ですが、そんなトレーナーさんは急な外せない出張が入ったらしく、不運にも誕生日には間に合わないとのことでした。先にプレゼントでもあげていたのかなと思いましたが、それもないようで―私のトレーナーさんによれば「そんな器用なことができる奴に見えるか」―少し残念そうなバクシンオーさんがちょっとかわいそうだな。と思っていました。
そうしていると、突如ドアが開かれ部屋の中に、リボンが巻かれたプレゼントボックスを頭に装着したスーツ姿の人が入ってきました。もう一度言いますリボンが巻かれたでっかいプレゼントボックスを頭に装着したスーツ姿の人が入ってきました。その人らしき者はトレーナーさんぐらいの背の高さで、バクシンオーさんのトレーナーさんが来ているスーツに酷似しており、トレーナーさんが良く履いている靴にそっくりでした。まるでトレーナーさんのようです、トレーナーさんです、トレーナーさん本人です！ だが恰好が奇妙すぎて和気あいあいとしてた部屋が一瞬にして凍り付きます。鼻眼鏡をかけていたブルボンさんでさえ固まって…あ、その手があったかみたいな顔をしています。

「あっ、あなたは…！」

バクシンオーさんが目を煌めかせて驚きの言葉を出しました。それもそうでしょう、遠くに出張中のトレーナーさんが突然頭をプレゼントボックスにしてやってきたんですから、一体どこに出張しに行ったんですか、プレゼント王国ですか。

「バクシンの神！ バクシン・シーン！」

全っっっっっ然違いました。バクシン・シーンにすれば何でもOKだったりするんでしょうか。もうこれはプレゼントの神ですよ。

「貴方はケーキより大福派だったはず！」

初めて知りましたその設定。

「ハッピバークシントウーユーハッピバークシントゥーユー。安心せよ…どっちも美味しければ食べるから。それに今日の私は驀進の力によって満たされている…見られたとしても誰の記憶にも残らないだろう」

「おぉーー！！流石はバクシン・シーン様！」

いや、確かに記憶からは消したい光景ではありますがそれは無理がないですか。あとなんですかその歌。

「おぉバクシンオー、私の可愛いバクシンオー…誕生日おめでとう。超驀進星も太陽に負けぬほど輝きお前を祝っているよ…本当はバクシンの日として祝日にしてよいぐらいに…。あ、これプレゼントね。そして先ほども言ったがお前の力が満ち溢れるこの日、私の力もまた最も強大…何でも一つ、願いを言うがいい…遠慮はノットバクシン…」

ぱかっと頭のリボンを解くとボックスの中に手を突っ込んで、そこから綺麗な箱に入った素敵なサクラの花の形をした耳飾りがでてきました。そのままバクシンオーさんの手のひらに乗せます。プレゼントを出す過程での理解を拒む系の恐怖と贈り物の素敵さの差になんだか風邪ひきそうです。しかし一つとはいえ何でもというのはさすがに無理じゃないですか、バクシンの日にしてくださいと言われたらどうするのでしょうか。

「何でも願いを…！？ 流石バクシン・シーン様！ で、では…お恥ずかしいのですが…じ、実は先ほどからここに、母上と父上がいたらいいなぁと思っていたのです…そ、それにトレーナーさんも…みんなに紹介したいなと思ったりして…」

いえ、まぁ目の前にいるんですけどねトレーナーさん、いうだけ野暮でしょうけど。あっだめですブルボンさん、違う箱を頭にかぶろうとしては…あっ頭の飾りで穴が開きましたしょぼんとしてます。

「ふっふっふ、今の私には容易いこと…ではバクシンオー誕生日本当におめでとう、今年もずっと見守っているぞ…」

そう言ってバクシン・シーン様ことトレーナーさんは後ろ向きで部屋から出て行こうとして頭がぶつかり、結局振り向いて部屋から出ていきました。容易いことって言ってましたけど大丈夫でしょうか、トレーナーさんはともかく、ご両親は今から迎えに行っても絶対半日以上はかかる距離だと思うのですが。

と思っているとふとすぐにドアがココココココンと連打され、またドアが勢いよく開かれました。先ほどの恐怖に皆さん少し怯えながらドアを見るとそこには、一組の男女が入ってバクシンオーさんにニコリと笑いかけました。その後ろから被り物取ったトレーナーさんが無表情の顔を出します。
ぱあっとバクシンオーさんの眼がさらに輝くと二人へとバクシンダッシュで抱き着きました。

「父上！ 母上！ それにトレーナーさんも、どうやってここに！」

わっと部屋が沸きました。まさか本当に両親が来ているとは、トレーナーさんはこのことを予測して願いを聞いたのでしょうか。凄いことで素敵なことですが不器用の極みでもあります。

「ふふふ、バクシン・シーン様から御告げがあったかと思ったらいつの間にかここにバクシン瞬間移動していたの」

バクシンオーさんのお母さんが笑いながら言いました。いやお母さんもその設定に乗るんですか、ノリが良すぎませんか。

「ちょわー！？ 母上もバクシン・シーン様をご存じなのですか！？」

「ええ、少し前から。可愛い人ね」

「そうでしょう！ そうでしょう！ ささ父上も母上も座って座って！ トレーナーさんはお仕事は大丈夫だったのですか！？ とりあえずトレーナーさんも座ってください！ 皆さんご紹介します、私の大事な人たちですー！」

トレーナーさんは「済んだ」といいながらやはり感情を見せずにしかし少し遠慮がちに端の方に座ります。バクシンオーさんがバクシン・シーン様からもらった耳飾りを付けて見せると、ほんの少し口の端の角度を上げました。すごい、初めて表情を変えたところを見ました。

「もう、父上も母上も本当に私が大好きなんですからー！ 私もですよー！」そうやって何度目かの乾杯をして部屋もまた盛り上がりを見せた後、ふとバクシンオーさんはとても見たことがないような笑みと共に耳飾りを触りながら呟きました「本当に、大好きですよ」

思わずそれを聞いてしまった私は、その視線の先にいるトレーナーさんとバクシンオーさんを交互に見るばかりでそれがどういう意味か聴くことができませんでした。ブルボンさんがブルボン・ボーンと無理やり箱を被って、部屋が爆笑の渦となるころにはバクシンオーさんはまたいつもの笑顔になっていました。
あぁお父さんお母さん、私はあと誕生日が何回くれば大人になれるんでしょうか…

バクシンの日と聞いて書かずにはいられませんでした
貴方達もハッピバークシンといいなさい

>私はあと誕生日が何回くれば大人になれるんでしょうか…
いずれわかる

来ると思ってたぜバクシン・シーン…！
ハッピバークシン！

頭おかしいけど有能すぎるぞトレ…バクシン・シーン
ハッピバークシントゥーユー！

ハッピーバクシン！
ハッピーバクシン！
イェイイェイ！！

やはりご降臨されたかバクシン・シーン様！

ブルボンさん…

ハッピーバクシン!

家族公認じゃんバクシン・シーン様

ﾊﾋﾟﾊﾞｸｼﾝｯ！

…もしかしてトレーナー誤魔化すつもりあんまりないんじゃ…？

有能すぎる…

既に挨拶を済ませていたとはやり手だなバクシン・シーン

>…もしかしてトレーナー誤魔化すつもりあんまりないんじゃ…？
トレーナーは不器用の塊だからバクシンオーにはバレていないだろうと思っている…

多分出張とか言いながら両親の所いってきたなこの不器用トレーナー…

ハッピバークシン！

不器用なくせに気配りの達人かよ…

トレーナーさんとしてはただ担当の子が両親に会いたいだろうなぁって気を利かせただけでは…？

ただでさえ委員長のツボに入る行動ばっかしてたのにここで先読みして両親呼べるなんてちょっと取り返しがつかない好感度の稼ぎ方してない？

バクシン・シーン…
ブルボン・ボーン…
フラワン・ワーン…

>ただでさえ委員長のツボに入る行動ばっかしてたのにここで先読みして両親呼べるなんてちょっと取り返しがつかない好感度の稼ぎ方してない？
何か問題が？

>バクシン・シーン…
>ブルボン・ボーン…
>フラワン・ワーン…
巻き込まないでください…

バクシン・シーン
ブルボン・ボーン
ニシノン・ノーン

🎁<私の可愛いバクシンオーよ…
👕

セイウン・ウーンだよ〜

もうちょっとスーツと靴をいつもと違うものにするとかさぁ...

ニシノン・ノーンになる日も近い…

バクシン・シーン…ブルボン・ボーン…ニシノン・ノーン…セイウン・ウーンが集う時エイシンフラッシュが訪れる…

今回は保身無しなんだなバクシン・シーン様

>ニシノン・ノーンになる日も近い…
初耳です！？
来ませんよね…？来ませんよね！？

またニシノ神が特殊なプレイに巻き込まれてる…
しかも今度は家族ぐるみの

不器用なくせにちゃんとイイ感じのプレゼント渡しやがって…

プレゼント渡す時そっけないところ最高に不器用アンド可愛いポイント

>不器用なくせにちゃんとイイ感じのプレゼント渡しやがって…
内シンバクバクだったと思われる

やはり誕生日にきたかバクシン・シーン…ハッピーバクシン！

被り物にこだわりがあるんだろうか…

バクシン・シーンこのコミュニケーション出来るならもう普通に接した方が楽じゃない…？

ライスン・スーンもいるはず
なんかガンダムに居そうだ

>バクシン・シーンこのコミュニケーション出来るならもう普通に接した方が楽じゃない…？
だっていきなり接し方変えてバクシンオーが驚いたり不安を感じたりしたら可哀想だし…

>バクシン・シーンこのコミュニケーション出来るならもう普通に接した方が楽じゃない…？
いつもは無口で無表情なレベルの不器用なやつだぜ…無理だろう…

>バクシン・シーンこのコミュニケーション出来るならもう普通に接した方が楽じゃない…？
人間の中にはスイッチしないと喋れないやつもいるんだ

マスターバクシンオーさんのトレーナーは魔法を使えるようですもしやマスターも

トレーナーさんは真っ当にコミュ取れるけど相当体力使うタイプのコミュ障とかじゃないかね

普段無口なのに電話だとやたらハイテンションになる人思い出した

他トレーナーにもあいつ不器用だからな…って思われてるの良いな

>マスターバクシンオーさんのトレーナーは魔法を使えるようですもしやマスターも
…時にブルボンは
"十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない"
という高名なSF作家の言葉を知っているか？

>…時にブルボンは
>"十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない"
>という高名なSF作家の言葉を知っているか？
…！つまりマスターはワープが可能なのですね

委員長の異性への価値観はもうボロボロ

短距離仲間でカレンチャチャーンも実装されたら来るかな…

>ライスン・スーンもいるはず
俗物がって言いそう

ここのブルボンはノリ良くて好き

>ここのブルボンはノリ良くて好き
ただバクシン・シ−ン様とめっちゃ気が合いそうでモヤモヤする

大好きですよのあたりだけはいつもの笑顔ではなく雌の顔してるんだろうな…

これ委員長他の男性に魅力見出すのに苦労しません？大丈夫？

>これ委員長他の男性に魅力見出すのに苦労しません？大丈夫？
もう親御さんにご挨拶も済んでるしその必要はないのでは？

ハッピバークシンが思いの外歌いやすくてダメだった

スッペン・ペーン…

本人にはそのつもりはないんだろうけど外堀バッチリ埋めてる…

メジロマックイン・イーン！！

>ただバクシン・シ−ン様とめっちゃ気が合いそうでモヤモヤする
合うとしても小学生男子的な気の合い方だろうから問題無いと思われる
それはそれとして私のトレーナーさんが…と不安になるバクシンオーは見てみたい

フンギャロン・ローン…

ふっふっふ…我はフクの神フクキタ・ルーン…トレーナーさんよマチカネフクキタルにツボを買う許可を上げなさい…

えっバクシンがトレーナーさんはそういう目で見れないです！って言った後にトレーナーさんが別の女（桐生院）とデートしてるのを目撃して心がざわつくけどそれがどういう感情か理解できなくてモヤモヤするお話を！！？

何故かタイガー・ジェット・シン思い出した

>ふっふっふ…我はフクの神フクキタ・ルーン…トレーナーさんよマチカネフクキタルにツボを買う許可を上げなさい…
（アイアンクロー）

シャカラカブンブン・ブーン！

バクシンノックは家族共通だったんだ…

このトレーナーならたとえ桐生院とのデート中でもバクシン・シーンになりかねん…

ニシノチャンの突っ込み力がモリモリ鍛えられてないか

>それはそれとして私のトレーナーさんが…と不安になるバクシンオーは見てみたい
おぉ、バクシンオーよ…私の可愛いバクシンオー…自分のトレーナーの意識が他の子に向いてしまっているのではないか、やっぱり桜餅はデザートにするべきではなくおやつにすべきだったか、不安を感じてしまっているね？

>ニシノチャンの突っ込み力がモリモリ鍛えられてないか
ウチの後進は決まったみたいやな…

>ここのブルボンはノリ良くて好き
ヒーローショー目を輝かせて見てる子供じゃないですか！

とてつもなく口下手だけど実は有能なんじゃないかバクシンシーン

ウンスン・スーン
エルコン・コーン
ヘイロン・ローン
ラスワン・ダーン
スッペン・ペーン

>このトレーナーならたとえ桐生院とのデート中でもバクシン・シーンになりかねん…
！
ハピミク・ミーク…！

サプライズでご両親呼ぶのは本当にナイスアシストなのに

母親もウマ娘なのかな

>とてつもなく口下手だけど実は有能なんじゃないかバクシンシーン
それとなく保身を入れてくるけど長距離を目指す上で指導は的確だし精神面でのケアもバッチリだからな…やり方が不器用すぎるだけで

ウォー・カーン…

孫がキタサンだから結婚して子供産む未来は確定してるからな！

キタサン・サーン…か

>孫がキタサンだから結婚して子供産む未来は確定してるからな！
つまりキタちゃんが悩むときにバクシン・シーンGとバクシン・シーンBが現れる…

部屋に入る前に突然箱を被り出した寡黙な男を見て良くご両親は平静を保てたな！

クソボケではないけど強かな雌と化した委員長に外堀埋められた挙句追い詰められて桜餅にされちゃうのが似合うよこの可愛い神は

キタちゃんなら大丈夫だろうけどこんな愛され系ハイテンションばーちゃんとか大変だな…

前にも見たなバクシン•シーン...

日ごろは無口なのでバクシン・シーンの正体に気づくことがないキタちゃんか…

>前にも見たなバクシン?シーン...
大体コレで4回ぐらい降臨なされているからな…

>部屋に入る前に突然箱を被り出した寡黙な男を見て良くご両親は平静を保てたな！
母上がバクシン・シーン様を可愛い人と評しているあたり
父上もトレーナーさんと同じタイプの寡黙でトンチキな人物だと思われる