サクラバクシンオーはファイリングされたコピー用紙を捲り、その文面に一頻り目を通すと顔を赤くした
どうやら年頃の女の子が直視するには少しハードな内容だったらしい
「でも、酷いよな」
「……酷い、と言いますと？」
鸚鵡返しに尋ねたサクラバクシンオーの言葉に俺は深く頷いた
「……オグリキャップの所のトレーナーさん、無理矢理襲われて既成事実を作らされたっていう噂があるんだ。薬で眠らされてそのまま襲われたらしいよ」
「く、薬で！？　それは酷いですね……！！」
「ああ。幸いトレーナー側にも好意があって籍を入れる事になったらしいけど、もしトレーナーが既婚者だったらと思うとゾッとするよ。夫婦の仲を引き裂くだけじゃないし、他の家族も可哀想だ」
俺は唖然としたバクシンオーの顔を見て微笑んだ
「学級委員長である模範的優等生はそんな事しないもんな？」
「ええ、勿論ですとも！！」
冗談めかして言うと、バクシンオーは胸を張って答えた

三年間掛けて築き上げた、近過ぎず離れ過ぎずの距離感は心地良く、バクシンオーとは手の掛かる教え子というよりも年の離れた女友達のように接している
純粋で……思慮の足りないバクシンオーには愛情はあれど、この書類に纏められたトレーナー達のような肉欲や性的な魅力は感じない
それがきっと正しいパートナーシップという物なのだろう
最も接する時間が長い異性とはいえ、担当ウマ娘に好意を抱く事自体が間違っているのだ
過ちを犯したトレーナー達を心の中で軽蔑しながら、俺はバクシンオーの手から書類を引き抜いた
「まあ、バクシンオーはこういうのは気にしなくていいよ。この辺をどうするかは俺達トレーナーの問題だからさ」
要は距離感の問題だ
距離感を間違え、入れ込み過ぎたトレーナー達は結局、こうして担当ウマ娘に食われてしまうのだろう

その点自分は安心だ
バクシンオーにはそういった策略や奸計を思い付く知恵も無さそうだし、今の距離感を保てば何の問題も無いだろう
「それで、事前に言ってた筋トレは終わったのか？」
「はいっ！勿論ですとも！」
「それじゃあ、今からターフに出て実際に走るぞ。色々準備するから、先に外行っとけ」
「了解ですっっっ！！！」
バクシンオーはバクシンバクシンバクシーン！と言いながら全速力でトレーナー室から出て行った
「……もう少し静かにしてくれないか……」
半ば呆れながらも、俺は練習道具が入った籠を抱えてターフへ向かった

トレーニングも終わり、食堂で晩ご飯を食べ終わった後、私は真っ先に自室へ駆け込んだ
そして同室のウマ娘が戻って来ない内にポケットからスマホを取り出すと、とあるアプリを起動する
すると、画面上に見慣れた男性の姿が映し出された
トレーナーさんだ
画面の中でトレーナーさんは机に向かい、不祥事を纏めたという先程の書類に目を通していた
どうやらトレーニングが終わった後直帰したらしく、トレーナーさんはトレーナー寮の自室でのんびりと過ごしていた
机の上に空のカップラーメンの容器があるのを見るに、どうやら晩ご飯を食べ終わった後らしい
『……あんな事にならないように、注意しないとな』
そう言ってトレーナーさんは資料を机に放り出すと、ベッドに寝転んだ。すると間もなく、ベット周辺に仕掛けた盗聴器が規則正しい寝息を拾い出す
トレーナーさんは食事を終えた後、決まって数十分ほど仮眠を取る
仮眠から覚めると起き出して、私の為にスケジュールを練ったりトレーニングを考えたりし始める
そして日付を跨ぐ頃に再びベッドに入って眠る。それがトレーナーさんのルーティンだ

部屋に仕掛けた三個の盗聴器、ベッドに飾られた私のパカぷちのバクシンアイに仕込んだ小型カメラ。トレーナー室にも同じ布陣が敷かれている
トレーナーさんはきっと知らない。優等生である私が本当はこんな仕掛けを使っていて、私生活を監視されている事を
そして、私がずっと騙されていたと気付いている事を
「はは、ははははは……！！」
緩み切った表情で眠るトレーナーさんの顔を見ると、思わず笑みが溢れる

今まで散々騙してきたのだ

今度はトレーナーさんが騙される番だ

賢さ1200

距離感見誤ってんな…

>その点自分は安心だ
油断が過ぎる！

1200×3で騙されてグレたバクシンはこわいな…

ふふっ怖い

>その点自分は安心だ
>バクシンオーにはそういった策略や奸計を思い付く知恵も無さそうだし、今の距離感を保てば何の問題も無いだろう
そう言う奴から食われていくんだ…

>距離感見誤ってんな…
？ ちゃんと距離取って監視してます！

お…オグリお前…

理不尽な風評がオグリキャップを襲う

私はそんなことするんだが？

相手が射精したからこれは和姦になるんだ
◆

トレーナーさんを騙して最終的にどういった目にあわすのかわからなくて怖い

オグリは自分が前に書いたやつです

オグリのトレーナーもお前と同じような考えだったと思うよ

バクシンオーは騙されたこと…怒ってるんですね…？

女の影がないからあわてる必要がないんだな…

妊娠させたら責任とらないといけない
知らなかったのか？

「うちの娘はそんなことするわけがないと思っていた」
逆ぴょいされたトレーナーは皆そう言うんですよ

こうなってもバクシンアイとか言うセンスがバクシンオーだな…

>バクシンオーは騙されたこと…怒ってるんですね…？
いいえ！
むしろ口実がいただけてありがたいです！

これは学生結婚に持ち込むパターンだ…

逆ぴょいしなさそうなウマ娘って誰だろう…うちのキングはそんなことしなさそうだけども

ナイスネイチャはする度胸なさそう

うまだっちすること自体が不祥事なのですか…？

>逆ぴょいしなさそうなウマ娘って誰だろう…うちのキングはそんなことしなさそうだけども
ハヤヒデウオッカフクキタルはそんな事する度胸は無いと思う
後クリークは互いに合意の上だから逆ぴょいは成立しない

うちのスズカはおとなしいから安心だな！
むしろ彼女を引っ張っていけるような頼りがいのある相手を見つけて幸せになってもらわないとな！

>うちのスズカはおとなしいから安心だな！
>むしろ彼女を引っ張っていけるような頼りがいのある相手を見つけて幸せになってもらわないとな！
あっ……

>うまだっちすること自体が不祥事なのですか…？
好きだっちからのうまだっちは合法です！

賢さも勢い余って1200×3とか表示されてない？

もしもしお父さん？
聞き覚えのある事例が報告書に載ってるんですが…

これは復讐だからオグリのケースとは分類が違うから…

>もしもしお父さん？
>聞き覚えのある事例が報告書に載ってるんですが…
I'm your mirror

だが待ってほしいバクシンオーの胸中を見るにトレーナーへは思慕よりも復讐の念の方が近いように見える
ということは逆うまぴょいされる可能性は低いのでは？

オグリって妊娠誤魔化してたやつか

このバクシンの頭んなかトレーナーへの愛憎でぐちゃぐちゃになってそう

>ということは逆うまぴょいされる可能性は低いのでは？
逆うまぴょいをして妊娠することが復讐になるのでは？

>だが待ってほしいバクシンオーの胸中を見るにトレーナーへは思慕よりも復讐の念の方が近いように見える
>ということは逆うまぴょいされる可能性は低いのでは？
トレーナーが最も忌避しているのがウマ娘からのトレーナー強制逆うまぴょいですよね？信頼を最低の形で裏切られる事が嫌なんですよね？だから…それしかないですよね

そもそも俺とうちの娘はそういう関係じゃないしな！

復讐で自分の人生もめちゃくちゃにするのはやめろぉ！！

>>ということは逆うまぴょいされる可能性は低いのでは？
>逆うまぴょいをして妊娠することが復讐になるのでは？
そんな理由で生まれてくる子供が可哀想だからやめてくれ…

>復讐で自分の人生もめちゃくちゃにするのはやめろぉ！！
自分は幸せになってしかも復讐できる最高のミッションじゃないですか

妊娠したらトレーナーさんを一生縛り付けることができるからな…

>そんな理由で生まれてくる子供が可哀想だからやめてくれ…
いや
バクシンにとっては幸せなわけであって
トレーナーに復讐したい気持ちとは別だから…

トレーナーはどんな形であれ自分の血を分けた子供は大切にしてくださいますよねっ！！

わからない…バクシンがトレーナーを好きなのかそれともザックレー理論でむしろ好きだなになっちゃってるのかわからない…

>トレーナーはどんな形であれ自分の血を分けた子供は大切にしてくださいますよねっ！！
のちのグランプリボスである

一つ言えるのは
原作のバクシンオーは種牡馬としても人気を集めて
死因も試験交配中に発症した心不全だということだ…

ヤリマンじゃないですかーヤダー

腹上死だったんかお前…

>一つ言えるのは
>原作のバクシンオーは種牡馬としても人気を集めて
>死因も試験交配中に発症した心不全だということだ…
それ搾り殺されたとは違うの…？

>逆ぴょいしなさそうなウマ娘って誰だろう…うちのキングはそんなことしなさそうだけども
チケゾーかな…

メガネかけてて賢さ低いなんてわけはないのだ

ルナも逆ぴょいなんかできないよ

ルナのとこは甲斐性ありそうだしな…

怒りや憎しみ失望復讐心からくる暴力を伴う逆ぴょいを敢行し圧倒的パワーの差からくる優越感に表情を歪ませながらトレーナーを蹂躙する委員長だなんて…

はははと笑いだしたところが若干鋼鉄の7人ぽい

>それ搾り殺されたとは違うの…？
次は搾り殺す番だから…

世界最速の馬だからな
いっぱい子孫残したぞ

ニシノ神は学園トップクラスに良い子だし
幼いからそういう情欲は無いはず…