二次元裏@ふたば

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83647 B21/04/08(木)20:56:10No.790947824そうだねx1 21:56頃消えます
「エアグルーヴさん、誕生日おめでとうございます!良かったら受け取って下さい!」
今朝方そう渡されたプレゼントの箱を見て、思わず口元がほころんだ
中身はウマ娘用に作られたピアス、センスも良くレース中での着用も考慮されている
実に私の事をよく思って選ばれたものであると感じた
送り主はダイワスカーレット
優秀で正義感もある優等生である。彼女とは直接的な関与こそ少ないが
私に対しては尊敬の念を抱いてくれているらしい。ありがたいことだ
にも関わらず彼女がどうも浮かない顔をしているのに気付く
どうやら彼女のライバルであるウオッカとの戦績が最近よろしく無いらしい
何か彼女の為にやってあげられる事はないだろうか

しばし考えて私は履歴の残らない携帯を使い、ある番号へと電話をかける
「私だ、エアグルーヴだ。次の集会についてだが…」
数分程話し込み、私と相手は同時にこう結んで電話を切った
『シラオキ様のご加護があらんことを』
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/08(木)20:57:12No.790948201+
──なんで、なんでこうなったの?

あの時アイツが…ウオッカが突然オークスじゃなくてダービーに挑むって言って
私は今まで歩いてきた道が急に無くなったかのような感覚に陥った
そしてアイツに私が一番になりたい理由が空っぽである事を看破もされて…
無気力になっていたそんな私に声をかけてくれたのは…エアグルーヴさんだった
「であるならば、今のお前にはあそこが丁度良いかもしれないな」
エアグルーヴさん本人は神様だとか信仰とは全く興味はない風だけど
「今も昔も宗教というのは自分で心を支えられなくなった者の為の助けだ」
という言葉を受けて、少し胡散臭いと想いながらも一度頼ってみる事にしたのだ
それだけなのに…

なのに…なんで、なんでこうなったの?

「さぁダイワスカーレット、その手に持った鞭で目の前の袋を叩きなさい」
221/04/08(木)20:57:15No.790948220+
まだ生きていたのかシラオキ様女帝…
321/04/08(木)20:58:14No.790948617+
てっきりストレス発散の為のレクリエーション程度だと思ってた
まさかズタ袋の中に人が入っているだなんて夢にも思わなかった
知らずに思い切り打ち据えた私の一撃で、袋は一瞬跳ね上がり呻き声を上げる
なんでこんな酷い事を!?そう言おうとする私の言葉に先んじて周りの信徒達は言う
「その者は友を裏切った。友の想いを踏みにじった」
「その者は罰を欲している。何故なら罪を犯した自覚があるから」
「その者は許されたい。踏みにじった者への罪に相応しい痛みで許されたい」
「その者は─」「その者は─」「その者は─」「その者は─」「その者は─」
顔を隠した信徒達は次々と抑揚のない言葉で私に迫ってきた
耳を塞いでも聞こえる。鞭を捨てても握らされる。逃げるには人が多すぎる
怖い、辛い、泣きたい、逃げたい、帰りたい、救われたい
なんで私がこんな事をしなきゃいけないの?なんで私がこんな目にあっているの?
誰が私をこんな目にあわせているの?
「…ウオッカ?」
脳裏に浮かんだ名前を唱えたその刹那、頭の中の何かがプツンと切れた
421/04/08(木)20:59:13No.790949022+
それから先はよく覚えてない
目は熱く、喉は枯れて、化粧も落ちてドロドロ
ただ断片的に思い出せる映像や感覚があるだけだった
折れた鞭、ズタズタになった袋、熱くなるお腹、袋の切れ目から見えるウマ耳
白くて綺麗な肌、そこに走る赤い筋、鼻を刺すアンモニア臭、何処かで見たピアス

ただ何より心に刻まれたのは、あの場所から帰る時に誰か言われたあの言葉
『初めてであれだけ人を罰してあげられるなんて大したものだ
頑張ればシラオキ様の一番の信徒になれるかもよ』
「一番……?一番……!一番…!!!ウフッ…ウフフッ…ウフフフフッ!」
やはり私は私のままだ。こんなにも一番になりたくてたまらない
そして間違っているのもやっぱり私じゃなくてウオッカだった
アイツにもわからせてやるんだから、私が誰よりも一番に相応しいって事を
早速オークスじゃなくてダービー出場の申請しにいかなきゃ
あの袋の中に誰が居たか、もはやそんな些細なこと気にする暇も無いもの!
521/04/08(木)20:59:51No.790949263+
なにこれ…
621/04/08(木)21:00:13No.790949421+
──その日からのダイワスカーレットの活躍は目覚ましかった
出場レースは全て2位以下に大差をつけての勝利
それもウオッカが出ると宣言したレースに、全て被せにきてのものである
人々はその執念じみた行動に、二人の間に何か確執があったのではと邪推していたが
何のことはない、シラオキ様の教えにより彼女は素直になれただけであった
まるで罰するかのようにウオッカを叩きのめす度、ダイワスカーレットの赤い瞳は
紅玉のように美しく、悪魔のように蠱惑的に輝いた

そして今、私はそのウオッカより相談を受けようとしている
スカーレットの人が変わったかのような豹変、日に日に離される実力差、募る焦り…
全てを受け止めた私はウオッカに対し、こうアドバイスした
「であるならば、今のお前にはあそこが丁度良いかもしれないな」

嗚呼シラオキ様、お喜び下さい。また新たな信徒が誕生しますよ
私は全身に走る赤い腫れ痕を服の上から愛おしく撫でながら、神へ祈った
721/04/08(木)21:01:30No.790949906そうだねx1
ウワッー!?この女帝こじらせ過ぎだ!?
821/04/08(木)21:01:48No.790950014そうだねx5
>まだ生きていたのかシラオキ様女帝…
女帝のお誕生日記念特別編です
遅れちゃったけどおめでとう!
921/04/08(木)21:02:21No.790950222+
スズカを売った女帝が後輩に遠慮なんぞするものか
1021/04/08(木)21:02:24No.790950246+
歪んだ愛…
1121/04/08(木)21:03:55No.790950898+
焦ったウオッカ叩いちゃったのかと思った
1221/04/08(木)21:06:22No.790951818+
ウワッー…
1321/04/08(木)21:09:06No.790952775+
ナンデスカコノジョウキョウ
コワ〜……
1421/04/08(木)21:10:14No.790953165+
ウワーッ!俺も信仰しちゃうの!?
1521/04/08(木)21:14:06No.790954652+
一旦ここは終わらせるって言ってたじゃないですかー!
いやとても良かったです
1621/04/08(木)21:17:54No.790956098そうだねx2
宗教に落とした罪を自ら許しを請うのは控えめにいってヤバすぎるよ
1721/04/08(木)21:22:16No.790957854+
フク「あの…何で私が適当に言った宗教が存在してるんですか…」
1821/04/08(木)21:25:33No.790959267+
フクキタル…どうにかしろ…
1921/04/08(木)21:25:44No.790959355+
>フクキタル…どうにかしろ…
>ナンデスカコノジョウキョウ
>コワ〜……
2021/04/08(木)21:26:37No.790959703+
シラオキ様?存在するかも知れないししないかも知れないな
と、シラを切らせてもらう事にするよ…ふふっ
2121/04/08(木)21:32:03No.790961939+
>ナンデスカコノジョウキョウ
>コワ〜……
お前が始めた信仰だろ
2221/04/08(木)21:37:33No.790964264そうだねx1
ああ自分を叩かせてるのか
>コワ〜……
2321/04/08(木)21:53:35No.790970865+
>フクキタル…どうにかしろ…
本物のシラオキ様の加護を受けたフクキタルと
そのトレーナーじゃなきゃここからハッピーエンドは難しいな


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