二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1618324831837.jpg-(54655 B)
54655 B21/04/13(火)23:40:31No.792574292+ 00:41頃消えます
4/12の夜にアップしたバクシンの続きです
su4767590.txt
※文章で気になった細かいところ一部直してます。

昨日の文章の直ししてたらすごい中途半端なとこでシメてるなと思って自分がモヤモヤしたので気づいたら続き書いてました 今回が本当に最後です。

↓以下続きの部分だけ書きます。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/13(火)23:42:05No.792574804+
私の想いはすべて言葉に乗せ、彼女に伝えた。

私の力不足がこの事態を招いた事。
責任は全て自分にあること。
トレーナーを辞めるつもりであること。

私の言葉をすべて聞き終えた彼女は、私の顔は見ず、俯き、ボロボロと涙を流し始めた。覚悟した。彼女から浴びせられる数々の罵声を。だが、彼女が取った行動は、俯いたまま、自らの顔を手で覆っただけだった。
続けて、嗚咽まじりの、言語の体を成していない言葉で彼女は何やら話し始めた。彼女が何を喋り始めているのか、何を言っているのか、全くわからなかった。

想定外の事態に私も困惑する。立ち膝でいた私は立ち上がり、ソファに座る彼女の肩をつかみ、彼女の名前を呼び、彼女の顔を覆う手を払った。

涙で、鼻水で、ぐしゃぐしゃになった彼女の顔が現れる。
その口から洩れる微かな声。何を言っているのかが分からない。

彼女はずっと同じ言葉を繰り返していたため、最終的になんとか単語を聞き取ることができた。
221/04/13(火)23:42:48No.792575090+
『二人で』
『スプリント』
『一緒に』

彼女の言葉一つ一つを繋げた時、私は心臓に杭を打たれる想いがした。彼女は、もう既に、覚悟ができていたのだ。

愚かだった。今、この場で、ようやく私の口から出した言葉の一つ一つは、彼女を切り刻む凶器として作用したのだ。
手が、足が、体が、自らの起こした凶行に震えだした。

彼女は涙を目に溜め、呼吸を荒げ、今にも叫びだしそうな顔で、私を見つめている。その表情は、青ざめている。恐怖に怯えるような、初めて見る彼女の顔だった。

伝えなければ。彼女に。
言わなければ。彼女に。
とっさに、言葉が出た。
321/04/13(火)23:43:22No.792575280+
「最後まで、君のトレーナーでありたい」

取り繕いの無い、本心だった。

彼女はソファから飛びあがると私の胸に顔を埋め、再び声を上げ泣き出した。

「はい」

彼女の返事を聞いて、全身の力が抜けた。

震える手をなんとか制御し、彼女の体を支えられるように、彼女の肩を掴む。だが、涙が止まらなかった。
421/04/13(火)23:43:37No.792575373+
涙はどうしようもなくこみ上げてきた。

彼女も同様だった。

ただ、泣く事しかできなかった。

二人で寄り添うように、泣き続けた。

夢を追い続け、その最果てで見た絶望に。

夢を追い続け、その最果てで得た希望に。

二人で、泣き続けた。
521/04/13(火)23:44:01No.792575509+
涙を流し尽くし、二人が落ち着きを取り戻した時、既に部屋の時計は深夜1時を回っていた。
そろそろ自分の部屋に戻るよ、と彼女に伝えた。

彼女は既に泣き止んではいたが、無言で両腕を私の背中に回し、私の体にしがみついている。
離れようとしない。私の体を拘束する腕に、グッと力が入る。

離れたくないですと彼女は言った。

一度は落ち着きを取り戻した彼女の涙が、また止まらなくなりそうな気配すら感じたため、
私は、この部屋を出る事をあきらめる事にした。

彼女の布団の隣に、余っていたもう1組の布団を敷いて、
今日は、彼女の掌を隣で握っているからという事で、
ようやく彼女は納得してくれた。
横になった彼女が、私の手を握り、少し離れたで横になる私の顔を見て、口を開く。
621/04/13(火)23:44:18No.792575605+
「トレーナーさん、私達、ずっと一緒ですよね」

ああ。

彼女の顔を見て答える。彼女は微かな笑顔を浮かべた。

「明日からまた、バクシン!ですね!」

そうだな。

夜遅いからもう静かにね。とも添えて、端的に答える。

数秒の間があった。気づくと、彼女は安らかな寝息を立てていた。
721/04/13(火)23:44:37No.792575731+
疲れていたのだろう。私の手を握る彼女の力も次第に弱くなっていった。

彼女の顔をもう一度見る。

夜を照らす月あかりのような、静かな寝顔がそこにあった。
821/04/13(火)23:45:09No.792575921+
・・・

夢を見た。

彼女が、サクラバクシンオーが、スプリントで閃光の輝きを放つ。
人々は熱狂する、歓喜する、ターフ上の彼女に喝采を送る。
トレーナーとして、私も彼女にできる限りの声援を送る。
応援していて、なぜか涙が止まらなかった。
なぜ涙が出てくるのか、分からなかった。
嬉しいからなのか。悲しいからなのか。分からなかった。
彼女は圧倒的な力で1着の栄光を掴む。
ウイニングランに臨む彼女を見た。
彼女は、彼女がいつも見せる満面の笑顔で、私達の声援に応えていた。
人々は熱狂する、歓喜する、ターフ上の彼女に心からの喝采を送る。
私の頬を流れ落ちる涙は、いつしか止まっていた。
921/04/13(火)23:46:28No.792576357+
オワリ今度こそ絶対にオワリ
クソ長いのが更にクソ長くなりました ごめんね
1021/04/13(火)23:48:15No.792577008そうだねx9
良文はいくら長くてもよいとされている
1121/04/13(火)23:48:26No.792577065+
これは…大作…きっとこの二人は大丈夫だな…
1221/04/13(火)23:48:55No.792577243+
バクシンロードが途絶えても走りは終わらないんだ
これでいいのさ
1321/04/13(火)23:48:57No.792577253そうだねx5
良がったよぉぉぉ
1421/04/13(火)23:49:34No.792577470+
最終的には短距離レコード量産になる
1521/04/14(水)00:04:51No.792582691+
>オワリ今度こそ絶対にオワリ
>クソ長いのが更にクソ長くなりました ごめんね
謝るなもっと長くいっぱいかけ
1621/04/14(水)00:09:17No.792584107+
前の怪文書で言われてたけどホントにここから二人の関係が始まるだなって
1721/04/14(水)00:10:03No.792584370+
ちょうど誕生日だね
1821/04/14(水)00:11:15No.792584802+
よかった…
おまとめファイルもありがたい
1921/04/14(水)00:12:35No.792585253+
いいね…
2021/04/14(水)00:13:39No.792585632+
2121/04/14(水)00:25:34No.792589636+
中距離以上を目指すっていう委員長の目標って結構な数のトレーナーの心を苦しめてるよね…


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