったのよ。 あ、あそこまでするつもりは無かったのよ!ただ、クリークさんから聞いて、そういうのもある、って知ってはいたけど……。 とにかくこれで終わり!もう、次はレース勝った後までおあずけだからね! 後日、ウマ娘の中にもホルモンバランスの乱れなどから妊娠していないのにも関わらず母乳が出るようになる、という情報を学園併設図書館の古い本で知った。 もちろん何も調査をしていなかったわけではないが、症例が少なかったり、公表を避けたりするので現象の認知度がそもそも壊滅的だったようだ。 食事などの改善でコントロールできるとのことで、スカーレットに伝えにいくと、 「ふぅーん、そう。全く出なくなるわけじゃないんだ。そっか…」 との反応が返ってきた。どうやら悪い癖になってしまったようだ…… 『授乳癖』を獲得した!